受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 栄光学園中学校

スイッチはいつになったら

H.Sさん お子さんの名前 Tくん

 なんとか夢の第一志望の学校から合格を頂き、喜んでいる息子を見ていると、彼にとって長く苦しかった勉強の日々が報われてよかったなあと、私自身もたいへんうれしく思いますが、ここまでの道のりは平たんではありませんでした。今振り返ってみると、5年生のころはなかなか本人の気持ちが勉強に向かず、成績も安定せず、ローラーコースターのようでした。ただ、5年生の1月、新6年生になるタイミングで大好きなサッカーをやめ、土曜志望校別特訓が始まったころから、ようやく受験を意識し始めたように思います。とはいえ、成績も上がったり下がったりは相変わらずで、あるテストで良い成績が取れると、次のテストでは成績ががくっと下がる、ということの繰り返しでした。「テストの結果で一喜一憂しない」と自分に言い聞かせてはいたものの、表情や雰囲気で私の気持ちは子どもには伝わってしまったようです。この点は反省すべきかもしれませんが、想定以上に成績が下がると、こちらの心もそれなりに乱れてしまうので難しかったです。
 6年生になって息子なりに勉強をがんばっていましたが、夏休み明けの6年生後半でもマンスリーテストや合格力判定サピックスオープンでは満足のいく成績は取れず、志望校変更も視野に先生に相談したこともありました。ただ、本人に志望校変更の意思はまったくなく、また、記述系の問題が多い学校の過去問対策を進めたので、マンスリーテストでは点数が取りにくくなっただけだと言い張っていましたので、志望校は変更しないことにしました。そして、土曜志望校別特訓、SS特訓、それから過去問対策をがんばったからか、学校別サピックスオープンでは、これくらいは取りたいと思っていた最低限の成績が取れたので、それを心のよりどころにして、マンスリーテストの成績は忘れることにしました。
 さて、受験生はどこかでスイッチが入るといわれていますが、息子の場合、親から見て明らかにスイッチが入ったのは、入試本番の1週間前くらいからでした。それまでとは違って、何も言われなくても、次から次へと教材や過去問に取り組み、手元にある教材は全部やり切ってしまうような凄みがありました。もう少し早くこのモードに切り替わってもらえれば、親の気苦労も少なかったのになあと思いながら、だけど彼にとってはこのタイミングしかなかったんだろうなと思うようにしました。何がきっかけだったのかわかりませんが、本人のなかで何かがあったんだろうなと思います。このときの息子には必ず合格するという強い意志を感じることができました。中学受験を通して、あのような本気の取り組みを経験できたことは、息子にとって大きな自信になったと思います。サピックスの先生方には最後までご指導いただき、また成績が伸びず苦しんだ日々にも支えていただき、感謝しかありません。前日の激励の電話でも、とても勇気づけられることばを頂き、自信を持って入試に臨めたと思います。本当に、ありがとうございました。

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