受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

ワンオペ親の中学受験

K.Sさん お子さんの名前 Sくん

 息子に中学受験をさせるに当たり、目標に掲げたのは「6年生の9月以降の心身の負担を、可能なかぎり最小化する」ことでした。息子は体力や気力にあふれた子ではありません。「終盤の追い上げ」「大逆転」といったことは当てにせず、「平常心で入試を受けられれば、よほどのことがなければ合格枠に入れる位置」に早い段階で定着し、後は維持する努力を続けるだけという状態に持っていければ、親も子も、そう無理はせずに済むなと思いました。
 母1人、子ども2人、夫は単身赴任の家庭です。親が使える時間、エネルギーには限りがあります。子をたきつけておきながら、親が限界で受験を断念する事態だけは避けたいと思い、小さな努力をこつこつと続けました。
 4年生までに正確な計算力をつけ、理科と社会は報道番組やEテレ、小学生新聞でなんとなく頭に入れ、心に引っ掛かりをつくります。やがてサピックスの授業で触れたときに思い出し、知識のかけらがつながり、理解が深まるだろうというもくろみでした。一方、本人には「嫌になったら、いつでもやめていいのよ」と言い続けました。どれだけ親ががんばったところで、実際に受験するのは息子です。息子が「もう嫌だ」と言ったら、そこで終わり。メンタルケアには気を遣いました。
 幸い、息子は私の敷いたレールの上を調子良く走ってくれました。5年生まで最上位クラスをキープ。このまま私の勧める志望校というゴールに吸い込まれるだろうと安心していたときに、事態は一変しました。新型コロナウイルス感染症の流行です。
 サピックスが大好きだった息子が、サピックスに通えなくなりました。友だちと競い合い、先生にほめられるのがうれしくて勉強していたのに、友だちとも先生とも会えなくなりました。サピックスという楽しみがないのに、進んで勉強する子ではありませんでした。私の仕事中、一日8時間、ただゲーム動画を眺めるだけの3か月を過ごし、休講期間が明けるころには心身ともにゆるみ切って、これまでのように勉強できる状態ではなくなっていました。
 息子は、このとき初めて「まずいと思った」と言います。5年生までの習慣化した勉強を超えて、自発的、積極的に取り組むようになりました。志望校もいつの間にか私の勧めを拒否して自分で決め直し、一歩も譲りませんでした。新型コロナの流行の影響で、毎日午後3時30分まで小学校、午後4時から午後9時まで夏期講習という過酷な夏を乗り越え、SS特訓で苦しみ、また楽しみながら、入試までの日々はあっという間に過ぎました。成績の乱高下もなく、「平常心で入試を受けられれば、よほどのことがないかぎり合格枠に入れる位置」につけてくれていたので、私が言うことはもう何もありませんでした。
 息子が成長できたのは、ひとえにサピックスのおかげです。本当にありがとうございました。

 前の体験記 | 男子校目次に戻る | 次の体験記 

2021年度中学入試 受験体験記 男子校女子校共学校

ページトップ このページTopへ