受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2018年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

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進学校 海城中学校

「もう、やめなさい」

S.Yさん お子さんの名前 Nくん

 受験生の母の理想像は、どんな心模様であっても、どんと構えて笑顔で「いってらっしゃい」と見送る女優のような力量を備えていることだとよく言われる。しかし、それができるときもあれば、できないときもある。
 私の場合は、感情直球型であり、何度、息子や主人を責め立ててきたことだろう。
 「もう、そんなんだったら、やめたらいいじゃない」「やる気ないなら、やめなさい」と。
 しかし、この「やめなさい」には二つの意味がある。
 一つは、「お母さん、これ以上、あなたが髪の毛をぐるぐるといじって、頭を抱えている姿を見ているのがつらいのよ」
 つまり、私が現状から逃げ出したいということ。子どもには、「熟慮断行よ」なんて言っておきながら、これでいいのだろうかと悩み、葛藤し続けてきた。
 そしてもう一つは、「やるなら本気で取り組んでほしい」という気持ち。
 息子は、大好きで続けてきたピアノを一度やめてまでも「中学受験がしたい」と言い出した。息子の本気モードボタンの音は知っていた。なかなか鳴らない。やるなら本気モードになって、と焦るばかりだった。
 しかし、こういう気持ちをうまく伝えられないまま、「もう、やめなさい」を連呼する母と息子の衝突は見るも無惨。家族は疲弊し、荒廃の道をたどっていた。自分自身の子育てすべてに自信がなくなっていた。
 そんなときに、サピックスの先生方が息子と母の間に入って、相談に応じてくださった。本当に親切にていねいに。普通に考えると、困った親子である。いや、困った母だ。こんなふうにお世話になるなんて、考えてもいなかった。
 本番前日の激励のお電話で、先生から「今日までよくがんばってきました。明日は落ち着いて、最後まで絶対にあきらめないで」ということばを頂いたと喜んでいた。
 母にも「いろいろな思いがあるなか、今日までがまんしてくださって」と言ってくださった。
 悩みや愚痴までもあらいざらいに言ってきた私には、非常にくすぐったかった。本当にご迷惑をおかけしました、と反省と感謝の気持ちでいっぱいだった。
 息子は晴れて第一志望校から合格を頂いた。でも、これは本当にサピックスの先生方があってこその合格だと思う。息子に寄り添い、暖かい光を注いでくださった先生方からは、中学受験を突破できる学力をつけてもらっただけでなく、夢に向かう際に持ち続けていたい大切な心も教えていただいた。息子だけでなく、親にも。
 中学受験は親の受験といわれることもあるが、どうか抱え込まないでほしい。サピックスの先生方は、あらゆる意味で受験のプロフェッショナルだと思う。
 校舎の電話番号は、親子の心のホットライン。「今日は火曜日。サピの日なのにな」と、息子がつぶやいている。

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