受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2018年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

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進学校 麻布中学校

高い目標を掲げて ~わが家の受験体験記~

E.Tさん お子さんの名前 Mくん

 6年生の6月7日のサピックス保護者個別面談。
 サピックスの先生「麻布中に向いていると思うんですけどねえ。高い目標を持ってがんばってみましょうよ!」
 母親(私)「えー(そのあと絶句)」
 サピックスの先生「大丈夫です、男の子はこれからが勝負ですから! まず夏休み明けには偏差値55を超えたいですね!」
 母親(私)「…(そんな簡単におっしゃるけど…)」
 驚愕してことばが出なかった、いわゆるまったくの「想定外」のお話と励まし。「第一志望校・麻布中」。そのころの成績からすれば、けっして人前では語れない高い目標だったが、「やる気スイッチ」が入った瞬間だった。そのときのそのひと言から、わが家の約7か月にわたる本格的な中学受験生活が始まった。
 4年生の5月にサピックスに入室してすでに2年が経過していた。中位~下位クラスをうろうろ。模試の成績も4科の偏差値が45~50。国語・理科・社会のレベルは並だったが、算数にいたっては偏差値30台のこともあった。「息子に合っていないのでは…」と思うこともしばしばで、何度転塾を考えたことだろうか。しかしながら、息子が「サピックスは楽しい、やめたくない」と強く言い張り、6年生までなんとか続けてきたのが実情だった。当然、志望校もほとんど白紙状態。道筋は見えていなかった。そうしたなかで迎えた6月の保護者個別面談。今思えば、それが大きな転換点だった。
 高い目標に合格するために。大きく先行する優秀なライバルたちに少しでも追いつくために。それだけだった。片時も手離せなかったゲーム類は完全に封印した。テレビも見なくなった。麻布中の校門前で息子が微笑んでいる拡大スナップ写真を壁に張った。息子は変わった。それまで一度もやったことがなかった算数の「基礎力トレーニング」を毎日欠かさず続け、「標準20回テスト」も地道にこなした。
 夏休みは講習を含めて1日9~13時間勉強した。難問・奇問はスルーし、基礎~標準レベルを繰り返した。「コアプラス」を何度も読み返し、苦手な漢字にも取り組んだ。
 9月からはSS特訓が始まったので、麻布中の記述問題形式に慣れるべく、優先的に復習した。成績は遅ればせながら、徐々に伸びてきた。「初めて」上位クラスに上がったのは、もう10月下旬のことだった(息子いわく、「初の上位クラスはすごく緊張した」らしい)。麻布の過去問も15年分をこなした。麻布の算数にいたっては最終的に28年分を終えていた(10年分で十分と思われるが)。11月の学校別サピックスオープン(麻布)では合格可能性は80%に達し、SS特訓での席次も(良き塾友だちと切磋琢磨しながら)少しずつ上がっていった。
 前哨戦の1月校3連戦。そこで予期せぬことが起きた。まさに入試2日目の朝午前3時、息子の祖父が急逝した。病院から戻り、泣きながらも入試会場に向かう息子の背中に鬼気迫るものを感じた。「ぼく、必ず合格するよ。そして合格の報告をするんだ」と。彼は精神的にも強くなった。
 結果的に、「第一志望校・麻布中」を含めて6戦全勝だった。彼が合格後に最初に行ったことは、亡き祖父の霊前への報告だった。
 人それぞれに道がある。いつ何がきっかけでどう変わるかは誰もわからない。人生のなかで、中学・高校生活は短いようで長い6年。その貴重な6年間を麻布で過ごすこととなった「ご縁」に感謝するとともに、ご指導いただいた先生方、机を並べてともに学んでくれた友人に心から御礼を述べたい。
 最後に、入試日の朝まで息子を応援してくれた、天国にいる祖父(=私の父)に、この受験体験記を捧げたい。

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