受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

長い月日の成長物語

T.Mさん お子さんの名前 Jくん

 サピックスの校舎が徒歩圏にあったことから、3年生4月から通わせました。第一志望の学校は、4年生のときに文化祭を見学したことで、本人は早々に決め込んでいました。しかし、当時は水泳やサッカーを続けており、授業の復習は十分といえず、偏差値も50を前後していました。5年生になり、勉強に力を入れましたが、社会や理科は力をつけていく様子がある一方、算数・国語の成績は一進一退。マンスリーテストは条件の見逃しや計算ミスを繰り返し、家でやり直すと解けるという苦しい状況が続きました。本人は「『ミスの呼吸』一ノ型、二ノ型」などと失敗の種類を表にまとめるなど、めげてはいませんでしたが。
 大きな転機になったのは6年生の夏前。授業が終わると、家が同じ方向の友だちで集結し、しゃべりながら帰ってくるのが通例になっていました。気晴らしになるならと許容していたものの、帰宅は遅れ気味で、当日の復習がほとんどできていません。伸び悩んでいる原因ではないかとやめさせたちょうどそのころ、保護者向けの動画の中で、校舎責任者の先生から「最近校舎の前でたむろして待ち合わせている子どもを見かけますが、早く帰ってやるべきことをやりましょう」とのお達しが。子どもはもとより、親の甘さを痛感させられた出来事でした。それからは、本人も心を新たにして授業当日にがんばって復習を終わらせ、時間を有効に使うようになりました。長い夏期講習と復習の毎日を経て、秋口には成績も浮上し、模試では合格可能性80%以上を続けることができました。
 しかし、12歳のこと、このままでは終わりませんでした。12月上旬のマンスリーテストで突然、偏差値が11、算数は24も下降してしまい、続く第4回合格力判定サピックスオープンも低空飛行。思い返せば、「基礎力トレーニング」もサボり気味、本人にゆるみが生じていました。11月には風邪や学校行事などで授業を4回休んだこともあり、「勉強への集中力」「問題を解く執念」が減退していたようです。
 再び夏休みのときのような一生懸命な日々が始まりました。受験直前に平常クラスが下がるため、不安と緊張が増幅しました。しかし、先生方に叱咤激励していただいたおかげで本人は前を向き、年末年始の講習・特訓に取り組みました。親としても冷静を装い、一日一日の勉強に集中させるように努めました。1月に受験した学校では、成績が通知されるため、現時点の力量がある程度確認できたことは幸運でした。最後の20日間は、親子で相談してあらかじめ1日分ずつクリアフォルダに、未使用のプリントなど4教科の勉強材料を入れ、毎日こなしていきました。最後の土曜志望校別特訓の日は、新型コロナウイルス感染症が拡大する時期だったため、オンライン受講を勧めましたが、本人は「今日はいちばん前の席だから」と、元気よく出かけました。
 長い月日の末、幸いにも本人は受験校すべてから合格を頂くことができました。授業をはじめ、さまざまな場面で本人の成長を後押ししてくださったサピックスの先生方には、感謝のことばしかありません。本当にありがとうございました。

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