受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2018年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

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進学校 筑波大学附属駒場中学校

いい経験をありがとう!

A.Hさん お子さんの名前 Rくん

 2月5日、筑波大附駒場中の合格発表の日、息子は学校から早く帰ってきたものの、なかなか見に行こうとはしませんでした。何とかせかして、ぎりぎりのタイミングでようやく校門にたどりつきました。そこからは、息子が一足先に掲示板に向かいました。少しあとから行くと、「あった!」「やった!」とはひと言も発することなく、おもむろに眼鏡をはずし、涙を拭いていました。予想とは違いましたが、彼が第一志望校に受かった瞬間を忘れることはないでしょう。こうして息子の中学受験は意外にも静かに幕を下ろしました。
 息子が初めてサピックスの授業を受けたのは5年生の冬期講習です。それまでは小さなほかの塾で、ただただ楽しく勉強していました。ところが、サピックスの活気ある刺激的な授業や仲間と競争するという仕組みのとりこになり、新6年生の2月からお世話になることにしました。転塾当初は、本人はすんなりなじめたようでしたが、親の私は「デイリーサピックス」「デイリーサポート」など、似たような教材名に混乱しました。何より衝撃だったのが、理科・社会が周回遅れであることが判明したことです。息子は算数が得意、国語が“不定”、理・社が“不明”という状態でしたので、ひそかに算数先行逃げ切り作戦を立てていました。ところが、初回の授業で「4科のバランスが大事」と言われてしまったのです。早くも見抜かれていました。よく考えれば、筑駒は全教科40分100点満点、算数だけでいいはずがありません。ですので、夏までは理・社、特に社会の地理分野を必死にやりました。夏後の保護者会時に、「追いつきましたよ」と言っていただいたときは、ほっとしました。
 夏休みに入り、連日の夏期講習と夏期集中志望校錬成特訓、そしてその後のマンスリー実力テストも乗り切ってくれました。絶好調とはこのことで、「もう明日にでも入試があればいいのにね」なんて呑気な会話をしていました。この後、悪夢のような日々が来るとも知らずに…。
 9月に入り、SS特訓が始まりました。SS特訓・土曜志望校別特訓・平常授業の復習に加え、過去問提出、さらには合格力判定や学校別サピックスオープンもあり、「前期までは、なんて暇だったんだろう」と思うほど、目も回る忙しさでした。息子が授業内にほぼ完結してくれたのが、まだ救いでした。
 サピックス入室以来、私は毎回お迎えに行っていました。校舎から出てきたときの表情や様子から、大体の状況がつかめました。10月に入り、何となく何かが違う、歯車が狂ってきているという印象を持ちました。やり切った夏の疲れが出たのかもしれないとも思いましたが、日々の勉強に追われる毎日でした。そして案の定、10月のマンスリー実力テストで大きく成績を落とし、別人かと思いたくなるような数字がスマホの画面に並びました。すぐさま室長に相談しました。SS特訓後でお疲れだったにもかかわらず、こちらの必死の形相に押されたのか、冷静にアドバイスしてくださいました。その後の第3回合格力判定サピックスオープンも2回目の学校別サピックスオープンもひどいものでしたが、アドバイスどおりにしたら、徐々に持ち直しました。息子も苦しかったと思いますが、このときの経験が自分をコントロールしてピークを2月に合わせることに役立ったと思います。
 2月3日の朝、「とうとうこの日がきたね」と、それまでに受けた4校のときとは違って、さすがに緊張した様子でした。ただ一度だけ振り向いた息子は、とてもいい顔でした。何よりも、悔いを残すことなくこの日を迎えられたことに、私は満足していました。
 家に帰れば弟たちがいるので、授業を終えて家に着くまでの15分ほどの間に、息子はサピックスの先生や友だちのこと、授業に関するありとあらゆることを話してくれました。それは本当に貴重でかけがえのない時間でした。また、SS特訓のみならず、入試直前の冬期講習や正月特訓では家族よりも長時間、先生や友だちと濃密な時間を過ごしました。合格発表のとき、ひと言も発せなかったのは、サピックスでの日々が走馬灯のように頭を駆け巡ったからだそうです。とても良い環境で受験に向けて勉強できたこと、そして精神的にも鍛えられたこと、親の私もずいぶん支えていただいたことには、感謝の念しかありません。ありがとうございました。

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