受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2018年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

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進学校 開成中学校

初めての中学受験を終えて

A.Iさん お子さんの名前 Uくん

 わが家の長男は、かなりマイペースでのんびりした性格です。早めの準備を考え、低学年から塾通いをさせたものの、なかなか家庭学習の習慣が身につかず、成績はずっと不安定でした。
 彼が父親に連れられて初めて開成中学校を訪れ、文化祭を見学したのは4年生のときでした。その後、ほかにもいくつかの中学を訪れましたが、現実感がないまま時が過ぎ、6年生の春を迎え、1回目の志望校調査用紙提出の時期となりました。第一志望校に開成中と記入はしたものの、親からすると、彼の学習態度と成績で本当に志望させてよいものかは半信半疑でした。受験体験記などでは、短い準備期間で合格できたお子さんは、その分、長時間集中して勉強しており、今のわが子の様子とはかけ離れていると思いました。しかし、チャレンジもしていないのにあきらめさせるのは悔しく、間に合う可能性を信じて子どもにかかわろうとしては反発され、「いよいよ反抗期に差しかかって難しい時期に入ったのか」と悩みました。そして、次の手として算数の個別指導を受け始めました。コツコツとはいかないまでも、家庭学習に前向きに取り組むようになってきました。しかし、みんなががんばる時期です。成績は一進一退で、そのたびに本人は一喜一憂を繰り返し、気持ちもやる気も安定しませんでした。
 夏休み、課題がいちだんと増えて、こなし切れないまま夏期講習が終わりました。そして9月となり、SS特訓と公開模試、自宅での過去問演習に追われる日々の始まりです。わが家でも、いよいよ志望校の過去問演習を開始、初回の開成中学校の算数の出来は散々でしたが、楽しんで取り組めている様子でした。そして10月、台風が接近するなか、開成中の学校説明会に家族三人で参加しました。伝統ある学校の雰囲気、先生方のお人柄やお話はすばらしく、私も夫も学校への思いを強め、子どもも帰宅後に「開成をめざしてがんばる」と決意を新たにしたようでした。しかし、成績は相変わらず不安定で、全体としては合格ラインのボーダーかやや足りない状況でした。算数はとにかくミスが多く、国語は比較的得意なものの、時どき大きく内容を読み違えて失点、理科・社会はまだ埋まり切っていない知識の抜けが多くありました。また、頭痛や腹痛のためにテストに集中できなかったり、気持ちが沈んだままテストを受けて失敗したりすることが何度もあり、メンタル面も課題でした。
 そこで、今までためらって行動できずにいた母ですが、思い切ってサピックスの先生方に相談に伺いました。各教科の先生方は子どもの様子をよく見てくださっていて、的確なアドバイスをくださいました。校舎責任者の先生からは、「算数のミスを減らし、持っている力を発揮するには一問一問集中して課題と向き合うこと、目の前の課題を四の五の言わずに受け入れて、それに素直に取り組む姿勢が大事」とのアドバイスを頂きました。成績を大きく伸ばす最後のチャンスなので、何とか間に合うように子どもに声をかけてくださるとのことでした。国語の先生は、「読む力はある」と評価してくださっていて、救われる思いでした。読解力はあるのに成績が不安定な理由もお伺いし、それをもとに国語を得点源に変えるための対策を考えました。理科の先生は直接電話で子どもと話してくださり、それからは後回しにしがちだった理科の過去問の復習をがんばるようになりました。12月に入り、サピックスの上位クラスで友だちと競い合えるようになってからは、へこたれずにがんばるようになりました。「算数がわかってきた」と言い、家で好きな社会の先生の授業の様子を話したりと、サピックスの授業を楽しんでいるようでした。このころから父親も参加し、出題傾向の分析、時事問題対策などに協力してくれました。
 いよいよ1月校の入試がスタートしました。がんばって準備し、本人も手応えがあった渋谷幕張中でしたが、自己採点で相当ミスがあるとわかり、結果は不合格でした。塾のテストで失敗したときでさえ号泣してなかなか立ち直れない彼が、その結果を知ったときの衝撃は相当なものでした。しかし、落ち込んでいる時間はありません。翌日には、ミスが直らないままでは開成中には通用しない、ミスを直す最後のチャンスと言い聞かせて対策を始めました。濃い色の鉛筆を使って問題文に線を引きながら題意を一問一問正確に読み取り、解き進めながら間違いがないかを確認する練習を、試験の前日まで続けました。「スタートが遅すぎたか?」と何度も焦燥感にかられましたが、テストの成績が悪いと機嫌をそこねて復習に取りかからなかったという半年前の彼の姿はなく、受験生らしく成長している息子の姿を見て、結果がどうあれ、最後まで走り切れるようにサポートしようと、親も覚悟を決めました。本人曰く、問題文への線引きに慣れてミスを減らせる自信がついたのは1月31日だったそうです。
 初めての中学受験、わが家の場合はラストスパートをかけて最後まで走り抜けました。この1年を振り返りますと、親としてサポートしようにもわが子にとって何が正解かわからず、試行錯誤を繰り返す日々でしたが、最後に子どもを支えたのは、合格したいと願う自分自身の強い気持ちでした。わが家では準備が遅かった分、時間も心も追いつめられながらの苦しいたたかいでした。さすがのマイペースな息子も、振り返って「もっと早く準備すればよかった」と。この経験を今後の彼の人生に生かしてくれればと願っております。
 これから初めて中学受験をされるご家庭の方、マイペースな男の子をお持ちのご家庭の方に少しでも参考になれば幸いです。
 そして、サピックスの先生方、最後までご指導とお力添えを本当にありがとうございました。

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