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緊急分析 2021年度首都圏中学入試の動向:
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2021年度中学入試特集/緊急分析首都圏

2021年度
首都圏中学入試の動向
緊急分析

緊急事態宣言発令中の異例の入試でも
中学受験生の実数は昨年並み

年の中学入試の終了直後から深刻になった、新型コロナウイルスの感染拡大。今年の入試はおおむね予定どおりに実施されたものの、首都圏1都3県などに緊急事態宣言が発令されている状況下で、各学校は例年とは異なる対応を迫られました。経済の面でも大きな打撃を受けており、中学受験生の実数が減少に転じるという見方もありましたが、結果的には、ほぼ昨年並みの数となりました。詳しく見ていきましょう。

2021年度入試のトピック

開成をはじめ、いくつかの学校が追試の実施を事前に発表していた。

女子校を中心に、入試直前になってから面接の中止を決定した学校が多くあった。

昨年までは紙の願書を提出させていた学校も、そのほとんどがウェブ出願を導入。合格発表方法も校内掲示からウェブに変更する学校が大きく増えた。

2月1日午前受験者数は減少せず、ほぼ昨年並みだった。

開成をはじめ、いくつかの学校が
「追試」の実施を事前に発表

 新型コロナウイルス感染症の流行により、入試当日の風景は大きく様変わりしました。塾関係者による学校の敷地内での激励も、人が密集する状況を作り出すことになるとして、多くの学校で自粛が求められました。保護者の入構を認めず、控室を設置しなかった学校もあります。また、入構時には検温を実施した学校も少なくなく、ここで一定以上の熱があった場合は、受験が認められないことになりました。

 そうしたなか、開成をはじめとして、追試を実施すると事前に発表していた学校がいくつかありました。学校側としては、安心して出願してもらおうという狙いもあって、追試の実施を決めたのでしょう。ただ、それは中堅以下の学校が中心で、国立校や公立中高一貫校でも、追試は行われませんでした。

 なお、開成でも、追試の受験を申請した者はいなかったとのことです。

女子校を中心に面接試験が中止
ウェブ出願の導入がさらに進む

 筆記試験そのものは、感染リスクはそれほど高くないと考えられていますが、それでも例年、特に多くの受験生が集まる学校では、受験番号などにより集合時刻を分散する、1教室当たりの人数を減らすなどの対応をとりました。リスクがあると考えられたのは、会話を伴う面接でした。早い段階で面接中止を発表していた学校もありましたが、冬になって感染者が増加する状況を見て、年末から年始にかけて発表した学校も少なくありません。最終的に面接を実施した学校は、慶應義塾普通部、慶應義塾湘南藤沢中等部、慶應義塾中等部などわずかでした。

 入試に関する一連の手続きのウェブ化もさらに進みました。今年は、浦和明の星女子、桜蔭、女子学院、雙葉といった女子校を中心に、新たにウェブ出願を導入した学校が相次ぎました。また、校内の掲示板での合格発表を続けてきた難関校のなかにも、掲示板をなくしてウェブでの発表に切り替えたところが多くありました。

2021年度入試で面接等を中止したおもな学校
私立 早稲田大学高等学院中学部、桜蔭、学習院女子、光塩女子学院、頌栄女子学院、女子学院、清泉女学院、捜真女学校、東洋英和女学院、フェリス女学院、雙葉、聖園女学院、横浜共立学園、横浜雙葉、立教女学院
国立 東京学芸大学附属小金井、東京学芸大学附属竹早
公立 川崎市立川崎高等学校附属、神奈川県立相模原中等教育学校、神奈川県立平塚中等教育学校、千葉県立千葉、千葉県立東葛飾、千葉市立稲毛高等学校附属
2021年入試で新たにウェブ出願を導入したおもな学校
攻玉社、芝、浦和明の星女子、桜蔭、学習院女子、鎌倉女学院、品川女子学院、女子学院、東洋英和女学院、雙葉、横浜雙葉、慶應義塾中等部、東京学芸大学附属竹早、早稲田実業学校中等部

2月1日午前受験者数は昨年並みの
4万1000人台を維持

 首都圏の私立中学受験生の実数は、東京都・神奈川県で一般入試が解禁される2月1日午前に入試を行う学校の受験者数合計から推定することができます。この日の午前には、埼玉県や千葉県の学校にすでに合格して受験を終えた子どもや、公立中高一貫校のみを「受検」する子どもを除くほとんどの受験生が、いずれかの学校を受けると考えられるからです。

 この数値の増減は、私立中学受験生の実数の増減を反映しているといってよいでしょう。2016年から昨年までは、5年連続で前年を上回り、受験の規模が拡大する傾向にありました。しかし、過去には経済の悪化に伴い、それまでの増加傾向にストップがかかり、減少に転じたこともあります。そのため今年も、前年を下回るかもしれないと思われていました。それでも結果的には、2月1日午前の受験者数合計は、ほぼ昨年並みの約4万1232人となりました。また、この2月1日午前受験者数を、首都圏1都3県の公立小学校6年在籍者数で割って求めた「受験率」も14%台を維持しました(表①参照)。

 多くの受験生は、3~4年生のころから準備を始めているので、6年生になってから社会情勢が急変したからといって、受験そのものをあきらめることはなかったということでしょう。オンライン授業の実施など、休校期間中の対応については、学校による温度差が大きかったということもあるかもしれません。

 少子化の動向についても触れておきましょう。国内で1年間に生まれる日本人の子どもの数が、100万人を割るようになったのは2016年からですが、現1年生くらいまでは極端には減っていません。東京都だけを見ると、むしろ、学年が下がるほど児童数が増える傾向があります(グラフ①参照)。そのため、まだしばらくは、厳しい入試が続くとみるべきでしょう。

表① 2月1日午前受験者数と受験率の推移
公立小学校6年在籍者数 2月1日午前受験者数 受験率(%)
2016年度(2017年受験) 283,875 36,893 13.0
2017年度(2018年受験) 276,520 37,939 13.7
2018年度(2019年受験) 286,248 39,959 14.0
2019年度(2020年受験) 289,494 41,294 14.3
2020年度(2021年受験) 288,876 41,232 14.3

※公立小学校6年在籍者数は、文部科学省のその年度の「学校基本調査」より。2月1日午前受験者数は森上教育研究所調べ。2021年の2月1日午前受験者数は、2月15日までに受験者数が判明した学校のデータより算出しています。

グラフ① 全国、首都圏1都3県、東京都の公立小学校在籍者数(2020年5月1日現在)

●グラフ① 全国、首都圏1都3県、東京都の公立小学校在籍者数(2020年5月1日現在)

●グラフ② 2月1日午前 私立中学受験者数と募集定員の推移

●グラフ② 2月1日午前 私立中学受験者数と募集定員の推移

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2021年度中学入試特集

首都圏2021年度中学入試レポート緊急分析 2021年度首都圏中学入試の動向

関西圏2021年度中学入試レポート緊急分析 2021年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2021年度入試結果DATA一覧

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