受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

16.3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
目次|3|

2016 MARCH /自由な校風を守り続け、
みずから考え発信する
情操豊かな人材を育てる/東大寺学園中・高等学校/校 長森 宏志 先生

聞き手:サピックス小学部 教育情報センター部長 広野 雅明・サピックス小学部 関西統括責任者 溝端 宏光

人間性を育てる教育として 「東大寺学」の授業も実施


上/2000年に完成した総合ホール「圓融館」。学校説明会などに使われます
下/2015年には、雑華ホール(食堂・多目的使用室)のほか、全面人工芝の第二グラウンドも新しくなりました

広野 教科学習のカリキュラムには、どんな特徴がありますか。

 本校のカリキュラムは極めてオーソドックスです。中学から入った生徒は、高3まで週34時間の授業を受けます。7時間目はなく、公立校との違いは土曜日に授業が4時間ある点です。ただ、併設型の中高一貫校ですから、高校のカリキュラムの一定量を中学に降ろすことができるので、中学のカリキュラムでは、いくつかの科目で先取り教育をしています。具体的には、数学は中2までに中学の教育課程を終え、中3から高校の「数学Ⅰ」を履修します。国語では、中学で古文や漢文の授業も行います。そのほか、情報や家庭科についても、中学で多少先取りをしています。以上のことから、高校からの入学生は、中学からの入学生と進度調整をするために1年間は別クラスとし、毎週土曜の5・6時間目に数学の授業を行うほか、週1回、7時間目を設け、古典文法の授業を行っています。また、夏休みなどの長期休暇を利用した数学の補習もありますし、家庭科の実習や情報についても長期休暇中などに補習を行っています。そして高2になると、中学・高校入学生を問わず、文系・理系に分けたクラス編成になるのです。

溝端 中学から入った生徒を対象とする補習もあるのでしょうか。

 はい。中学入学直後は学ぶ習慣が身についていない生徒もいるため、数学と英語で指名制の補習を行います。また、放課後や長期休暇中に、中学・高校入学生を問わずに実施する補習もありますが、参加は強制ではなく、あくまでも任意です。

広野 設立母体が東大寺ということで、他校では経験できない学びもあるのではないでしょうか。

 中等教育は豊かな人間性を育てる場でもあるので、本校では、中学の道徳教育の一環として、「東大寺学」という独自科目を取り入れています。この科目では、本校の常任理事で卒業生でもある東大寺の僧侶が中心となって、中学3年間で約20テーマの講義を行います。礼儀作法の話から始まり、仏教の基本的な考え方も学びます。今の時代は合理的な考え方が主流になっていますが、それとは視点の違う人間のありようを説く仏教思想に触れることができる内容です。

 一方、座学だけではありません。キャンパスは東大寺の境内から移転してしまいましたが、東大寺に親しむという目的で、今も東大寺に残る田んぼで田植えから収穫、餅つきまでを経験します。境内での写生会やマラソン大会など、東大寺の環境を活用した体験プログラムも豊富に実施しています。ちなみに、正規の中学長距離走大会は2月に行っています。中3にもなると16キロを走るという本格的なものです。それとは別に、東大寺の境内でも学年単位でマラソン大会をするのです。また、高校生になると、たとえば聖武天皇祭など、東大寺のさまざまな宗教行事にも任意で参加しています。

16.3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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