受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

受験を振り返って

S.Kさん お子さんの名前 Yくん

 毎年、この時期に配布される受験体験記を読みながら、難関校に合格する子どもたちの文章力の高さ、地頭の良さに、ただただ感心するばかりでした。「こういう子たちが合格するんだな、わが家は遠いな」と。
 私の勝手なイメージでは、麻布中をめざすお子さま方は、好奇心旺盛、読書好き、博物館好き、野球やサッカーなどの運動をしながら、塾の勉強もサクッとこなせる天才型でした。しかし、息子は真逆で、知的好奇心ゼロ、本は漫画のみ、博物館興味なし、ゲーム大好き、おまけに反抗期で超生意気な普通男子でした。
 そんな息子が「俺、麻布に行く」と言い出してから合格を頂けるまで、それはそれは長い道のりでした。
 算数が得意だったので、他教科が悪くてもなんとか4教科での偏差値は60超えをキープできていました。しかし、算数だけで逃げ切れるほど受験は甘くありません。6年生になっても息子は好きな算数に逃げてばかりで、他教科の成績を上げる努力をせず、いつも私と衝突してばかりでした。
 受験期で親が子どもに言ってはいけないセリフNo1は「受験なんてやめてしまえ」でしょうか。何度も言いました。親が家にいない間に息子がゲームをしていたとき、わかってはいましたが、知らない振りを演じました。しかし、息子のゲームの時間が増えるだけでした。はらわたが煮えくりかえり、「全落ちしてしまえ」とも言いました。11~12月くらいの出来事です。
 そんななか、11月の麻布中の学校別サピックスオープンで理科の偏差値31を出したときは、さすがに焦ったのでしょう。先生に優先的にやるべき項目を挙げてもらい、毎週チェックしていただくことになりました。苦手な理科に向き合うようになると、基礎が穴だらけであることに息子自身が気づきました。麻布はBタイプといわれていたので基礎を怠っていたのです。「基礎力トレーニング」「コアプラス」、土曜志望校別特訓のテキストは毎日見るようになりました。よく入試本番まで学力が上がるといいますが、最後の2か月で息子の学力は最高に伸びたと感じています。特に冬期講習と正月特訓での伸びはすごかったと思います。実際、2月2日の渋谷渋谷中は極めて厳しい結果になると保護者個別面談のときから何度も言われていたので、あきらめるつもりでいましたが、先生から「学力が上がっているので渋渋でいきましょう」とおっしゃっていただき、結果、両校から合格をいただけました。
 理科の先生、入試直前に授業で教えてくださった問題が麻布で出題されたそうです。先生からの胸熱メッセージは今も大切にしております。
 国語の先生、ずっともがき続けた国語が最後になんとかなったのは先生のおかげです。息子は神先生と呼んでいます。
 算数の先生、ここまで学力を上げてくださっただけでなく、算数オリンピックにも挑戦するくらい、算数が大好きになりました。
 社会の先生、毎回、過去問の記述部分に赤ペンでびっしりヒントや考え方を書いてくださり、ありがとうございました。
 学力だけでなく、精神面でも成長させてくれたサピックスに、心から感謝いたします。

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