受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度 中学入試レポート:
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保護者控室の設置に温度差
在校生有志のサポートも復活

保護者の方とはここでお別れ。いよいよ独りで難関に挑みます
(海城中)

間隔を空けてゆったりと座れる、保護者控室となった食堂
(駒場東邦中)

 2月1日からは東京都と神奈川県の一般入試が始まります。まずはいずれも1日に実施した東京都の5校の様子をレポートしましょう。

 一般入試①を実施した海城中では当日の朝、来校前に自宅で検温することを受験生に求めました。集合時刻も受験番号の下1桁が1から3までの受験生は7時20分、4から7までは7時35分といったように3分割し、7時10分の開門前に並ぶことも控えるよう募集要項に記載しました。この要項には集合時と解散時の校内での道順も載っているので、受験生と保護者の方の動きはスムーズでした。なお、保護者控室は今年度も設けられませんでした。

間隔を空けてゆったりと座れる、保護者控室となった食堂(駒場東邦中)

 一方、駒場東邦中では例年と変わらず3か所に控室が用意されていました。中学棟の1階と食堂、体育館が控室として開放され、受験生は試験教室に移動するまで、保護者の方は試験終了まで待機することができました。体育館は広々としていますが、前方には巨大なファンヒーターが4台設置されていて暖かいため、保護者の方は快適に試験終了を待つことができます。また、試験教室の机と食堂のテーブルは前方と左右がアクリル板で仕切られていました。同校の感染対策には随所できめ細かさが感じられました。

建物内に入ると、巨大なサーモグラフィーがお出迎え(鷗友学園女子中)

 第1回入試を行った鷗友学園女子中も、ホールと学習室を控室として開放しました。早めに到着した受験生と保護者の方は、手指消毒と検温を済ませた後、受験生が試験教室に移動するまでそのどちらかで待機できます。受験生の来校のピークは、7時30分ごろからの約20分間。受験生を見送った保護者の方の多くは試験終了まで控室で待機するようです。

握手でわが子を励ます保護者の方。同校の先生が見守ります(雙葉中)

 来校した受験生と保護者の方の動線を2021年度から大幅に変えた雙葉中は、今年度もそれをそのまま踏襲しました。JR四ツ谷駅から徒歩2分ほどの南ゲートより入った受験生と保護者の方は校舎の前でUターンし、講堂を経由して校舎内に入ります。その後、受験生は大勢の先生方に案内されて、廊下に設けられたサーモグラフィーで検温し、玄関ホールで上履きに履き替えて試験教室へ。一方、受験生を見送った保護者の方は南ゲートから退出するのですが、JR四ツ谷駅方面に向かう方が多かったようです。

身も心もほぐれる「リラックス体操」。あとは全力を尽くすだけです
(渋谷教育学園渋谷中)

 第1回入試を実施した渋谷教育学園渋谷中では、在校生のサポートが3年ぶりに復活しました。中2の有志が手を挙げたことがきっかけだったようです。入試担当の先生によると、「彼ら彼女らが受験したときは、在校生のお手伝いがなかったので、どんなことをすればよいかわからなかったはずですが、それでもきびきび動いてくれているので助かります」とのこと。また、同校の入試日の名物といえば、集合時刻の8時30分から始まる「リラックス体操」です。受験生は先生とサポート役の在校生と一緒に体をほぐしてから、試験に臨みました。

問題用紙が配られ始めました。緊張がピークに達する瞬間です(聖光学院中)

 2日に第1回入試を行った神奈川県の聖光学院中では控室が用意されていました。早めに到着した受験生と保護者の方は講堂、食堂、ポアトラホールのいずれかで、受験生が試験教室に移動するまで待機することができます。移動開始は7時20分からで、それ以降に到着した受験生はそのまま試験教室に向かいました。

 やり方は異なるものの、各校でいろいろな配慮がなされたこともあり、受験生たちは試験に集中して取り組めていたようです。

まずインターネットで確認、
来校して再び笑顔に
喜びの表情があふれる
合格発表会場

 中学入試の合格発表にインターネットが活用されるようになったことに伴い、合格発表会場の様子は様変わりしました。かつては校内掲示のみだったため、歓声と悲鳴の両方が上がっていましたが、最近では静かに喜びをかみしめるような表情を見るケースが多くなりました。

 これはインターネット発表を併用する学校が急増したためです。この場合、まずインターネットで合格を確認してから、合格証書や必要書類を受け取るために来校して、掲示板で再確認するケースが増えたようです。これは今や定着しつつあると受け止めてよいでしょう。さらに最近ではインターネットのみで発表する学校も増えてきています。

 今回取材した学校のうち、駒場東邦中・鷗友学園女子中・渋谷教育学園渋谷中・聖光学院中では掲示板とインターネットで同時に発表されました。女子学院中のみ時差があり、まず11時にインターネットで、続いて13時に掲示板で行われました。

 この発表方法に加えて、中学入試のもう一つの特徴といえるのが、合格発表までの時間が短いこと。ほとんどの学校では入試当日か翌日に発表されており、今回取材した5校はすべて入試翌日に発表されました。

幕が開くと、そこには夢にまで見た受験番号が
(渋谷教育学園渋谷中)

合格証書や必要書類の受け取りはこちらで
(鷗友学園女子中)

受験番号は大切な思い出の番号になるでしょう
(女子学院中)

「合格」という朗報、まず誰に伝えるのでしょうか
(聖光学院中)

春からは毎日、この門を通ります。その前で合格証書を胸に記念の1枚
(駒場東邦中)

2023年度 中学入試レポート:
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2023年度
中学入試特集目次
2023年度中学入試特集

首都圏2023年度中学入試レポート緊急分析 2023年度首都圏中学入試の動向

関西圏2023年度中学入試レポート緊急分析 2023年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2023年度入試結果DATA一覧

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