受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 渋谷教育学園渋谷中学校

最後の最後まで

M.Sさん お子さんの名前 Kさん

 4年前――サッカー少年だった長男が、「校庭が広くて自由な進学校がある」と聞き、4年生の秋に文化祭に行ったことがきっかけで、その冬からサピックスに入室。志望校ありきの中学受験で、ただ楽しそうにサピックスに通い、楽しそうに勉強をし、サッカーも続けながら順調に成績を上げ、比較的すんなりと第一志望校に合格しました。中学受験未経験である私たち両親は、これが「中学受験」なんだと、甘く考えていました。
 2月3日午前11時までは。
 娘は新4年生から入室。6年生のときには第一志望が桜蔭中に、第二志望が渋谷渋谷中に決まり、長男と同じように楽しそうにサピックスに通い、楽しそうに勉強をしていました。桜蔭は過去問との相性も良く、模試の判定も良く、先生方にも「いつもどおりにいけば、まず合格できますよ」と言っていただいていました。しかし、渋渋は学校別サピックスオープンの判定が微妙で、過去問を解くたび「受かる気がしない」と言う娘。2日は別の学校に変えようかと何度か話し合いましたが、娘は渋渋をとても気に入っており、「合格可能性の高い1日に合格すればいいんだし、うん、大丈夫」と言います。先生方からも「模試のデータ上、1日と2日両方とも不合格になる確率は9%です」とも。志望順位に関係なく両校とも同じくらい通いたい学校でした。
 2月1日の本番は緊張もせず、いつもどおりにできたとのこと。特に心配はしていませんでした。2日の午後2時、パスワードを入れて開くと、そこにはピンクの画面! しかしあったのは「合格」の代わりに「補欠」の文字。娘と何分固まったでしょうか。そして3日午前11時――渋渋の合格発表に娘の番号はありませんでした。ここで初めて中学受験の怖さや残酷さを知りました。でも、落ち込んではいられません。まだ5日に渋渋の3回目が残っています。
 娘は気丈でした。あこがれていた第一・第二志望合格は、今、目の前にありません。3年間、たくさん勉強しました。苦手な算数からも逃げずにがんばりました。しかし、その努力の結果として、何も目の前にない。それでも、娘は笑顔を見せていました。「大丈夫。私、5日の渋渋に受かるよ」と。でも、まだ12歳。気丈な態度とは裏腹にご飯はほとんど食べられず、夜もほとんど眠れない状態でした。
 5日の渋渋、女子の倍率は10倍を超えます。親である私は、これ以上娘が傷つくのを見たくない、悲しませたくないと、「無理して受験しなくてもいいよね。ご縁を頂いている学校に行こう」などと、弱気発言を連発。ところが、娘は「なんで? 受けるよ。受けなきゃ絶対受からないでしょ。最後までがんばる。ここで終わらせない」と。丸2日ほとんど寝ず食わずでも、凛として入試会場に入っていった娘の背中を私は一生忘れることはないと思います。試験会場から出てきた娘は本当にすがすがしい顔をしていました。
 6日午前11時。娘の番号を見つけた私は歓喜の悲鳴をあげ、娘を抱き締めました。そのあと数分間の記憶はありません。長い1週間でした。親子でとてもたくさんのことを学びました。本当に娘は強かった。結果にくじけず、あきらめず、自分の力を信じ、投げ出さず、前を向いて最後までたたかいました。その自信は3年間の努力に裏付けられたものです。そして、その努力は、楽しい先生方の指導の下、仲間たちと楽しみながら切磋琢磨できるサピックスだったからこそ、継続できたのだと思います。
 この激動の2月2日から6日までは毎日先生とお話をさせていただき、本当にたくさんの力と笑顔をもらいました。先生とのこの時間がなければ、5日の3回目での合格はなかったと思います。私たち親子だけでは乗り越えられないほどの大きな試練でした。
 3年間のご指導と、最後の最後までの精神的なサポートを、本当にありがとうございました。

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