受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

重い鎧をつけたサムライ

M.Kさん お子さんの名前 Yくん

 成績のピークは6年生の5月ごろであった。そこからは見事な右肩下がり。けっしてサボったわけでもなく、むしろ一生懸命やっていた。しかし、やればやるほど成績が下がる。
 極めつきは、夏期講習明けのマンスリー実力テスト。「これだけ夏休みにがんばったのだから」と奮い立たせるも惨敗。「努力は報われる」。こんな残酷なことばはない、そう思ってしまうほど卑屈になり、そして困り果て、先生に何度も電話で相談。今でも印象に残り、支えになった先生のことばがある。「重い鎧をつけたサムライ」。実力はしっかり備わっているが、今は身につけたものが重すぎて、体が動かず、得点に結びつけることができていないと説明してくださった。「本当に点が取れるようになったなと実感できるのは12月中旬、遅い子でも1月中旬、いや最後の1週間であったりする」。このアドバイスが励みになり、ひたすら鎧が軽くなることを念じた。
 絶望のなか、居ても立ってもいられず、長野の善光寺、そして福岡の太宰府まで神頼みに出かけた。その後のマンスリーテストでも合格力判定サピックスオープンでも一向に浮上できなかったが、ただ、学校別サピックスオープンのみ規定合格点を超えていたことが救いだった。最後のマンスリーテストでは過去最低を記録。感覚も麻痺し、しまいには先生に「良いとこ取りしていいですか」と投げかけてしまう始末。すなわち、学校別サピックスオープンでそこそこの結果が出ているのだから、超難関校をめざす生徒も一緒に受けるテストの結果がだめでも、そこまで落ち込む必要はないという都合の良いロジックを打ち立てたのだ。意外なことに、先生も「問題のタイプは学校によりさまざま。第一志望校に対しての判断がいちばん」と賛同してくださった。
 第一志望校合格のために、親としてやれることは何でもやろうと、六大学野球の観戦に出かけ、毎朝、慶應の応援指導部の動画を見せたり、学校の周辺を散歩したりもした。このように、子どものモチベーションを上げる努力は続けた。
 1月に入ってから、併願校の国語の過去問が時間内に解けないことがあったので、質問教室でじっくりアドバイスをしてもらうことになった。それから残りわずかだったが、子どもは毎回、過去問の解答を持って、喜んで質問教室に通った。すると、鎧が急に軽くなり始めたのか、時間内に解けるし、高い得点を取れるし、まるで魔法にかかったようだった。
 そして、ほかの教科も鎧が馴染む兆しが出てきた。1月の栄東中の結果は、難関大クラスではなく東大クラスに合格。もしかして「間に合った??」そう心のなかで何度もつぶやけるようになっていた。子どもは自信が出てきたのか、もう緊張しないと試験に挑み、見事合格を勝ち得た。サピックスのカリキュラムには脱帽だ。こんなわが子に対してもしっかりと2月1日に間に合うように指導してくださった。わが家は先生方の魔法のことばに何度救われたことか。「努力は報われる」。今は卑屈にならず、このことばを、自信を持って言える。ありがとうございました。

 前の体験記 | 男子校目次に戻る | 次の体験記 

2021年度中学入試 受験体験記 男子校女子校共学校

ページトップ このページTopへ