受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2022年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 筑波大学附属駒場中学校

2月生まれの勝者

A.Iさん お子さんの名前 Rくん

 「またやってる」
 マンスリーテストの自己採点中、算数の1(1)の計算問題で凡ミス。こういうケアレスミスが毎度のようにありました。
 わが息子は2月の早生まれで心の成長が追いついていないせいか、試験の心構えをなかなかわかってくれませんでした。記述問題では短い一文をちょろっと書くのみ。「なんで?」「詳しく教えて」と聞けば答えるのですが、「最初からそう書いて」と言っても、まったく改善の兆しがないまま、6年生の後半を迎えていました。苦手な国語をなんとかしようと個別指導塾に通うことも考えました。しかし、2月生まれの幼い息子の中学受験は学力半分、しつけ半分。半分のしつけは親がしっかりやらなくてはと思い直し、サピックス一本で通すことを決断しました。
 理解できていないわけではない、いつかは良くなるはずという思いを拠りどころに、焦りを隠しながら受験勉強していたある日、クラスメートのプリントを間違えて持ち帰ってきたことがありました。悪いと思いながらも少し拝見させて頂くと、途中の計算式が理路整然と記述されていて、「これが6年生の解答なの!?」と、わが子の稚拙な解答との差に驚愕し、うろたえたこともありました。
 しかし、このときも表面的なものに惑わされることなく、息子が本当に理解できているのか、親の私たちが見極めることに努めました。授業のプリントで息子が間違えた問題は、親も実際に解いて息子の理解レベルを把握する。かなりの時間と労力を費やしましたが、息子がきちんと理解できていると確信することで、心に余裕ができました。また、家での学習は授業の復習だけで、授業で扱わなかった問題にはいっさい手を出しませんでした。サピックスの先生が選んだ問題をやれば大丈夫と、「師匠はサピックスの先生」という思いで、親子一つになって取り組みました。
 特に変化を感じることもなく1月を迎え、初戦の聖光学院中学の帰国生入試を受験しました。理科・社会が得意な息子が、国語・算数の2教科だけで受験するので、良くて結果は五分五分と考えていました。しかし、受験会場から出てきた息子は力強く「手応えあり」と言い、帰宅後の自己採点によると、算数は満点を取れていました。計算問題で凡ミスを繰り返していた息子は、いつの間にか心の成長も遂げていたのです。その後の2校でも「手応えあり」と言い放つ息子は頼もしく、おかげさまで3校とも合格を頂くことができました。
 息子はサピックスの授業を本当に楽しんでいました。行きたくないと言ったことは一度もなく、先生・友人の話もよくしてくれました。受験が終わってからは、LINEグループを作って一緒に遊びに出かけたりしています。そんな仲間と切磋琢磨できたことが息子の心の成長を促してくれたのかなと、振り返っています。先生方、クラスメートの皆さま、3年間、本当にありがとうございました。

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