受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

この人に聞く

17年8月号 この人に聞く
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国公立初の国際バカロレア校みずから探究し発信する教育で
国際社会に生きる力を育成する 東京学芸大学附属国際中等教育学校

 帰国生や外国籍の生徒を広く受け入れている東京学芸大学附属国際中等教育学校は、日本で育った一般の生徒に対しても国際社会で活躍できる力を伸ばす教育を実践しています。多様なバックグラウンドを持つ生徒がいるため、日常的に外国語が飛び交い、自由で伸び伸びとした校風が特徴です。また、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)および、スーパーグローバルハイスクール(SGH)の課題研究を通じ、探究心や発信力が養われることも魅力。そんな同校の教育内容などについて、校長の佐藤正光先生に伺いました。

東京学芸大学附属国際中等教育学校
校長 佐藤 正光先生

国際社会のなかで活躍する
力を持った生徒を育てる学校

サピックス小学部教育情報センター部長広野 雅明
サピックス小学部
教育情報センター部長
広野 雅明

広野 まず、貴校の特色から伺いたいと思います。

佐藤 本校は、東京学芸大学附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎を統合・再編し、2007年4月に開校しました。簡潔に説明するなら、「多様で異なる人々と共生・共存でき、国際化のなかで活躍する力を持った生徒を育てる学校」です。教育目標には、「世界に生きる学力と教養を身につけよう」「多様な表現やコミュニケーション能力を育もう」「知・心・身体のバランスを大切にして成長し続けよう」「多様性の意義を認識するとともに、寛容性・耐性(トレランス)を育もう」を掲げています。

 2010年度には、国際バカロレア(IB)※の中等教育プログラム(MYP)を導入し、国公立で初の6年一貫IB校となりました。さらに、今年度からはディプロマプログラム(DP)も導入しました。このように、世界で活躍する人材を育てることをめざしていますが、本校の特色であるIB教育は、世界へ出るためだけのものではなく、どんな場所にいても、地球と人類のために働くことができる人間を育てることをめざすものです。また、もともと附属高等学校大泉校舎は帰国生だけの学校だったため、その実績を受け継ぐ本校も帰国生に対するケアを充実させており、帰国生を対象とした編入学選抜検査も全学年で年2回(第6学年は1回のみ)実施しています。さらに、2014年度にはSSHに認定され、翌2015年度には、SGHの認定も受けました。

広野 貴校の生徒さんたちは、とにかく明るく活発そうで、ほかの学校と比べ、かなり違った雰囲気を感じますね。

佐藤 ありがとうございます。校内では英語が日常的に飛び交っていますし、生徒の態度も堂々としていると思います。教員との距離が近く、また、生徒にできることはすべて生徒主体で行う方針の学校ですから、そうした自信や自負が態度にも表れるのでしょう。

※‌世界共通の大学入学資格とそれにつながる小・中・高校生の教育プログラムのこと。年齢に応じて、3歳〜12歳を対象としたPYP (初等教育プログラム)、 11歳〜16歳を対象としたMYP(中等教育プログラム)、16歳〜19歳を対象としたDP(ディプロマ資格プログラム)の三つがある。このDPを2年間履修し、最終試験で所定の成績を収めると、世界共通の大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得できる。

特色ある「課題研究」や
オールイングリッシュの英語授業

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広野 次に、貴校の特徴のある授業について教えてください。

佐藤 本校での特色ある教育活動の一つに、全学年で設定している「国際教養」の授業があります。これは、これからの国際社会で求められる資質・能力を育成するための本校独自の学習領域です。教科の枠組みにとらわれず、現代的な課題を多様な観点から学びます。

 特に後期課程(高校に相当)で力を入れているのは課題研究です。大学で行うような本格的な研究でこそありませんが、そのマインドや姿勢を中高生のうちに培うのが狙いです。その活動を通じて、今後生きていくうえで必要となる情報リテラシーやプレゼンテーション力、ディスカッション力なども磨いています。

広野 課題研究のテーマは、個人やグループで自由に選ぶのですか。

佐藤 はい。しかし、本格的に自分で課題設定をして研究に取り組み始めるのは、3年生の後半から4年生の1学期にかけてです。その前段階である1~2年生では、たとえばアンケート調査などをしますが、そのテーマはある程度、学校から与えます。そのレポート課題に取り組むことにより、調査の手法を学ぶなど、課題研究の素地を養うのです。そして、MYPの最終学年である4年生で、パーソナルプロジェクトを仕上げます。

広野 英語の授業に関してはいかがでしょう。帰国生が多い学校ですから、他校とは違う特徴があるのでしょうか。

佐藤 1年生から、二つのホームルームクラスを三つに分けて行っています。一つはアドバンストクラス、残り二つはコアクラスです。入学当初のアドバンストクラスは1クラス当たり15~16名で、コアクラスは20名弱です。アドバンストクラスでは、学期ごとにテーマを設定し、さまざまな手法で多角的に学びます。取り扱う単元も、たとえば「コミュニケーション」「生命倫理」「スポーツ」「食」など多様です。「スポーツ」であれば、その定義や社会における役割など、さまざまな視点から学んだり、フードロスや遺伝子組み換えなどの問題から、社会を「食」の観点で読み解き、考えさせたりするのです。リサーチ、プレゼンテーション、ディスカッションと、授業は生徒主体で進められます。

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広野 教科書を使って表現や文法などを順次習っていくような一般的な授業は行わないのですか。

佐藤 コアクラスでは教科書も使いますが、アドバンストクラスでは応用に力を入れます。また、どちらのクラスも授業はオールイングリッシュで、ネイティブ教員だけでなく、帰国生の日本人教員も教えています。コアクラスでは、スピーチやペアでの会話を繰り返し録音して練習したり、音声データを評価課題としても扱います。1年生の1学期は戸惑う生徒もいますが、2学期には、授業中の英語の解説は、だいたい理解するようになります。1年生の終わりごろにはかなりの生徒の英語力が上がり、3年生の終わりまでには約半数の生徒が英検®2級に合格します。

広野 コアクラスにいるのは、中学校で初めて英語を本格的に学ぶ生徒や、英語圏以外の国からの帰国生なのですか。

佐藤 そうです。その半数は、小学校では外国語活動くらいしか経験していません。英語力は入学後にぐっと伸びているわけです。

※「英検」は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

17年8月号 この人に聞く
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