受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2018年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

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進学校 聖光学院中学校

本人のがんばりで勝ち取った全勝

T.Sさん お子さんの名前 Kくん

 2月3日、朝7時半に浅野中まで送り、朝8時半より聖光学院中の食堂で待機、5分前に結果発表場所へ移動。上から吊り下げられると思っていた合格発表のボードは、左手の事務所からガラガラガラと出てきました。私は、一連の様子をスマートフォンで動画撮影。「あった、あった。受かった」。涙声とともに画面が大きく乱れたところで動画は終了、長い受験が終了した瞬間でした。
 サピックスには上の娘が在籍していたこともあり、本人の希望で1年生より通塾していました。学童に居場所が見つからず、「逃れるように、学童から徒歩1分のサピックスに通った」が正しい表現かもしれません。とはいえ、授業は毎回楽しく、すてきなメダルをもらうなど一見順調でしたが、学年が上がるにつれ、メダルと縁がなくなり、厳しい道のりが始まりました。各テストの結果だけでなく、授業点にも激しく一喜一憂、まるでこの世の終わりかのような反応。どれだけ校舎の先生方と電話で話したでしょうか。相談や愚痴の回数は歴代で断トツだったと思われますが、それでも見放すことなく、そのつど親身に対応してくださった先生方には深謝しています。
 2月1日に第一志望校が集中する女子と異なり、男子は本命レベルが複数受験可で、それこそ上位層が多くの星をさらっていきます。受験は仕事と同じととらえ、本人の得手不得手、性格を考慮し、中長期的に戦略を立て、先生方に相談。途中で軌道修正しながら、新6年生になれるように進めました。振り返って整理してみると、全勝につながったポイントは次の八つだったと思います。

①弱みを体験でカバーする。
 興味が薄いものを頭に入れることがとても苦手だったことから、社会での苦労は予測できました。5・6年生では学習時間の半分以上を算数に割かねばならない環境。そのなかで、社会に時間をかけるほどの余裕はありません。運良く、1年生で大河ドラマ「平清盛」にはまったことから、「気になるスポットに行く」ことで興味を最大限に引き出し、楽しく学べるよう「日帰りで厳島神社参拝弾丸ツアー」を実行。それを皮切りに、4年間はマイレージをフル活用した始発&最終の飛行機で、現存天守メインにたくさんの城、神社仏閣、古都、史跡巡りに励みました。「日帰り出張で行けるところは、子どもとも日帰り観光できる」が私のモットー。帰宅後は歴史漫画(日本の歴史や各人物伝)で復習。この作戦は大的中。地理も強くなり、何もしなくても社会は相当な高偏差値で安定し、最大の得点源になりました。3年生の段階で、社会が得意だった御三家進学娘を、歴史ではほぼ凌駕していたと思います。

②受験当日までを4期に分けて考える。
【6年生夏前まで】インプット量確保。
【夏】最終のインプット&定着確認。
【秋から】アウトプット力養成。
【1月校受験から】当日力発揮。
 その時その時、何を目的として、何をするべきかを判断の基準としました。1月についた力は正直言って予想以上のものがありました。

③小規模校舎ならではのメリット。
 先生方には早い段階で顔と名前を覚えてもらっただけでなく、性格まで正確に深く理解してもらえたことがたいへんありがたく、一憂時の声がけ(精神的支援)、家庭学習の改善指導(4科目)も密にしてもらえました。親が言っても、もはや響かないことばなどは先生に代弁をお願いしました(親へのフォローも多大に頂きました)。

