受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

サピックス、恐るべし

S.Yさん お子さんの名前 Sくん

 親としていちばんつらい思い出は、本番初日に受験した栄東中に不合格となったときでした。試し受験とはいえ、そもそも自信をつけさせるために受験したはずだったからです。これではどこにも受からないのではないかと懸念しました。さっそく、サピックスの先生に相談したところ、「志望校対策をせずに、合格基準点まであと3点までこぎつけた」と励まされ、あまりに前向きなお話に涙が出ました。第一志望校であった慶應普通部では、算数で計算ミスがあり、理科ではスミレについて答えられず、散々な出来で絶望していました。合格発表で息子が受験番号を発見し、まさに青天の霹靂でした。
 サピックス入室は、4年生の夏期講習からでした。それまで別の大手塾に通っていましたが、一向に成績が上がらず、息子も授業がつまらなく、行きたくないと言い始めました。当初、難関校向けというイメーズがあったサピックスには抵抗感がありましたが、入ってみると様相は異なっていました。つまり、しつこいくらいに基礎重視で、入試で問われる一見難しい問題でも、こういうステップを踏めばできるようになるんだという解法へのアプローチが明確に示され、やればできると感じました。
 息子は1日に2時間以上テレビを見ていましたし、質問教室にも行ったことがありません。間違いを直さず、好きな科目しか勉強しようとしませんでした。成績もいまいちを繰り返すことから、そのような精神年齢低めの子には親の関与が必要です。このとき、あきらめが肝心で、成長しない子どもをそのまま受け入れるという苦渋の覚悟が必要でした。つまり、完璧を求めず、だめかもしれないと思いつつ、勉強を続けることにしました。逆に、こういう子は本番でも緊張しないというメリットがありました。
 早朝から日暮れまであるSS特訓には、息子は楽しいと言って通っていましたし、復習もよくやっていました。続く冬期講習や正月特訓は、SS特訓が毎日続く厳しさで、受験のためにここまで必要なのかと疑問に思いました。しかし、この過程により、午後受験や2月1週目の連戦に耐える知力と集中力が培われるのだと理解しました。
 結局、最後まで授業でこまめにノートを取ることができず、「基礎力トレーニング」も毎回満点とはいきませんでした。しかし、入試前日、ここまで七転八倒して共に学んできたことは事実ですし、なんとか志望校の挑戦権を得ることができたということだけで親としては十分でした。あとは息子が自力でがんばってもらうしかありません。親は入試の結果までコントロールできません。
 最後に、私は、勉強期間を通じてサピックスで日々勉強することが将来につながると思っていました。サピックスは中学受験のために通っているのですが、志望校に合格しなければ、すべて無駄になると考えるのはあまりにむなしいです。息子のみならず、親まで含めてアドバイスを頂き、常に前向きに励ましていただいたサピックスの先生方に感謝します。

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