受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

コロナ禍での共働き家庭の中学受験

Y.Mさん お子さんの名前 Kくん

 わが家は父親も母親もフルタイムで仕事をしております。平時であれば塾の送迎と週末に多少勉強のチェックをする程度で特に問題ありませんでした。
 しかし、昨年は新型コロナウイルス感染症による突然の緊急事態宣言発令のため、貴重な6年生の春に塾も学校も休校となる事態となりました。息子はその間、自宅で一人でテキストに取り組むことを求められましたが、まだまだ遊びたい盛りの小学生男子にはたいへん難しいことでもありました。成績はみるみる下がり、最上位クラスから落ちる経験を何度となくしました。当初は、テストの成績を見ながら一喜一憂(ほとんど喜はなし)していましたが、夏になるころには悟りを開き、息子のひどい成績を見ても動じない「無の境地」に到達いたしました。
 今年度の6年生は、この緊急事態宣言期間にしっかり学力を高められたお子さんと、わが家のように成績が下降してしまった子とで、夏前に学力の二極化が進んでしまったように思います。止まらない成績下降の波のなかで、私は志望校の変更を検討し始めましたが、息子はなぜか、けっして第一志望校を変更しようとはしませんでした。そして塾の先生方も、志望校変更を勧めることはなく、「男の子はここから入試直前まで伸び続けます」と、力強く励ましてくださいました。
 秋にSS特訓が始まると、志望校を同じくする仲間との出会いのなかで、息子はますますサピックスへの通塾を楽しむようになりました。週4日間、夜遅くの帰宅となっても、音を上げることはけっしてありませんでした。それどころかおもしろかった先生や友人の話を夜遅くまで語り、次の通塾日が待ちきれないようでした。楽しそうに通塾する息子を眺めながら、万が一、第一志望校が残念な結果になっても、挑戦することが大切だと確信するようになりました。冬になるころには、成績も徐々に上昇傾向となってきましたが、字はいつまでたっても雑で汚く、つまらない漢字のミスや計算ミスを繰り返しており、受験終了まで悩み続けました。年末には世間の新型コロナ流行はさらに拡大し、例年以上に手洗い、マスク着用、体調管理に神経を遣いました。1月に無事に千葉の3連戦を迎えられたときには「試験を無事に受けられることのありがたさ」をかみしめました。
 1月からの息子のがんばりは凄まじく、膨大な量の志望校対策プリントと10年分以上の過去問を内容が頭に入るほど解きました。問題を解きながらふいに不安に駆られ、弱音を吐くこともありました。母親の私が励ましてもあまり効果はありませんでしたが、サピックスの先生方が論理的に励ましてくださると簡単に自信を取り戻す息子を見ながら、先生のことばは魔法だと痛感しました。
 先日の開成中の入学予定者説明会で、校長先生から「密着した子育てからのご卒業おめでとうございます」とおことばを頂きました。わが家はサピックスに丸投げで、大して密着してサポートできていませんでした。それでも、息子はサピックスのテキストをていねいに愚直に繰り返し解くことで、親がそれほどかかわらなくても、自然と力がついてきたようです。
 現在、息子はサピックスが終了してしまった喪失感と中学生活への期待との間で、ふわふわとした生活を送っています。しかし、サピックスで培った自分で計画を立てて、目標に向かって努力する力を糧に、今後の人生を乗り越えていってくれることでしょう。ご指導いただいた先生方に、心から感謝申し上げます。

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