受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東大寺学園中学校

2018年9月24日(月・振休)

自由で大らかな校風の下、 授業では「進度と深度」を重視

 東大寺の境内で1926年に、勤労青少年のための夜間学校として設立された東大寺学園。現在は奈良市山陵町の歴史的風土特別保存地区に移りましたが、社会へ有為な人材を輩出するという思いと、生徒の個性や自主性を重んじる教育方針は、設立時から変わっていません。

 教頭の清水優先生は同校について、「制服も校則もない自由な校風で知られ、男子校ならではの大らかさも特徴」と説明します。これは、「不合理なルールで生徒を縛りつけたくない」「大人の言うことを聞くだけの子どもにしたくない」という教育方針に基づくものですが、「自由=放任」ではありません。本来、自由とは厳しいもので、子どもたちも自主的に行動するなかで挫折や失敗を経験しながら成長していきます。「本校では失敗から学ぶことを大事にしています。うまくいかなかった経験こそが生徒たちを成長させるのです」と清水先生は話します。

 授業で大切にしているのは「進度と深度」。「本物を与えたい」という思いから、大学入試を意識しつつも、どの教科でも学問の扉を開くような授業を実践しています。たとえば、数学では中学終了時に高1までの内容を学び終える一方、理科では校外で自然観察をしたり、実験をしたりする時間をしっかり確保。家庭科でも、ボタン付けやリンゴの皮むきテストを行うなどして「生きる力」を育てています。最近では、大学入試改革に向けての英語指導についてよく質問を受けるそうですが、「もともと中学からクラスを2分割して英会話の授業を行っているので、スピーキングテストが導入されても、これまでのやり方で対応可能です」と清水先生。続けて、「これから大切なのは英語を操ることではなく、英語で語るべき何かを持っているかどうか」と強調しました。

中1のクラブ加入率は120%超 修学旅行の行き先は投票で決定

 クラブや同好会活動も活発で、全部で40団体ほどが活動しています。兼部が可能なため、中1の加入率は120%を超えています。「同志を集め、顧問を見つければ同好会として認められるので、自分たちがおもしろいと思ったら、どんなことでもすぐできます」と清水先生。最近では、「紅茶研究」「ポケモン」「軍事航空」といった同好会を立ち上げようと、生徒たちが準備を進めているそうです。

 行事も生徒主体で行われ、高2の修学旅行の行き先は投票で決定するのが伝統となっています。昨年は北海道と台湾が最終候補として残り、複数回にわたる投票の結果、台湾に決まりました。

 ハードな課外活動に取り組む行事もあります。60年以上続いている中1の臨海学習では、福井県の若狭で遠泳に挑戦。また、高1の希望者による夏山登山では、トレーニングを積んで槍ケ岳に登ります。新しい行事として、高2の希望者を対象としたオックスフォード短期留学を3年前から実施しています。

 最後に清水先生は、天気図に魅せられて気象大学校に進学したOBや、神職に就くために神道学科を持つ三重県伊勢市の大学に進学したOBのエピソードを紹介しながら、「大学入試は人生の大きな節目ですが、人生の目的ではありません。本校の進路指導の柱は、あこがれを貫いてもらうこと。生徒の思いを大切にした指導を心がけています」と締めくくりました。

イメージ写真

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