受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

受験を通して得られたもの

A.Kさん お子さんの名前 Yくん

 「サピックスに行きたくない日はあった?」
 「ううん」
 サピックスの最後の授業を終えた息子は即答しました。私はこの答えを聞き、サピックスに通った3年間が、息子にとって「いい思い出」として残っているだろうことをうれしく思いました。
 2年生から始めた野球をやめるという選択肢は親にも子にもなく、5年生までは土・日は練習や試合で、勉強する時間はまったく取れませんでした。好きな算数と社会は課題に取り組んでいたようですが、国語と理科は…。のちのち、6年生の11月ごろから「とにかく理科で足を引っ張らないようにしよう」と基礎からやり直しをした際、5年生のときのきれいなテキストが大活躍しました。
 6年生11月下旬の大会まで野球との両立を続けました。グラウンドの土を顔につけたまま、急いで着替えて参加した土曜志望校別特訓、満塁ホームランを打たれて気持ちが沈んだまま参加した夏期講習、試合後になんとか間に合う会場を選んで受験したサピックスオープン…。特に6年生の1年間は野球との両立を本当によくがんばったと思います。体力面はもちろん、野球も受験勉強も手を抜かない、あきらめないというメンタル面は、息子の強みかもしれません。「ここまでがんばったことがすばらしい。もう十分に成長したから結果がどうであれ、いいじゃないか」という気持ちが親の私たちにもあったので、最後の最後まで気を楽に、平常心で息子を応援できたのかもしれません。
 第一志望校の合格可能性が安定して高かったわけでもありませんし、年末年始の講習では2日連続でクラス落ちも経験しました。悔しさや焦りをことばにすることはありませんでしたが、帰り道をも使って解き直しをしたり、一日中講習を受けたあとでも机に向かったりと、「いよいよ本気を出したかな」と思わせる行動で、講習最終日は見事、もとのクラスに復帰を果たしていました。
 「試験本番は先発のときよりも緊張しなかったよ」と、最後まで続けた野球は強靭な身体とメンタルをもたらしてくれました。勉強の合間の息抜きにもなっていたのだと思います。長い人生において、あくまでも一時の中学受験ではありますが、目標に向かって邁進する経験は大きな糧となって、その後の人生に影響をもたらすものと思っております。また「目標に向かう」過程で、サピックスにおいて、学ぶモチベーションを途切れさせない先生、そして友だちに出会うことができました。目標に向かってがんばる経験、そして励ましてくれる先生や切磋琢磨できる友人がいることの大きさなど、合格とは別にかけがえのないものを得ることができた受験だったと、今あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

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