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緊急分析 2021年度関西圏中学入試の動向:
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2021年度中学入試特集/緊急分析関西圏

2021年度
関西圏中学入試の動向
緊急分析

今年度も、受験生の動向に変化はなし
午後入試を活用し、早めの合格校確保を

2021年度の関西圏中学入試がほぼ終了しました。今年度は「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大」という、かつてない特殊な状況下での入試になりました。今回は、応募者数や応募率の変化といった、例年の注目ポイントに加え、こうした特殊な状況下の中学入試がどのように実施されたのか、受験生の動向に例年と異なるところは見られたのか、といった点にも注目しながら振り返っていきましょう。

少子化の進む関西圏だが
応募率の上昇傾向は続く

 関西2府4県(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県。以下「関西圏」)の2020年5月1日現在の小学校6年の児童数は、昨年度よりも1213名(0・7%)少ない、17万7093名でした。このうちどのくらいの割合の生徒が中学受験をしているのか。その指標となる、統一解禁日午前の応募者数は1万7936名で、応募率は10・1%でした(いずれも速報値)。応募者は昨年度よりも80名の増加、応募率は0・1ポイントの上昇です。

 図表1のとおり、近年の関西圏は少子化が進んでいますが、中学受験する子どもの割合は徐々に増える傾向にあり、今年度についても、その流れが続いていたといえるでしょう。また、全日程の総応募者数は6万2330名(速報値)で、昨年度よりも912名増加しました。今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進むなかでの入試となりましたが、受験生全体の動向としては近年の傾向どおりであり、特に変化は見られなかったといえます。

図表1 関西2府4県の小学校在籍者数と解禁日午前の応募率の推移

●図表1 関西2府4県の小学校在籍者数と解禁日午前の応募率の推移

最難関校の人気は不動
気になる洛星の応募者減

 ここからは、各校の動向を見ていきます。いわゆる「トップ9」(灘・甲陽学院・神戸女学院・東大寺学園・西大和学園・大阪星光学院・四天王寺・洛南高等学校附属・洛星)の過去10年間の応募者数の推移は図表2のとおりです。

 灘は、昨年度に比べて応募者を88名減らしました。首都圏1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)からの応募者が215名から126名へと激減したことが大きな要因です。一方、関西圏からの応募者数はほぼ横ばいだったので、実質的な難度は変わらなかったと思われます。

 そのほかのトップ校については、年度による増減の幅の中での変動であった学校がほとんどですが、気になるのが洛星です。最近は、前期日程の応募者数が500名前後で推移していたのですが、今年度は409名と大きく減らしました。最寄り駅がJR嵯峨野線「円町」と、交通アクセスに難がある学校であるため、新型コロナが収束しない状況を考慮して敬遠された可能性があります。一方、2021年度よりコース改編を行い、さらに英数コースで専願・併願制を採用することにした四天王寺は昨年度に引き続き好調でした。767名の応募者を集め、そのうち327名は英数コースを専願で志望する受験生でした。英数コースの合格ラインは、専願の場合と併願の場合で18点の差が設けられており、400点満点であることを考えると大きな差と言えます。

 「トップ9」の総応募者数(洛星は前期のみ)は6625名で、3年連続で6500名を超えています。世の中の状況にかかわらず、大学合格実績を出し続ける最難関校の人気は不動といってよいでしょう。

図表2 トップ9(最難関校グループ)の直近10年間の応募者数の推移

(人)

年度
学校名 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 21年-20年
616 638 693 612 656 683 735 731 775 687 ▲88
甲陽学院 385 381 372 344 395 382 423 411 410 410 0
神戸女学院 277 257 214 223 255 260 249 262 240 272 32
東大寺学園 992 952 939 845 884 947 965 934 954 925 ▲29
西大和学園
(一般+特色入試)
1,343 1,301 1,586 1,556 1,497 1,427 1,352 1,394 1,462 1,525 63
大阪星光学院 728 750 751 804 741 683 755 769 737 749 12
四天王寺 601 599 553 612 609 519 634 711 770 767 ▲3
洛南高等学校附属 962 962 914 912 857 871 880 910 868 881 13
洛星(前期) 544 496 435 500 446 501 480 470 468 409 ▲59
合計 6,448 6,336 6,457 6,408 6,340 6,273 6,473 6,592 6,684 6,625 ▲78

好調が続く高槻
須磨学園・夙川は難化

 続いて、最難関校グループに次ぐ学校群を見ていきましょう。近年人気の高槻は、男女合わせた応募者数が、A日程で594名→571名、B日程で1339名→1253名となり、両日程ともに昨年度を下回りました。とはいえ、昨年度までの3年間で応募者を約25%増やしているので、今年度はやや減らしたとはいえ、変わらぬ人気といってよいでしょう。

 昨年度は応募者を減らした須磨学園ですが、今年度は全日程の総応募者数が1075名→1494名と大幅に増加しました。今年度の応募者数は2019年度の1246名をも大きく上回っており、熾烈な争いとなりました。なお、姉妹校の夙川も、全日程の総応募者数が899名→1123名となり、昨年度よりもさらに増やしています。

 六甲学院は、A日程で327名→252名、B日程で597名→475名となり、両日程とも応募者を減らしました。昨年度、応募者を大幅に増やしたことの反動とも考えられますが、減少の幅が大きいため、それだけではなく、今年度、須磨学園が大きく応募者数を伸ばしたことの影響もあったと考えるのが妥当でしょう。六甲学院だけではなく、阪神間の学校で、同様に影響を受けたところは多かったものと思われます。

 帝塚山は全日程の総応募者数が1966名→1889名、清風南海は1526名→1508名となり、ともに応募者をやや減らしはしたものの、この両校については、昨年度とほぼ同じ水準を維持したといってよいでしょう。

 このように、学校による増減は見られるものの、最難関校に次ぐグループの学校も安定した人気を保っています。

 国立の神戸大学附属は、一般適性検査の応募者を858名→739名と100名以上減らしました。近年の神戸大学附属は、灘・甲陽学院・神戸女学院といった最難関校受験生の有力な併願校になっています。応募者の減少は、こうした状況を踏まえ、いわゆる「チャレンジ層」が減少した結果ではないかと思われます。減少幅だけを見ると易化したように見えますが、油断は禁物です。

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2021年度中学入試特集

首都圏2021年度中学入試レポート緊急分析 2021年度首都圏中学入試の動向

関西圏2021年度中学入試レポート緊急分析 2021年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2021年度入試結果DATA一覧

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