受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 筑波大学附属駒場中学校

〝大丈夫〟は最大の強み

M.Mさん お子さんの名前 Kくん

 これまで受験体験記を読むといつも、「いやいや、こんなに素直に取り組む子ではないし」「みんな模範的な子ばかりで、はみ出している息子の参考にはならない」という思いしか、正直言って持てませんでした。そのため、「よし! わが家もがんばるぞ!」とはなれず、息子はこのままで大丈夫なのかと不安が募るばかり。だから、数少ないとは思いますが、わが家のような自由人のお子さまを持ち、悩まれている方に読んでいただけたらと思い、体験記を書きます。
 息子がサピックスに通い始めたのは3年生。小さなころから自由な子だったので、内申点が入る高校受験より、中学受験をしたほうがいいかな?という考えから、中学受験を検討するようになりました。4・5年生では家で勉強を教えることはほぼなく、本人はただ楽しく通う日々。6年生で受験校を決めるころになっても、本人には「ここに行きたい!」という強い思いは芽生えないままで、空いた時間は大好きな読書に明け暮れる毎日が続きました。周りがどんどん受験一色になっていっても、相変わらず、意識も姿勢も変わらない息子に、不安と焦りばかりが募り、「みんなはもう本気になっているよ!」と声をかけると反発。何も言わずに本人に任せると、夜中まで読書。思いつくどんな形をとっても、親が願う受験生への変化はなく、なぜわが子だけこんなに変わらないのだ! といらいらするばかりでした。それと同時に、小学生時代、遊び回っていた自分と、この年でこんなにたくさんの量を勉強し、塾に通う息子を比べ、「かわいそうだなあ、きついだろうなあ」とも感じてしまい、親の私自身がぶれていた気がします。さまざまな思いが交じり合っていました。受験が近づくと、わが家は「塾に楽しく通えていればそれでよし!」と考えることにしました。勉強は大事ですが、本人のバランスや本人らしさをなくしてまでの受験は少し違う気がしたし、受験を終えたその先につながらない気がしたからです。
 そして迎えた受験当日。開成中にも『ハリーポッター』の上巻を持って入っていき、出てきたときには下巻になっていた息子を見て、笑うしかないという感じでした。しかし、終わってみると受験校すべてに合格しました。サピックスは先生たちがドライなイメージがあり、もっと声をかけ、お尻をたたいてほしいと思ったこともありましたが、今思えば、一人ひとりの性格を見て対応してくださっていたのだと思います。大事な模試の前は声をかけ、少したるんでいると活を入れてくださり、受験の前にはリラックスできるお電話も頂きました。本人らしさを大切にしながら育ててくださり、感謝の思いでいっぱいです。楽しく通えていればいい! そう割り切って送った受験の日々。息子はどんなときでも、何を聞いても「大丈夫!」と返してきました。大変な受験に向かっていくなかで、みずから「大丈夫!」と口にできること。それは、最大の強みになるのではないかと今思います。塾でも家でも自分らしさを失わずに過ごせたことが、「大丈夫!」と言えるすべての自信につながったのでしょう。そして、この「大丈夫!」は、これからも本人の力になるように思います。

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