受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

不安とやる気の狭間で

S.Iさん お子さんの名前 Hくん

 振り返ってみると、本人のモチベーションに負うところがほとんどで、親もサポートに努めましたが、何が功を奏したのかは不明です。しかしながら、いくつかターニングポイントになった事象を列挙します。
 今振り返ると、夏期講習が天王山でした。参加前は「こんな長時間の授業を毎日受けられるのだろうか」と親としては不安でしたが、いざ始まると帰宅後も寝るまで復習に取り組むくらい一生懸命でした。しかしながら、夏期講習直後のマンスリーテストでは振るわず、先生に「死守せよ」と言われた上位クラスから陥落し、その後の模試の結果は下降線をたどりました。結局、第3回合格力判定サピックスオープンまで志望校の合格可能性が40%を上回ることはありませんでした。
 そのため、親としては息子には量が多すぎるのではないかと、復習はSS特訓に集中するようにアドバイスもしましたが、本人は「どんな問題が出題されるかわからないので山をかけたくない」と、全部はできないまでも、平常授業も土曜志望校別特訓もできるだけ復習していました。そのような調子だったため、試験直前の1か月前くらいは毎日夜12時過ぎまで勉強し、どんなに「早く寝るように」と言っても聞きませんでした。結局、早寝早起きは実践できず、試験本番の日も行きの電車で寝る始末でした。
 一方、その最後の1か月で変化もありました。苦手だった理科・社会において水をザルですくうような状態から頭に入っていない箇所が明確になり、パズルの四隅から少しずつ埋まっていく感触が出てきました。そしてやり切ったと思ったときは1月31日になっていました。また、それまではどんなにモチベーションを上げようとしても「いや、俺勉強嫌いだから」「将来の夢なんてない」とにべもなかった息子が、最後の1週間くらいから「算数っておもしろいな」「サピックスに通えなくなって寂しい」と言うようになりました(それまで受験体験記でそういったせりふを読むと、「そんな人はいない」と言い切っていたのですが)。
 そして最後に受験校戦略を立てるとき、「今回うまくいかなくても附属の高校を受験する。それがうまくいかなければ大学を受験する」と第一志望を曲げませんでした。その第一志望の学校では付き添いの母親に対して「今までありがとう」と一礼して試験会場に向かったそうです。それを聞き、「全力で挑戦する機会は人生にそうは存在しない。これが良い機会だと思って本気でぶつかれば結果は二の次」と思っていた私にとっては、きれいごとかもしれませんが、受験前に目的は達成していたのかもしれません(しかしながら、模試の結果に一喜一憂する自分がいたのも事実です)。
 ということで、わが家の場合は息子のモチベーションと意志の強さが功を奏したのだと思います。
 最後に、こんなわが家を常にサポートしてくださった、低学年のときの先生、対応していただいた受付の方を含むサピックスの先生方には感謝が止まりません。本当にありがとうございました。

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