受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

彼と私の受験戦争

A.Hさん お子さんの名前 Kくん

 結果は第一志望の開成中合格という望外の結果に終わりましたが、そこに至るまでに、私のなかでは大きな葛藤がありました。
 本人は「東大王」などのテレビ番組が大好きで、受験直前までほぼ毎週見ていましたし、そのようなところから開成をめざしたいと思ったようです。
 サピックスの授業は大好きだったようで、ほとんど休むこともなく、時間になるとみずから家を出て通っていましたが、家に帰ってくると、「疲れた~」と言ってはテレビを見たり、漫画を読んだり。このような態度で開成を受験するのもおこがましいと思ってしまい、怒鳴り合いになることもしばしば、夫にもあきれられるほどでした(サピックスのプリントを毎晩ファイルしている身にもなってほしい…)。本人はそれでもマイペースを崩さず、相変わらずのんびり過ごしているように見えて、私はいらいらさせられる日々でした。
 9月からは志望校判定が出る模試が開始。まあ結果も推して知るべしと思っていましたが、意外にも開成の合格可能性は80%との結果。おやっと思ったのもつかの間、続く学校別の模試では40%…。 やはり。
 私のなかでは、2月1日の受験校をどうするか、本人にいかに開成をあきらめさせるか、が検討課題になりました。過去問も結局10年分解いたのですが、一度も合格者最低点に達せず。
 このような状況でしたが、本人は肝がすわっているのか、「開成を受ける」の一点張り。サピックスの先生方にも背中を押していただいていたようです(ありがとうございました)。
 本人とも話し合い、11月の学校別サピックスオープンで合格可能性60%以上が出なかったら志望校を変えようと、半ば無理矢理に合意させ臨んだ結果、なんと予想外の70%。未練はいろいろありましたが、では開成をめざそうということで私も腹をくくりました。
 私が見ていて、本人の目の色が本当に変わったのは、年が明けて1月に最初の本番の受験を経験してからでしょうか。サピックスの先生方からは散々「朝型に切り替えなさい」と言われていても、いつまでもベッドから起きてこなかった彼が、それ以降はちゃんと目覚まし時計の時間どおりに起きてくるようになりました。やはり、本番の迫力は大事なのですね。
 開成の合格発表の当日は、別の中学を受験しており、発表は本人が最初に見たいとのことでしたので、本人が試験を終わって出てくるまで私も我慢。試験が終わり、彼に携帯を渡すとしばらくじっと見ていて、ああ、やはり難しかったかなぁ、と思っていたら、携帯をぐいっと差し出され、番号があったときには、ふっと力が抜けてしまいました。
 今振り返ると、彼も強い意志でがんばっていたのだと思いますし、サピックスの先生方や関係者の皆さまには勉学はもちろん、精神的にも支えていただいたのだと思います。本当に感謝しかありません。ありがとうございました。
 ちなみに、私の今の悩みは、家の中のサピックスのファイルをどうするか。思い出の詰まったバインダーがたくさんあり、いまだに捨てられずにいる状況です。気持ちを切り替えて、この春休みに整理しようと思っています。

 前の体験記 | 男子校目次に戻る | 次の体験記 

2022年度中学入試
受験体験記
男子校女子校共学校

ページトップ このページTopへ