④志望校、コース、受験校ラインナップの選定。
 娘の進学校に校風が似ている「自由の麻布」に惹かれていた私ですが、本人は文化祭と運動会の様子に恐れおののき、早々に「無理」と宣言されました。第一志望校を「多様性の開成」にするか? 「スマートな聖光」にするか? ――そこまで達していない成績という現実的な問題もあり、葛藤していました。その後、4年生で訪れた聖光学院中に本人が好印象を強く持ち、「聖光一本」とすぐに固まったようでした。1月校は通えない立地のため、「確実な普通部」で進学先を確保し、2回の聖光受験に臨むことも考えましたが、室長からは、聖光は難化しているため、併願パターンを工夫するより「開成志望者と同じ勉強をすること」が「聖光合格への王道」と本人にも説明してもらい、母子ともに腹をくくりました。これで覚悟が決まり、夏休みから「開成志望者」の意識を持って勉強に取り組むようになりました(とはいえ、もしものことを考え、普通部にも出願はしておきましたが、無用に終わりました)。

⑤仲間との切磋琢磨
 サピックスの校舎が小学校に近かったこともあり、仲良しの友人が非常に数多く在籍していました。子ども同士は切磋琢磨し、親同士は励まし合い、「みんなで合格」につながったと思います。

⑥過去問への取り組み
 盆休み前に週単位での過去問スケジュール案を作成、4教科の先生方に相談し、修正できたことが大きく、早いスタートで過去問を進めることができました。エクセルの表にはスケジュールだけでなく、わかる範囲での受験者平均点、合格者平均点も入れ、本人の得点もそのつど書き入れて可視化し、時折先生方にも得点の状況を見てもらって共有していました。後日、判断の基準となる各サピックスオープンの前には、少なくとも4科目を2年分はできるようにスケジュールを配慮しました。開成10年分、聖光2回分(各8年分)は11月下旬にはほぼ終わりその後は併願校の過去問には取りかからず、SS特訓の開成プリント、土曜志望校別特訓の聖光対策プリントの復習に時間を割いていました。

⑦プリント整理とフリクションの活用(親の管理業務)
 テキストとプリント捜索にかかる時間のストレスを軽減することは非常に重要です。科目ごとに色を決め、テキストの種類・番号だけを大きく書き、直感的に判別できるようにしました。復習はすべてフリクション。ランニングコストはかかりますが、消しゴム不要、強い筆圧でも痕が残らず、アイロン一発できれいに消え、何度も復習がしやすくなりました。

⑧本人のがんばり
 過去問についてはエクセルの一覧表で指示を出しましたが、そのほかはすべて本人が先生の指導のもとに考え、SS特訓の開成の算数・理科プリント、土曜志望校別特訓の聖光の算数プリントを中心に解いていました。フルタイム勤務のなか、長年の実親介護や家族の長期海外赴任も重なり、さらに6年生のころは地方出張も多くなったので、先生方への電話相談、過去問のスケジュール化、プリント整理以外ほぼノータッチでした。テスト直しや過去問、弱点の補強など本人が自主的に本当によくがんばったと思います。12月中旬からは算数・理科で苦手意識が残る分野を自分で洗い出し、それに必要なテキストやプリントから問題番号を抜き出してリスト化し、机に貼りつけてコツコツ解いていました。


 合格力判定サピックスオープンやマンスリーテストで結果が出ないときは「サピ中」に行くわけではない、過去問との相性や学校別サピックスオープンの結果こそよりどころになると励ますことを心がけました。「基礎力トレーニング」はまったく取り組めず、超夜型の生活で、授業点も乱高下、クラス落ちも経験し、最後の半年での開成中の合格可能性は50~70%と安定しないまま2月1日を迎えました。けれども、海外赴任により、家庭が一人親の状態になっていることも理解してくださっていた先生方の多大なる支援と叱咤激励のもと、やるべきことを本人が粛々と進め、受験校ラインナップを変えずにチャレンジしたことこそが、開成合格も含めた全勝、第一志望校の聖光学院中進学につながったと感じています。
 わが家は、娘と息子の二人でサピックスに合計8年半お世話になりました。サピックスのカリキュラムと先生方の熱い指導のおかげで、二人とも熱望の第一志望校に進学できました。在籍期間にお世話になった先生、スタッフの方々に厚くお礼申し上げます。

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