受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ職場見聞録

第18回/独立行政法人 国際協力機構(JICA):
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さぴあ職場見聞録 第18回/独立行政法人 国際協力機構(JICA)

 世界には飢えや貧困に苦しむ開発途上国があり、先進国が援助・協力をしています。これを「政府開発援助(ODA)」といい、日本政府のODAを実施する機関の一つが独立行政法人国際協力機構(JICA)です。ここで働く人々は、どんな仕事をしているのでしょうか。

「政府開発援助」の実施機関として
開発途上国の社会の発展に協力する

西アフリカ西部にあるシエラレオネでの持続的稲作開発プロジェクトの様子。田植え用の苗床を現地の人々が準備しています 写真提供:JICA

日本の支援により、カンボジアのシェムリアップ市内スラ・クラム地区に水道が開通。子どもたちが透明で安全な水に駆け寄ります

写真提供:今村健志朗/JICA

中央アジアのタジキスタンの首都ドゥシャンベとアフガニスタン国境を結ぶ国道384号線の建設現場の様子 写真提供:久野真一/JICA

2008年4月にミャンマーを襲ったサイクロン「ナルギス」の被災地で、小学校兼サイクロンシェルターの建設を支援しました

写真提供:JICA

開発途上国の問題を調査・分析し 「二国間援助」で解決へと導く

 国際協力機構(JICA)によると、世界のなかで貧しく、弱い立場にある「開発途上国」は150か国以上※あるとされ、国や地域によって抱えている問題は異なります。そんな開発途上国の社会・経済の開発を支援するため、日本政府、国際機関、非政府組織(NGO)、民間企業などが行う経済協力のうち、政府による資金協力や技術協力を「政府開発援助(ODA)」といいます。ODAには援助する国と援助される途上国の二国間で行われる「二国間援助」と、国際連合(国連)などの国際機関を通して行う「多国間援助」があります。

 日本のODA実施機関として、二国間援助を行うのが、外務省所管の独立行政法人であるJICAです。JICAは日本政府が策定する援助政策に基づき、開発途上国が抱えるさまざまな課題を調査・分析し、その地域に必要な支援を見極めたうえで、物資や人材を集めて協力態勢を整え、課題解決に向けたプロジェクトを実施します。

※2017年現在

開発途上国の課題を解決し 世界に安定をもたらす

JICA本部の1階にあるラウンジには、国際協力に関する本や広報誌がずらりと並んでいます

 JICAが担う援助手法は、「無償資金協力」「技術協力」「有償資金協力」の三つです。「無償資金協力」では、人々の生活に密着した病院、浄水場、水道、学校などの整備に必要な資金を、返済義務を課さずに供与します。いずれ資金が返済される「有償資金協力」は、市場よりも低い金利で途上国に資金を貸し付ける事業で、道路、空港、鉄道、発電所など経済発展に必要な大規模のインフラ整備に使われています。「技術協力」は、専門家を途上国に派遣したり、途上国の人を研修員として日本に受け入れたりして、技術の普及と向上を図るものです。

 JICAの本部は東京にあり、「地域部」「課題部」といった部門に分かれています。国や地域を担当する「地域部」では、その国や地域の開発援助に関する全体的な方針を決めます。一方、「課題部」は農業、保健医療、教育、水資源などの課題ごとに担当が分かれ、その課題を解決するために国内外の専門家と連携し、個別に開発援助の企画立案などを行います。

 国際協力の現場では、JICAの職員も相手国の人々と議論を重ね、一緒に汗を流して働きます。そして新しい施設を造ったり、制度を整えたり、知識や技術を伝えたりして課題を解決。その国の人々が他国の力を借りなくとも経済的に発展し、成長していけるような土台を築きます。開発途上国が社会的、経済的に発展することこそ、日本と世界の将来的な安定にもつながるからです。

開発途上国とは?

 当たり前のように食事をとり、学校に行ける生活を送ることができる先進国は、まだ世界のほんの一部。開発途上国は発展途上国とも呼ばれ、貧困や紛争などの問題を抱える国に暮らす人々の数は、世界の全人口(74億人)の8割以上※といわれています。
 国や地域によって状況は異なりますが、「貧しくて薬が買えず、多くの子どもがマラリアなどの感染症で死んでしまう」「紛争が長く続いた間、女性は差別を受け、学校に通うことも仕事をすることも許されなかった」「水道が引かれていない地域では、生活に使う水を子どもがくみに行くので、学校に通えない。そのうえ、せっかく運んだ水には細菌や寄生虫が潜んでいることもあり、病気にかかる危険性がある」といった問題を抱えています。
 このような開発途上国に暮らす人々は、劣悪な衛生事情による病気や感染症、環境汚染に苦しみながらも十分な医療が受けられません。さらに、飢えや貧困、教育や雇用機会の不足が社会不安を招き、結果として紛争につながる場合もあるため、これらの問題はけっして途上国だけのものとはいえないのです。先進国は自国の利益ばかりを追求するのではなく、開発途上国が自立し経済的に発展できるよう支援することが重要です。

※出典:JICA「どうなってるの? 世界と日本 第二版」
写真提供:Sayad Jan Sabawoon/JICA

JICAの海外拠点

 JICAが国際協力を行う国は約150か国。毎年、1万人以上の日本人(専門家やボランティア)を海外に派遣する一方、開発途上国から2万人以上の研修員を日本に招いています。こうした活動の拠点となるのが、世界に約90か所ある海外拠点と、日本に15か所ある国内拠点です。
 海外拠点では、相手国の政府やほかの援助機関と話し合い、現地調査を行うことで現状を把握し、必要な協力を実行する専門家やボランティアなどの活動をサポートします。
 一方、国内拠点では、相手国から招いた研修員や行政官に学んでもらうための研修内容を立案し、それを実施しています。また、地域の人々に対して、国際協力に関する広報や教育も行います。

第18回/独立行政法人 国際協力機構(JICA):
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