受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 サピックスが行っているテストは、授業で学んだ内容がきちんと定着しているかを確認し、日々の学習への取り組み方や姿勢に問題がなかったかどうかを振り返るためのものです。また、テストを解き直すことは、弱点の克服につながります。そこで今回は、テストを解き直す際の注意点について、武蔵小杉校校舎責任者の菊池大輔先生にお聞きしました。

第88回 「テストを解き直すときに、注意する点は?」回答者/武蔵小杉校校舎責任者・菊池 大輔先生

できるだけ早く「解き直す」ことが大切 実際に手を動かして、確かな理解につなげる

 テストで答えを間違える原因は大きく二つ。「理解不足」と「ケアレスミス」です。これらを改善するためには解説を見るだけでは不十分な場合もあり、テストの「解き直し」がとても大切です。実際に手を動かして解き直すことが、確かな理解とミスの再発防止につながります。
 解き直しについては、できるだけ早く取り組みましょう。直しをするのが遅くなると、間違えた理由がわからなくなってしまったり、問題自体を忘れてしまったりします。算数であれば、「どうしてこんな数を書いたのだろう」というように、答えを導き出した過程を忘れてしまうこともあります。そんな状態で解き直しをしても、十分な学習効果は期待できません。
 また、後回しにすると解き直すことが面倒になり、直さないまま放置してしまうこともあります。サピックス小学部ホームページの「マイページ」より、採点される前の答案を確認するなどして、できるだけ早く取り組んでください。保護者の方も一緒に丸付けをして、「合っていると思ったのに間違えた問題」「もう少しで解けそうだった問題」に優先的に取り組み、理解を深めるようにしましょう。
 解き直す際は、テストの問題用紙に直接書き込んではいけません。特に算数の問題用紙には、テストを受けた際に書いた計算式などが残っていると思います。そこへ新たに考え直した内容も書き込んでしまうとわかりにくくなり、上手に整理できません。間違えた理由も分析しにくくなってしまうので、必ず別の紙に解き直すようにしてください。そうすれば、最初に取り組んだときと解き直したときの差が比較しやすくなり、どこで間違えたのかもはっきりとわかります。
 解き直し専用ノートを作って整理していく方法もあります。その際、解き直しだけでなく、間違えた理由などをメモしておくと効果的です。そうすれば、自分がいつもどんなところで間違えているのかもわかります。

ケアレスミスにも対応策を練る 一つひとつ確実に改善していくことが重要

 「正答率一覧」や「出題のねらいと講評」も必ず確認するようにしてください。たとえば、間違えた問題のなかに「これは難しい問題だから、今すぐに解き直さなくてもいいはずだ」と判断し、後回しにしたものがあったとします。それが、実は思ったより正答率の高い問題だったとしたら、その問題はお子さん自身が、ほかのお子さんと比べて苦手としているということになります。こうした問題の解き直しは、ていねいに取り組んでください。また、理解が不十分だと感じたら、質問教室を利用するなどして、しっかり理解するようにしましょう。
 一方、正解までの道筋は正しかったのに、途中でケアレスミスを犯してしまった場合も、ミスの理由を振り返りながら、対応策を練ることが重要です。たとえば算数で多いのが、計算する際の繰り下がりの見過ごしです。見過ごすことが多い人は、筆算できちんと計算する癖を身につけましょう。これは、毎日取り組む『基礎力トレーニング』の問題を、筆算で解くようにしていけば自然と身につきます。
 また、算数が得意なお子さんにありがちなのが、「ミスを軽んじる」ことです。「理解はできているのだから、解き直す必要はない」と考えるのは大きな間違いです。「次の試験では気をつけよう」と思っても、また同じミスを繰り返して、最後に本番の入試で致命傷になることもあります。
 算数におけるミスの種類は「計算ミス」のほかに、「問題文の条件を読み間違えたり、読み落としたりしている」「問題用紙には正しい答えを書いているのに、解答欄に誤った数を書き込んでしまった」「時間配分に失敗している」といったものがあります。こうしたミスを、一つのテストでいくつも犯してしまう人もいますが、一度にすべてを改善することはできません。時間をかけて、一つひとつ確実に改善していきましょう。
 自分の弱点やミスと向き合うテストの解き直しは、誰にとっても嫌なものです。しかしそれを乗り越えて、テスト結果から浮かび上がった問題点を改善し、日々の学習に生かしていくことが実力を高める近道です。こつこつがんばりましょう。

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