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最新中学入試情報
進学校 ▶ 開成中学校
合格より大切なもの
D.Hさん ●お子さんの名前 Kくん
2月1日午前4時すぎ。目が覚めると、いつもと違う天井が視界に入ってきた。いよいよ本番か――。身支度を整えてホテルを出ると、まだ薄暗い空の下、約2週間ぶりとなる家路を急いだ。
多くの家庭がそうだったように、今回の受験は新型コロナウイルスといかに向き合うかに頭を悩ませた。受験最終盤では変異型「オミクロン型」が猛威を振るい、周囲でも感染者が出るようになった。
結果はともかく、万全の状態で息子に試験を受けてほしい。そんな思いから1月中旬以降、妻は自宅にほぼこもるようになり、仕事で外出せざるを得ない私は実家とビジネスホテルを渡り歩く生活を強いられた。
いちばん大変だったのは、もちろん息子だろう。2020年春、政府が緊急事態宣言を発出し、小学校は休校、サピックスもオンライン授業へと切り替わった。
当時5年生の息子は、級友らと一緒に勉強したり、遊んだりすることを好むタイプ。それだけに、突如として「1人」になった結果、勉強に身が入らなくなった。振り返れば、この時期がサピックスでの成績が最も悪かった。
そんな息子にやる気を取り戻させ、刺激を与えてくれたのが、ある友人の存在だった。
習い事を通じて出会った彼は、息子にとって常に追う存在だった。ただ息子が運良く大会で良い成績を収めることもあったためか、次第に切磋琢磨する間柄へと変わった。
サピックスには、息子は新3年生の3月から通い始めた。ほどなくして、彼も同じ校舎に入り、すぐに息子と同じクラスに。サピックスから戻った息子に授業内容を尋ねると、口をついて出てくるのは彼の話ばかりだった。
息子の志望校はぎりぎりまで決まらなかった。当初は共学校にしか関心がなかったが、6年生の秋に突如、男子校を第一志望校に据えると言い出した。「もっと上をめざしたら?」という親のことばに一切耳を貸さなかっただけに、内心驚いた。おそらく、友人やサピックスの仲間がその学校をめざすという環境に刺激を受けていたのだろう。学校説明会に直接行ったことが、最終的に息子の背中を押した。
2月1日。受験が終わって校舎を出てきた息子は、うなだれていた。「全然できなかった」「絶対に落ちた」。そう繰り返す彼は、その夜に1人、悔し涙を流していた。
3日午後。最後の試験を終えた息子を妻と待ち、3人で合格発表のサイトを開いた。この2日間、終始上の空だった私と妻。「あった、あった」。破顔一笑の息子。「ほんとにあったの? 不合格者一覧じゃないの」などと毒づく私。だが、受験番号を確認すると、すぐに視界はぼやけてしまった。
その数日後、息子のキッズ携帯にかの友人から1通のメッセージが届いた。「(同じ中学に)受かったよー!!」と。2人が刺激し合う日々は、春以降も続く。
2022年度中学入試 受験体験記 |
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