受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

普連土学園中学校

2019年6月18日(火)

一人ひとりを大切にする教育理念と家庭的な校風で他者に歩み寄れる成熟した人材を育てる

 1887年、アメリカに留学中だった新渡戸稲造と内村鑑三の助言により、フィラデルフィアのキリスト教フレンド派(クエーカー)に属する婦人伝道会によって設立された普連土学園は、日本で唯一のフレンド派の学校です。その校名には、「普(あまね)く世界の土地に連なる」ように、すなわち「この地上の普遍、有用の物事を学ぶ学校」であるように、という願いが込められています。

 初めに、広報部長の池田雄史先生が登壇し、大学入試改革を見据えた同校の取り組みについて、「2020年度から大学入試制度が変わり、思考力や判断力などがこれまでより重視されるようになりますが、本校では全教科の学びに必要な『みずから考える力』『書く力』の養成に力を入れています」と説明しました。授業ではレポートや英文、小論文などを書いたり、プレゼンテーションをしたりと、生徒が自分のことばで意見などを発信する機会が日常的に設けられています。10年以上前に、国語から独立した「論文科」を設置し、論文指導に特化した専門教員8名が個別指導も行っています。池田先生は、「卒業生の進学先第1位の大学が10年以上慶應義塾大学であることは、論文を重視する同大学の入試に本校の教育が対応している結果だと思われます」と話しました。

 英語教育では、今年度より高1を対象にエンパワーメントプログラムが導入されました。「英語での発信」を目標としたこのプログラムは3泊4日の合宿形式で、ファシリテーターの外国人大学生を交えて、考えたり表現したりする過程や、討論やプレゼンテーションをすべて英語で行うものです。

 このほか、理系と文系の枠を超えた学際的な学びの機会として、長期休暇中や放課後に「教養講座」が開講されています。大学入試に直接関係のないテーマでも大勢の生徒が受講し、知的好奇心を満たしています。また、この教養講座からは電子工作やプログラミングに取り組む理科系サークル「Friends Fab」が誕生しました。2017年に開催された「ファーストレゴリーグ」(レゴのマインドストームを活用した国際的なロボットコンテスト)の日本大会に唯一の女子チームとして出場し、審査委員特別賞を受賞したほか、2019年には、同リーグで全国3位に輝き、トルコでの世界大会への進出を果たしています。また、理科部のロケット班も昨夏に「ロケット甲子園」で優勝し、パリでのエアショーへの参加権を獲得しました。さまざまな活動が生徒たちの科学への興味・関心を大いにかき立てていることがよくわかります。実際、池田先生によると、中1の時点では約70%の生徒が「理科は苦手」と答えるそうですが、理系学部への進学率は43%以上に達します。

 次に、教頭の大井治先生が入試について説明しました。国語は、1日午前4科と4日午前4科は記述問題が多く、2日午後2科では選択・抜き出し問題が多いそうです。1日午後算数は、計算問題と1行文章題を合わせて50問の出題。ほかの3回の算数入試は全問記述式回答であるのに対し、本試験の答案用紙には解答のみを記入する形式で、2019年度入試では70点以上が合格となりました。理科は物理・化学・生物・地学の4分野から、社会は地理・歴史・公民の3分野から均等に出題されます。「世の中の出来事に広く関心を持ってください」というアドバイスが送られました。

 最後に、校長の青木直人先生が登壇し、同校の沿革や理念を紹介しながら、「フレンド派の『一人ひとりの人間はかけがえのない存在である』という精神の下、生徒の自主性を重んじる自由な雰囲気のなかで、身につけた力を自分の利益のためだけでなく、他者と共生するために惜しみなく使える成熟した心を持つ人材を育成していきたいと考えています」と結びました。

イメージ写真 都会にあることを感じさせない静かで落ち着いたキャンパス。水曜日に行われる「沈黙の礼拝」で他者に耳を傾けることができる優しさが培われます

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