受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

実力?

H.Sさん お子さんの名前 Mくん

 「大半」は多半。「余談」は予談。
 息子は受験の本番でも造語に余念がありませんでした。そのため、結果的には第一志望校の合格を頂きましたが、最後まではらはらする受験を経験しました。
 合格がわかったとき、満面の笑みで息子が言った第一声は、「サピックスに電話、先生に伝える」でした。
 すべてを差し置き、まずサピックスへの感謝だったのです。まさにサピックスにおんぶに抱っこで、最後の最後までたいへんお世話になりました。先生方の熱心なご指導に、心から感謝いたします。
 息子は、国立小学校を受験しましたが、検定合格・抽選落選で、ご縁を頂けませんでした。運のない親をなじりながら、本人が、実力でより上の中学に入ると、中学受験を決心しました。
 また、息子が4歳のときに、祖母が乳がんの手術をしましたが、その執刀医師の術後説明に同席し、浮かぶ疑問を次々と医師に質問していました。そのとき、医師が一つひとつていねいに回答をしてくれたことがうれしかったのか、帰り道に満面の笑みで、「ママ、ぼくは外科医になるよ」と言いました。この彼のなかにある明確な将来のビジョンは、受験校選びおよび受験期のモチベーション維持に、たいへん役立ちました。
 とはいえ、息子が入室した3年生の9月から受験終了までには、たくさんの紆余曲折がありました。入室時こそ上位クラスでしたが、息子は緻密な作業を嫌い、何度指摘しても、まるで決まり事のように、漢字練習はせず、四則計算は適当な暗算で済ませていました。もちろん、試験では漢字は当たらず、算数ではケアレスミスの連発で点数が取れません。6年生の夏期講習明けには、算数の偏差値を大幅に落としました。
 乱高下する成績に対して、私は「現状の成績は気にしなくてよい。2月1日に間に合えばよい」と言い続けました。この励ますつもりのことばは、なぜか、彼にとっては「自分は必ず受かる」との根拠のない自信となってしまいました。そのため、あまり言いたくはありませんでしたが、運には頼れないこと、努力で合格を引き寄せるしかないこと、そのためには緻密な基礎作業が大切であることを訴え続けました。
 その後、複数の先生からの度重なる声かけもあり、本人が改善の必要性を認識したのか、漢字はていねいに練習して先生に見せ、指摘を受けるようになりました。算数もすべての計算を書き出すようになりました。
 日々の勉強は、基本的に息子任せで、私が意識したのは、テストの返却後に、できなかった単元について、一緒にテキストを読み、問題を解くことだけでした。息子にとっては、この時間は自分のできなさを自覚させられる苦痛の時間でした。一方、私は久しぶりの勉強が楽しく、にこにこして読んでいたため、息子は私の雰囲気に流されて、やり切る以外の選択肢がなかったそうです。
 最近、息子に聞いてみました。
 「合格は実力?」
 「ぼくの場合は気力」
 合格できて良かったと、心から思います。

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