受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

「勉強が好き」という呪縛が「楽しい」に変わるまで

K.Yさん お子さんの名前 Yくん

■好きの始まり
 「ビビボ!」
 これは2歳前の息子のことばで、「リンゴジュースください」という意味です。2月生まれで体が小さかった息子は、舌足らずでことばも独特。ところが、際立った幼さとは裏腹に、寝るときも寝室に知育カードを持ち込んでこっそり自主練習をするほどの努力家でもあり、そのころから勉強好きであることを公言していました。
■本当に勉強が好き?
 ほんの力試しのつもりで受けたテストの出来が、あまり良くなかったことが勉強好きを自称していた息子のプライドに火をつけたらしく、そのまま入室を決意したのが新3年生のころ。
 その後、5年生までは徐々に成績も上がり順調でしたが、6年生になると成績はゆるやかに下がり始め、新型コロナウイルス感染症の流行により休校になったことも重なり、しばらく苦しい時期が続きました。
 それでも「勉強、つらい?」と聞くと「いいや、勉強は好きだから」と答えるのです。その様子は、私には無理しているようにしか見えませんでした。もはや「勉強が好き」ということばは、自分を奮い立たせるための呪文と化していたのです。
■転換期
 では、やる気があったのに、なぜ成績が落ち込んでしまったのか? 理由を特定できず悩んだ時期がありました。
 そんななか、ある先生から「条件を整理するプロセスや整理力」についてお話を伺うことができたため、あらためて過去のテストを見直してみると、正解を導くためのいくつかのプロセスが抜けていたことが発覚しました。
 今思えば、この気づきが大きな転換期となり、それからは複雑に絡んだ問題をていねいにひもとく練習を積み重ねたところ、成績が戻り始めたのです。ようやく解決の糸口がつかめたこの転換期は、入試4か月前のことです。
■呪いが解けた直前期と奇跡
 過去問の点数が急激に伸び始め、「ようやく算数が楽しいと思えるようになったよ」。そう息子が話してくれたのが、入試直前の1月中旬。
 それまでの「ぼくは、勉強が好き」と自分に言い聞かせるように言っていた呪いのような思い込みとは明らかに違い、苦手を克服して「楽しい」と思えるようになったその経験こそが、結果だけで語ることができない、中学受験で得られた宝物のように思います。
 そうして迎えた入試当日。「多分いける」と笑顔で会場から出てきたときは頼もしさすら感じました。本人は今、合格を頂くことができたのは当然のような顔をしていますが、私からすれば「ビビボの少年、慶應に行く」というこの奇跡のストーリーに感動せずにはいられません。
 サピックスの先生方のご指導がなければ、成果を出すことは難しく、今でも無理をしながら「勉強が好き」と言い続けていたと思います。4年間、本当にありがとうございました。

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