受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協中学校

2019年9月30日(月)

数値化できない「生きる力」を伸ばし、「社会の優等生」を育てる

 1883年設立の獨逸学協会学校を前身とする獨協中学校・高等学校は、国公立大学や医学部への合格実績で定評のある完全中高一貫の男子校です。学園の中興の祖ともいえるのが、大正・昭和期の哲学者・教育者で、文部大臣を務めた天野貞祐です。1952年に第13代校長に就任した天野は、「学問を通じての人間形成」を教育理念に掲げてさまざまな改革を断行しました。「獨協生が社会に出ればみんな社会の優等生になれる」というメッセージは、現在においても同校の教育のなかに息づいています。

 この日、最初に登壇した校長の渡邉和雄先生は、同校の教育理念に触れながら、社会性と非認知能力を養う6年間の教育体制について説明しました。特に重視しているのが、「まじめさ」「協調性」「自己肯定感を基にした精神的安定性」「開放性」「外向性」という五つのスキルと、「やり抜く力」を養成することです。渡邉先生は「社会の優等生には数値化できない非認知能力が求められます。人間として何を見つけ、どのような視野を持って社会に出ていくかが大事であり、この数値化できない『生きる力』を伸ばすことこそ、本校がめざす教育なのです。6年間を通して、確かな知性と正しい心構えを兼ね備えた『社会の優等生』を育てていきます」と結びました。

 続いて、教頭で入試室長の坂東広明先生が教育内容を説明しました。同校では6年間を2年ずつの3ブロックに分け、段階を経て成長を促す教育プログラムを組んでいます。中1・2では基礎学力の養成と自学自習の習慣付けに力を入れ、ノートチェックや小テストを実施しています。生徒の家庭学習は2時間を基本とし、それを確実に実行するために「獨協手帳」を使った時間管理術や、課題への取り組み方といった基礎的な事柄もていねいに指導しているそうです。中3からは選抜クラスを設置し、高2から文系・理系に分かれます。そして、高3では大学受験に対応したコース制を導入しています。

 また、同校では教育の一環として、環境への興味・関心を育てる取り組みに力を注いでいます。屋上で作物を栽培する屋上壁面緑化の取り組みや、太陽光発電による電力で水に酸素を加え、川の流れを再現したビオトープが紹介されました。

 充実した外国語の教育プログラムも同校の伝統です。英語は発信型の力を身につける授業を展開し、4技能をしっかりと身につけます。高1からはドイツ語も選択できます。グローバルな視野を身につける機会も豊富で、福島県でのブリティッシュヒルズ研修(中3)、高1・2の希望者を対象としたイエローストーンサイエンスツアーをはじめ、シアトルホームステイ(高1の希望者)、ドイツ研修旅行(中3~高2の希望者)、ハワイ修学旅行(高2)などが用意されています。ドイツとの交流については、新たに始まった現地の高校(ギムナジウム)との交流も紹介されました。

 これらの充実した教育活動の成果は、大学合格実績にも表れています。特に医学部への合格実績はすばらしく、今春は25名が合格。坂東先生は「獨協医科大学に推薦で進学するには、本校で上位2割の成績に当たる評定平均3.7以上が必要です。医学部を志望する生徒には有利な状況です」と語りました。

 最後に、2020年度入試の出題方針について説明がありました。全教科で思考過程を重視するという傾向はこれまでと変わらないそうです。「漢字は『とめ・はね・はらい』よりも、画数や文字のバランスに注意する」「算数は計算や途中式が合っていれば部分点を与えるので、途中式を必ず書き、補助線なども解答用紙に残しておくこと」「社会科の基礎的な用語は漢字で書けるように。毎年必ず出題する地形図にも備えておくこと」「理科は実験で何がわかるかを考える発想力や思考過程を測る問題を出題する」といった教科ごとのポイントが伝えられ、参加者は熱心にメモを取っていました。

イメージ写真 この秋に完成したばかりの学習スペース。大型プロジェクターやパソコンを備え、アクティブ・ラーニングにも対応しています

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