受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

16.3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
目次|2|

2016 MARCH /自由な校風を守り続け、
みずから考え発信する
情操豊かな人材を育てる/東大寺学園中・高等学校/校 長森 宏志 先生

聞き手:サピックス小学部 教育情報センター部長 広野 雅明・サピックス小学部 関西統括責任者 溝端 宏光

生徒の自主性を尊重し 個性を伸ばす自由な校風


校 長
森 宏志 先生

溝端 生徒を必要以上に管理しないというのが貴校の特徴の一つだと思いますが、最近は管理型の学校や塾が増え、家庭でも子どもには手を掛けるのが当たり前という風潮になっていますね。

 これからのグローバル人材には、みずから考えて、それを発信することが求められます。しかし、主に小・中学校の教育現場では、安全に最大の努力を払って“護送”するという昔ながらの取り組み方のままの学校が多いようです。時代の要請と現実が、完全に食い違っているのです。本校は、自由な伝統があって今に至っていますが、本当に将来的に有為な人材を育てるなら、管理型に変わっていくのはおかしいのではないかと思います。

 ただ、面倒見の良い学校を求めていらっしゃる保護者の方もいます。生徒の自主性を尊重する本校は、手取り足取りの指導はしませんから、面倒見の良い学校とはいえないでしょう。正直なところ、そうした世間のニーズから隔たった状態でどこまでいけるかという不安もあります。しかし、日本の教育を担っていくことを考えると、現状がそうだからといって、安易に妥協すべきではないという思いを強く持っているのです。

溝端 特に関西では、生徒を丸抱えして全部面倒を見る塾が多いようです。塾がそうだと、中学校にも面倒見の良さを求めるようになるのかもしれません。しかし、本当に子どもの将来を考えたら、ある程度の距離をおいて指導したほうがよいのではないでしょうか。関西の場合は、低学年のうちから先取り学習をし、知識をたくさん備えて中学受験に臨もうという風潮が強いようですが、サピックスでは、低学年のうちはあまり先取りをしません。身の回りのことに関心を持つように促すような授業をしています。生徒には自分がおもしろいと思ったことを、まず考えてほしいからです。学年相応の知識はもちろん必要ですが、それを活用する力も併せて高めていく必要があると思います。

溝端 たとえばサピックスの3・4年生の理科では、知識を蓄えるのではなく、思考力・観察力・洞察力を育む目的の授業を行うために、教材を改訂しました。実験も重視しており、3年生の授業では卓上実験も行っています。

広野 算数でも低学年の間は先取りをせず、なるべく実体験を積ませるようにしています。特殊算の公式を教えるよりは、折り紙を切ったりして実体験をさせることを重視しているのです。

16.3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
目次|2|

ページトップ このページTopへ