受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

12歳の呼吸

S.Gさん お子さんの名前 Tくん

 2人目の中学受験で、ありがたいことに兄と同様、サピックスから第一志望校に合格することができました。とはいえ、前例のない新型コロナウイルス感染症影響下での受験で、想定外の事態もたくさんありました。
 まずは、小学校が休校となり、サピックスの対面授業も2週間なくなるという異例の状況。サピックスはその後、短縮された「補講」を対面で提供してくれましたが、それもすぐに動画配信へと切り替わっていきました。最大の課題は本人のモチベーションの維持でした。しかし、本人には当初から明確な第一志望校があり、それが不幸中の幸いでした。
 志望校合格をイメージさせるような声かけも多少は功を奏したのか、時間がたっぷりあったこの時期に、「自分の受験なんだ」という感覚がぼんやりながら、芽生えたことがよかったように思います。ある程度の切迫感とのんびり感が同居した、いい感じのバランス感覚のなか、あり余るおうち時間を5年生の総復習や算数の強化に充てることができました。おそらく、こうした背景も影響したのでしょう。息子は、算数の難問に取り組むことがますます好きになっていきました。本当に集中していて、解けるまでやめようとしないので、一日のなかで4科のバランスを確保するのが大変でした。特に、入れていく訓練から出していく訓練に本格的にシフトする6年生の秋以降、その傾向は顕著になっていきました。何かに真剣に取り組む経験は、これまでの本人の人生にはなかったもので、中学受験で得られた収穫の一つです。
 その半面、国語・社会には長く苦しむことになりました。特に国語は、成績のアップダウンが激しく、最後の模試まで安定することはありませんでした。ようやく国語の記述を大きく外さないようになってきたのは、冬期講習・正月特訓が終わるころ、もう1月入試が始まろうとしていた直前期でした。粘り強く鍛えてくださった先生方のご尽力と、あきらめずにこつこつと学習を続けた本人の努力が、ぎりぎりで実ったのでしょう。努力は裏切らないということへの気づきにつながるでしょうか。
 逆に、自粛ムードでよかったこともありました。例年、塾の先生方が大変な思いで続けてこられた入試当日の朝の激励が、今回は自粛。代わりに入試応援動画が配信されました。お世話になった先生全員のお顔を毎朝拝見できた点は例年よりもむしろ良く、受験会場に向かう直前に2倍速ながら再生してから出発しました。2月2日以降は同じメッセージの繰り返しでもと思い、謹んで省略させていただきました。しかし、あとから思うと、動画を見せてから向かった1月入試と2月1日の本命入試は全勝でした。実は相当効いていたのかもしれません。
 ともあれ、2人目とはいえ、今回もまた手探り状態で、人間的な成長まで応援できたかどうかは、甚だ疑問が残ります。しかし、これからはご縁があって入学する志望校で、自分が進みたいと思う道を自分の力で見つけていってもらえれば、親としてたいへんうれしく思います。

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