受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 東大寺学園中学校

サピックスでの5年間

H.Sさん お子さんの名前 Sくん

 「よっしゃあ!」
 1月19日、第一志望校の東大寺学園中の合格発表掲示板の前で、長男が叫びました。5年間のがんばりが報われた瞬間でした。だめだったときのことを考えて後ろのほうに行こうとする私の腕を引っ張り、「いちばん前の真ん中で見たい。絶対に受かっている!」と30分以上前からいちばん前で待機していました。合格の可能性が高かったわけではありません。6年生のサピックスオープンでの合格可能性は30~60%で、最後のマンスリーテストに至っては、4教科の平均偏差値は53。それでも長男はまったく動じず、第一志望校の合格を信じていました。この自信はどこからくるのだろう?とあきれることもありましたが、最後にはこの執念が合格を引き寄せたように感じています。
 叫んだ後、私からスマートフォンを取り上げた長男は、すぐにサピックスの先生に電話をして合格を報告しました。4教科すべての先生には本当にていねいに指導していただき、感謝しています。特に過去問の添削は、こちらが驚くほど細かく解説してくださって、恐縮するほどでした。すべての先生がマイペースな長男の性格を把握して、うまく伸ばしてくださいました。わが家の受験勉強はサピックスの教材のみでしたので、合格できたのはその教材と先生方のおかげです。受験したすべての学校に合格することができましたので、サピックスでの5年間を振り返ってみようと思います。
〈2・3年生〉算数は大好きで得意でしたが国語の偏差値は算数より20低く、いつも文章の意味がわからないと嘆いていました。
〈4・5年生〉4年生になると教材も難しくなり、優秀な子がたくさん入室してきたので、4年生のはじめが唯一スランプに陥った時期です。5年生になると、少し落ち着きました。
〈6年生前半〉5月に関東に住む私の父が亡くなり、夏ごろまで復習のチェックなどができませんでした。でも今考えると、半年くらい口うるさい私のチェックがなく、伸び伸びとできたせいで、最後、4か月間のラストスパートをがんばることができたのかもしれません。
〈6年生後半〉SS特訓が開始される9月からは過去問もやらなければならず、いちばん大変な時期でした。それでも絶対に東大寺学園に合格するという本人の強い意志があり、がんばっていました。子どもに勉強させるには、入りたい学校をつくることが、いちばんの近道だと思いました。
 親は勉強面では何もできませんでしたが、やって良かったのは2年生からたくさんの学校の見学に行ったことで、息子が自分の入りたい中学校を見つけられたことです。あとは健康面に気をつけ、特に睡眠時間は8時間以上確保するようにしました。私の職業が臨床心理士ということもあり、メンタルケアにも気を配るつもりでしたが、成績が悪いと不機嫌をあらわにしてしまったり、試験当日も怒ってしまったりで、こちらは反省点ばかりでした。
 最後に、5年間にかかわった先生方、受付の方、警備員さんに感謝をしながら、筆をおきたいと思います。本当にありがとうございました。

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