受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

最後の神頼み

K.Tさん M.Tさん お子さんの名前 Yくん

 暮れも押し迫り「最後は神頼み」ということで、12月30日に湯島天神に家族で出かけました。合格祈願の絵馬に息子が書いたのは「麻布中・灘中W合格」。灘中は父親の母校で息子も思い入れがあり、麻布中は幼いころからの夢でした。でも、さすがにW合格は厚かましすぎるよね、まぁしょせんお願いだしね、と私たちは思わず笑いつつ、2021年を終えました。
 しかし、神頼みで安心したからか、正月特訓と冬期講習の教材以外には手をつける気配なし。講習でいっぱい勉強したから家では休憩だ!と、読書やピアノで時間を過ごし、一向にエンジンのかからない日々を過ごしました。
 気のゆるみがたたったのか、1月中旬の灘中は、新型コロナの罹患で受験できず、追試受験の手続きを行いました。そのため、スタートが1月20日の市川中、1月22日の渋谷幕張中となり、結果的には2校とも黒星で、家族みな、凍りつきました。慌てて2月の併願校を数校変更し、出願しました。
 そんなときに、ちょうど「さぴあ2月号」がわが家に届き、そのなかの「先輩からのアドバイス」が目にとまりました。「麻布中」の3名の先輩のコメントを息子に見せ、「『基礎力トレーニング』はきちんとこなすこと」「過去問が大事」「答案は書き切る」「直前には苦手単元のSS特訓の教材の復習をした」といったアドバイスが記載されていました。ふと気になったので、「社会の復習やってる?」と聞いたところ、教材は真っ白な状態…。慌てて、すべてやり直し、直前まで繰り返し復習をしました。
 1月30日の灘中の追試験では、苦手の「社会」もなく、楽しんで試験を受けられた、とのことでした。大本命の麻布の入試前日は、勉強はほどほどに、リラックスの意味でも入試応援動画を家族3人で拝見しました。息子の大好きな先生の姿とコメントに、私たちは本当に元気づけられ、よく休めました。
 当日の麻布の入試はすべての力を出し切ったようで、本人も「できたと思う」とのこと。帰宅すると、灘中から追加試験「合格」の通知が届きました。ここまで合格がゼロで、よほど苦しかったのだと思いますが、息子は涙を流して喜んでいました。初めての合格通知に家族全員がほっと安心した一日でした。
 灘中に受かったらチャレンジしていいよ、と出願しておいた筑波大附駒場中を2月3日に受験し(結果はだめでしたが)、午後は麻布中の合格発表に訪れました。掲示板に受験番号を見つけたときは「受かったよ! よかったぁ!」と、家族3人とも涙しました。
 最終的には、ある意味で見事な有言実行で、息子は「麻布中・灘中W合格」をかなえました。灘中への進学も最後まで悩みましたが、ずっと夢だった「麻布」に進学を決めました。
 2週間ほどの時間が数か月にも感じる長さでしたが、やっと中学受験も終わり、湯島天神にも御礼参りをしました。わが家の息子は、①最後の神頼み ②さぴあ最新号 ③入試応援動画の3点と、併願校に落ちても絶対に最後まであきらめない心で乗り切ることができました。

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