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緊急分析 2018年度首都圏中学入試の動向:
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2018年度中学入試特集/緊急分析首都圏

2018年度首都圏中学入試の動向
緊急分析

中学受験生の実数が3年連続で増加
大学付属校・系属校の人気も続く

2018年度の首都圏中学入試も終了し、各学校の入試状況がほぼ明らかになりました。首都圏の中学受験生の実数は2016年度から増加に転じましたが、その傾向は今年も続き、これで3年連続の増加となっています。受験率も大きく上昇しました。それをリードしているのは、大学付属校・系属校の人気です。特に首都圏にある早稲田大学と慶應義塾大学の付属校・系属校は、今年はすべて応募者増となりました。詳しく見ていきましょう。

2月1日午前の私立受験者数は
3年連続で増加、受験率も上昇

 文部科学省の学校基本調査の結果によると、2017年5月1日現在、首都圏1都3県の公立小学校6年の児童数は27万6520人でした。前年の28万3875人より約2.6%の減少です。

全国、首都圏1都3県、東京都の公立小学校在籍者数(2017年5月1日現在)

 このうち私立中学校を受験した児童の割合はどのくらいだったのでしょうか。2月1日午前には、東京都と神奈川県の私立中学校を第一希望とするほとんどの受験生が、いずれかの学校を受験します。そこで、この日の午前に入試を行った学校の受験者数を合計してみると、3万7864人でした。児童数は昨年より減少したにもかかわらず、約2.6%の増加になっています(2月13日までに受験者数が判明した学校のデータより算出)。この2月1日午前受験者数が増加したということは、首都圏の中学受験生の実数も増加したものとみて間違いないでしょう。

2月1日 私立中学受験者数と募集定員の推移

 この2月1日午前受験者数を、1都3県の公立小学校在籍者数で割った「2月1日午前受験率」も、昨年より大幅に上昇して、約13.7%になりました。しかも、この数値は、あくまでも2月1日午前に入試を行った私立中学校を受験した児童の割合です。1月に入試を行う茨城県・埼玉県・千葉県の私立中学校だけを受験した児童や、公立中高一貫校だけを受検した児童もいますから、それらを含めた実際の受験率はもっと高いといえるのです。

 2月1日午前受験者数は、2008年から2015年まで、8年連続で前年を下回りましたが、2016年から増加に転じました。その傾向が昨年、今年と続いています。仮に、受験率がこれ以上は上がらないとしても、首都圏の中学受験生の実数は、しばらくは増えていくと考えられます。というのも、2018年(2019年受験)と2019年(2020年受験)は、首都圏1都3県の公立小学校6年在籍者数が、前年よりも増加するからです。2020年、2021年、2022年は、それぞれ前年よりわずかに減少します。しかし、東京都だけに限定すれば、この3年間も6年在籍者数は前年より増加します。つまり、学年が下がるほど児童数が多くなっているのです。受験率は、神奈川県・千葉県・埼玉県よりは、東京都のほうが高いので、1都3県全体の6年在籍者数が微減であっても、東京都の6年在籍者数が増えると、中学受験生の実数は増加することになります。

青山学院横浜英和など3校が共学化
来年は横浜富士見丘学園も共学に

 学校の人気が上昇する要因は、好調な大学合格実績、新校舎の完成などいろいろありますが、男女共学化もその一つでしょう。近年では、女子校から共学化して、大胆な改革を行い、短期間で人気校の一角を占めるまでになった学校もあります。開智日本橋学園、かえつ有明、東京都市大学等々力、広尾学園、宝仙学園共学部理数インター、三田国際学園などがそうです。

 今年も新たに女子校から共学化に踏み切った学校があります。青山学院横浜英和(旧横浜英和女学院)、文化学園大学杉並、八雲学園の3校です。

 来年から男女共学化することをすでに発表している学校もあります。横浜富士見丘学園です。しかし、より注目すべきなのは、東京理科大学との提携が発表されたことではないでしょうか。同大学への推薦制度も設けられるようです。

大学付属校・系属校などが人気
早稲田・慶應はすべて応募者増

2016年から青山学院大学の系属校となり、今年からは共学化する青山学院横浜英和(旧横浜英和女学院)

 今年の傾向として目立ったのは、大学付属校・系属校の人気です。特に早稲田大学と慶應義塾大学の付属校・系属校はそろって応募者を増やしています。早稲田大学高等学院中学部は昨年の407名から今年は478名へ、早稲田実業学校中等部は539名から583名へ、早稲田①は787名から843名へ、早稲田②は1378名から1419名へ、などとなっています。一方、慶應義塾普通部は昨年の566名から今年は615名へ、慶應義塾湘南藤沢中等部(一般)は639名から692名へ、そして、慶應義塾中等部は1271名から1508名へ、それぞれ増加しています。ほかにも、明治大学付属明治①②、青山学院、学習院①②、学習院女子ABなどが応募者を増やしています。

 その背景として、2020年度(2021年入学者)からの大学入試改革の影響が多少なりともあることは考えられます。現在の中3生が高3になる2020年度(2021年1月実施)から、現行の大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が導入されるからです。

 また、文部科学省では2016年度から、私立大学の入学定員管理を厳格化し、入学定員超過による私立大学等経常費補助金の不交付の基準を段階的に厳しくしていくことにしました。そのため、2017年度入試では、首都圏の難関私立大学の多くが、大幅に合格者を絞りました。このことで、「大学入試が厳しくなった」という印象を持ち、付属校を選んだ受験生もいたのではないかと思われます。

 もっとも、単に系列大学に無試験で入学できるからというだけの理由で、付属校を選んでいるわけではないでしょう。付属校の生徒は、将来、系列大学に進学するかどうかを問わず、その大学の持つ教育資源を利用できます。わかりやすい例をいえば、大学に隣接している中学・高校の場合は、中高生も図書館やグラウンドなど、その大学の施設を使えるわけです。また、付属校では大学の協力を得て、さまざまなプログラムを実施することができます。たとえば、高校生のうちから大学の講義を受けられる学校はたくさんあります。大学での学問とはどういうものかをイメージできるようになるので、キャリア教育にもつながります。文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」や「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定されている学校も付属校に多いようです。フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語などの第二外国語が学べる学校もあり、意欲的に取り組むことで視野が広がります。

 付属校に入学すると、卒業後の進路が限定されてしまうのではないかという懸念があるかもしれませんが、ほとんどの学校では、入学後の進路変更にも対応しています。国公立大学であれば、系列大学への被推薦権を保持したまま受験できるという制度を設けている学校も少なくありません。私立大学であっても、系列大学にない学部であれば受験できる学校もあります。

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緊急分析 2018年度首都圏中学入試の動向
緊急分析 2018年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2018年度入試結果DATA一覧

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