受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2021年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 雙葉中学校

小さな体で勝ち取った大きな合格

S.Tさん お子さんの名前 Rさん

 3月生まれ、学年で最も小さい体、そんな娘の努力が実を結んだ瞬間でした。桜色の画面に「合格おめでとうございます」の文字を見るなり目頭が熱くなりました。受験勉強は過酷なものでしたが、一方でかけがえのない財産を得ることもできました。
 幼児期から断トツに体が小さく、恥ずかしがり屋であった娘は、小学校低学年では友だちの輪に入っていくのがやっとでした。極端に引っ込み思案で周囲から相手にされていないと感じることもあったようです。しかし、一つの目標に向かって努力する格好の機会と考え、中学受験を決意しました。キリスト教の精神を尊重し、早い段階でカトリック校を志望しました。しかし、あこがれの学校は偏差値が高く、途方もない巨大な壁がそびえ立っていると感じました。
 サピックスに入室したのは3年生の夏です。「基礎力トレーニング」には毎日ていねいに取り組み、授業の復習を淡々と継続した娘の成績は、可もなく不可もなくといったところでした。特に国語が不得意で、記述問題では部分点さえ取れないことも日常茶飯事でした。膨大な量の教材を前にさじを投げたい思いでしたが、親が断念することは娘に失礼になると考え、継続を選択しました。結果的に、サピックスの熟考されたカリキュラムを信じて正解だったと思います。
 サピックス生は、クラス昇降に一喜一憂します。上位のクラスになっても勝ち誇らず、油断禁物を心得ること、これに尽きます。相手を打ち負かすことが目的ではなく、ライバルは自分自身。友だちに成績やクラスを尋ねる行為は慎むように教えました。挫折したときには先生からの優しい声かけがあり、娘は大いに安心していました。爆笑する愉快な授業もあり、通塾も楽しいものになったようです。6年生に入って成績は自然に向上しましたが、けっして見栄を張らず、謙遜の姿勢を貫くよう教えました。
 しかし、最後のマンスリーテストでミスを連発し、悔しさのあまり娘は涙しました。本番突入前の精神的ダメージが懸念されましたが、保護者個別面談で先生に相談したところ、「戒めと割り切って好転させる起爆剤にしてください」と激励されました。入試まで一気に駆け上がる契機になったと確信しています。直前期は一点の曇りもない晴れ晴れとした気持ちで過ごせるように夫婦で工夫しました。各教科の先生が数秒ずつコメントした入試応援動画が随喜の涙のごとく娘の心にさらに火をつけました。「グッドラック!」と校舎責任者の先生が親指に力を込めたラストシーンからは、身震いがするほどの勇気を頂戴しました。
 いよいよ迎えた入試当日。試験会場に入っていく娘の後ろ姿はひと回り大きく頼もしくなり、心も一気に膨らんだように見えました。娘の成長を最も感じた瞬間でした。完璧をめざさなくてよい、他人と比べなくてよい、でも、けっして自分をあきらめない、そうした努力が合格に結びつきました。今回の合格を機に、娘がさらに謙虚に自己研鑽を積んでいくことを祈ります。そして、つらい思いをして悩んでいる人がいれば、手を差し向けられる人間になってほしいと、切に願います。受験をサポートして応援してくださったすべての方に、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

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