受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

〝鉄分〟不足を乗り越えてつかんだ夢

T.Hさん お子さんの名前 Kくん

 6年前の2月、サピックスにお世話になり始めました。最初の3年間は上位クラスでしたが、4年生になると状況が一変。通塾が週2回になりテキストの復習で手いっぱい、ほかの習い事もあり自転車操業状態でした。そんななか、学校見学で息子が心をつかまれたのが慶應普通部。鉄道が大好きな息子は労作展で、東京メトロが複雑に入り組む地下を表す立体模型に釘付けとなり、初めて明確に志望校を意識し、「普通部合格」が息子と家族の夢になりました。
 しかし、5年生になっても常に余力のない状態が続き、気分転換にと休日に大好きな鉄道を見に行くと余韻に浸ってしまい、さらにペースダウン…。親の私も突破口が見当たらず、怒鳴ってしまうことも日常茶飯事でした。死守してきた上位クラスからの降級も経験し、不安を抱えたまま、最終学年を迎えました。
 6年生になると、新型コロナの影響で学校もサピックスの授業も変則的に。夏期講習の時期も学校があったため、両立に苦しむ日々が続き、ついに8月末のマンスリー実力テストで過去最低のクラスに降級。ここでようやくお尻に火がつき、趣味の鉄道本やDVDなどの〝鉄分〟を封印。初心に返り地道にこつこつ…特に夏以降得点力が急速に落ちた算数は、難問はある程度捨て、SS特訓の解法力講座のテキストの反復に多くの時間を割きました。年末には平常授業のクラスもなんとか上位に復帰し、入試1か月前にして計画的な勉強ができるようになり、問題の処理速度も上がりました。
 そして、心身ともに良いコンディションで迎えた2月1日。4科目+体育実技+面接で、トータル8時間近い長丁場の試験…。息子の第一声は「よかった」。短いことばにみなぎる自信を確信し、迎えた2月3日。慶應中等部の試験を終え、三田駅へ。前日の夜に話し合い、合否はサイトで確認すると決めていました。合格ならそのまま三田線で日吉へ。不合格なら逆方向に乗り帰宅。
 「開いたら出るよ」「うん」「開くよ」「ちょっと待って!」「どうする?」「開こうか!」最後は息子の合図で…。受験番号が目に飛び込み、あっという間に涙でにじみ、男同士で熱い抱擁。後で聞くと「お父さんが泣いたから、もらい泣きしちゃったよ」とのこと。本人のほうが堂々としていました。
 慶應普通部で書類を受け取ると、家路は大きく遠回り、新幹線まで乗車して失われていた〝鉄分〟を補給。翌日には、封印していた鉄道の本やDVDも出てきて、〝鉄分〟たっぷりの日常が戻りました。あこがれの労作展で鉄道関連の大作を作ってくれるはずです。
 ご覧のように、私たち親子から「こうすれば受かる」メソッドのようなものは提供できません。不器用な親子が、サピックスだけを信じ、時に衝突し、必死にもがいてつかんだ合格です。あらためて、息子を見守り鼓舞し続けてくださった先生方に心より感謝申し上げます。
 そして、最愛の息子・Kへ…
 「夢に向かって努力し続ける姿、かっこよかったよ! 受験期間で不足した〝鉄分〟を取り返して、思う存分味わってね」

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