受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

ドルトン東京学園中等部

2019年9月4日(水)

生徒が学びの主役になる「ドルトンプラン」を実践

 2019年4月、東京都調布市に開校したドルトン東京学園中等部・高等部。その教育の基盤となっているのが、アメリカの教育家ヘレン・パーカースト(1887-1973)が提案した「ドルトンプラン」です。説明会の冒頭、あいさつに立った副校長の田邊則彦先生は、ドルトンプランについて、「当時主流だった詰め込み型の教育に対する問題意識から提唱された『学習者中心の教育メソッド』です」と説明しました。100年経った現在では、欧米を中心に世界中に広がっていますが、日本で導入しているのは同校のみとのこと。田邊先生は、「ICTの進歩やグローバル化による変化が著しい現代だからこそ、実践されるべき教育だと確信しています」と強調します。

 開校に当たって、同校は「いつでも、どこでも、誰とでも学べる空間」を作りました。生徒一人ひとりの興味を出発点にし、自主性と創造性を育む「自由」と、さまざまな人々との交流を通じて、社会性と協調性を身につける「協働」という二つの原理に基づき、「生徒が主体的に学び、学ぶことの楽しさを実感できる学校」をコンセプトにしています。田邊先生は、「自分で考え、みずから学ぶ本校の学習スタイルは、小学校での学びとは根本的に異なります。特に今春入学した144名の1期生は、手本にすべき先輩がいないため、まずは『学び方を学ぶこと』に専念させました。そのおかげで、夏休み明けには、顔つきが変わってきました。本日は、ぜひ、自信に満ちた生徒たちの顔にご注目ください」と締めくくりました。

 学校生活や教育内容については、参事の安居長敏先生が担当します。生徒の知的な興味や旺盛な探究心を育て、個人の能力を最大限に引き出すため、同校の教育は「アサインメント(Assignment)」「ラボラトリー(Laboratory)」「ハウス(House)」の3本の柱で構成されています。学習の最大の特徴は、教科ごと、学習内容ごとに作られるアサインメントを中心に進められていることです。安居先生は、「1年間の学習進度や興味・関心に応じた課題を年度の初めに示すことで、生徒は学習内容の意義を自覚し、目的や目標、やるべきことを自分で設定し、それに沿って学習に取り組みます。これらの過程を積み重ねることが、学習するうえで生じる問題に立ち向かう力を養うことにつながるからです」と説明しました。

 そのアサインメントを実行する場所と時間が、火曜と木曜の7時限目に設定されている「ラボラトリー」です。時間の使い方は、授業内容の補足や、興味を持ったことについての追究など自由。「アドバイスを受けたい場合は、生徒から教員に事前にリクエストを入れます。また、今後は教え合いや、グループ研究なども取り入れ、学び方をさらに究めさせる予定です」とのことです。

 そして、授業を受けるホームルームクラスとは別に編成された、生徒によるコミュニティが「ハウス」です。安居先生は、「来年度以降は、学年縦割りで編成された異学年混合のハウスとなる予定です。多様な価値観に触れることで、他者の考えを当然のこととして受け入れる意識を自然と身につけることが目的です」と述べました。

 1クラス25名の少人数教育ならではのきめ細かいサポート体制の下、進路指導やキャリア教育の方向性も「自分の意思で進路を決めることができる生徒」を育てると定められています。英語教育にも力を注いでおり、2クラスを3分割し、習熟度別で指導。ネイティブ教員が生徒と同じ目線で会話をする授業を展開しています。授業の最後にプレゼンテーションタイムを設ける、エッセイを提出するなど、発信型の“使える英語”を養成していきます。安居先生は、「これらの教育の成果が示されるのは5年後ですが、6月に実施した希望進路のアンケートでは、すでに5割以上の生徒が『海外大学も考えている』と回答しました。進みたい分野も多岐にわたっていて、手応えを感じています」と結びました。

イメージ写真 多様な学びや交流が生まれる、さまざまな仕掛けのある校舎。小田急線「成城学園前」駅、京王線「仙川」駅に加えて、来年度からは東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅からもスクールバスが運行されます

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