受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 「子どもが本に興味を持たない」「本を読まないからか、語彙が乏しく、読むスピードも遅い」など、保護者の方にとって、読書に関する悩みは尽きないようです。どうすればお子さんを本に親しませ、国語の力を高めることができるのでしょうか。青葉台校校舎責任者の福井隆央先生にアドバイスを頂きました。

第90回 「読書習慣を身につけ、国語の力を高めるには?」回答者/青葉台校校舎責任者・福井 隆央先生

読書によって高めた語彙力を土台にして、 日々の学習に取り組んでほしい

 国語で大切なことの一つに、「こういうとき、人はこのように思ったり、行動したりするものだ」という一般常識を、知識として定着させていくことがあります。そのためには、読書によって高めた語彙力を土台にして、こつこつと学習に取り組んでいくのが有効です。
 語彙力が高まると、文章を読むスピードがアップします。そうなれば、日々の復習やテストの解き直しも、余裕を持って進めることができるようになります。また、長文問題も苦にならなくなり、問題を解くことに多くの時間を割けるようになって、得点力アップにもつながるでしょう。
 本を読めば、すぐにそうなるということではありませんが、基本的な語彙力は着実に高まっていくので、できるだけ早い段階で読書習慣を身につけてもらいたいと思います。
 読書習慣を身につける近道は、本人に「読書は楽しいもの」と実感してもらうことです。それには、保護者の方が実際に本を読んで、楽しんでいる姿を見せるのも一つの方法です。定期的に図書館や書店に一緒に行くなど、身近な大人と読書を楽しめる環境があれば、お子さんも自然と、みずから本を手に取るようになるでしょう。

好みに合った本を選び、読書を楽しむことが大切 好きな内容だからこそ、語彙力も高まっていく

 親子で同じ本を読み、感想を言い合うこともお勧めします。たとえば、子どもでも読めそうな本を選んで、それを保護者の方が先に読み、「この本、おもしろかったから読んでみて」と渡してみましょう。すると「親が『おもしろい』と思うものって、どんなものだろう」と興味を持ち、喜んで本を開いてくれることでしょう。
 そして、本人が読み終えたところで、お互いの感想を話し合ってみると、「お母さんは、こんな風に感じていた」「お父さんは、こんなところに気づいていた」などと、自分の感じたこととの違いを知ることができます。国語の問題で、自分とかけ離れた立場の人の行動を理解しなければならないときに、そうした感想が参考となって、内容をすぐに受け止められるようになることがあります。このように、お子さんの多角的な視点を増やすことが、国語の力を高めていきます。
 本を与える場合は、本人の好みに合ったものを選びましょう。今の年齢では理解できそうもないことが書いてある本や、入試で出そうな作品ばかりを選んで薦めても、お子さん自身が楽しんで読み進めていける内容でないと、読書が苦痛になってしまいます。最初は本人に選ばせるのもよいでしょう。まずは、文章に慣れ親しんでもらうことが大切なので、保護者の方が期待するような本を選ばなかったとしても否定せずに、好きなように読ませてあげてください。
 好きな内容だからこそ、語彙力が大きく高まることもあります。知らないことばや経験したことのない出来事が、好きな本の中に出てきたときに、「このおもしろい話をもっと理解したいから、自分で調べてみよう」という意欲につながるからです。また、好きなものをきっかけにして読書経験を積み重ねていけば、「自分の知らない世界にも触れてみたい」と思うようになり、自然に難しい内容の本に進んでいく場合もあります。保護者の方には、そんなお子さんの成長を温かく見守ってほしいと思います。

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