受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

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最新中学入試情報

2023年度 中学入試レポート:
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1月14日から関西2府4県の入試が開始
冷たい雨のなか、熱い思いで試験に挑む

西大和学園では、同校の卒業生たちが校舎前で検温を実施。学校の敷地が広いため、混雑することはありませんでした 新型コロナウイルスによる影響が続くなかで行われた、関西2府4県の中学入試。各学校の感染予防対策により滞りなく実施され、サピックス生もこれまで勉強してきた成果を発揮しました。ここでは、兵庫県の甲陽学院、神戸女学院、大阪府の四天王寺、奈良県の西大和学園、東大寺学園の5校の入試当日の様子と、甲陽学院、四天王寺の合格発表の模様を紹介します。

早めに到着した受験生に配慮し
予定時刻を繰り上げて開門する学校も

 手指の消毒、マスクの着用、列の間隔を空けて並ぶ―こうした感染対策もすっかり定着した2023年度の中学入試会場。ただし、今回の関西2府4県の入試は、新型コロナ以前の入試の環境に少しずつ戻しつつ、感染症対策に工夫を凝らした学校が増えたように感じます。

1月14日はあいにくの雨。甲陽学院の受験生は、最寄り駅の「香櫨園(こうろえん)」駅から、夙川沿いの遊歩道や閑静な住宅街を通って学校へ向かいます

 今年度の統一入試解禁日は1月14日です。甲陽学院は例年どおり、14日と15日の2日間にわたって筆答考査を実施しました。初日の集合時刻は8時15分でしたが、開門時刻の7時から受験生と保護者の姿が見え始めました。到着のピークは7時35分から55分ごろ。校舎に入って右側の体育館が集合場所となり、受験生が続々と集まります。保護者が同行できるのはこの体育館前までです。

 神戸女学院は14日に筆記試験を行い、日曜を挟んで16日に体育実技を実施します。初日は雨天により、開門時刻が早まり、8時少し前から入場できました。同キャンパス内にある、神戸女学院大学も大学入学共通テストの会場となっているため、正門前の道は左右に分けられ、右側が中学入試、左側が大学入学共通テストの入り口となっています。例年は8時30分ごろになると混雑しますが、今年は早めに開門したため、人の流れもスムーズでした。

四天王寺では、構内に入れるのは受験生のみ。来校ピーク時の校門付近では、わが子を励ます保護者の姿が多く見られました

 同様に、14日に入試を行ったのは大阪府の四天王寺です。同校の校舎は、聖徳太子が建立した和宗総本山・四天王寺の境内の一角にあります。開門は予定より10分早い7時50分。ここから構内に入れるのは受験生のみです。

 奈良県の西大和学園は、解禁日2日目の15日午後に本校入試を実施しました。JR大和路線と近鉄生駒線が乗り入れる王寺駅から徒歩約18分ですが、バスも利用可能です。試験開始時刻30分前の14時30分が来校のピークでした。なお、本校のほかに、奈良市内にも試験会場が設けられています。

 16日には、奈良県の東大寺学園が入試を行いました。同校は、2023年度入試を最後に、高校からの生徒募集を停止するため、2021年度から中学校の募集定員を176名から200名に増員しています。集合時刻は9時40分。その時間に合わせて、最寄りの高の原駅から、無料の臨時バスを8時20分~9時20分の間に運行しています。感染対策のため、バスは1台あたりの乗客数を50名に絞りました。

神戸女学院の正門前の通路は左右に分けられ、右側に中学入試の受付が設けられています。受付では検温と手指の消毒を行い、教室内でも机の消毒や換気などが実施されました

東大寺学園の受験生たちは、入場口で保護者と別れて、試験教室のある校舎に向かいます。校舎の手前にはテントが設置され、サーマルカメラによる検温が行われました

案内役や試験監督補助として
在校生や卒業生が活躍

 校舎に入ってからの受験生や保護者の動きは、学校によって異なります。

 甲陽学院では、受験生は体育館で出欠確認や諸注意の説明がされた後、8時30分過ぎに試験教室のある東校舎へ、渡り廊下を通って移動します。保護者は、校門から入って左側の講堂を控室として利用できます。

 神戸女学院の集合時刻は8時45分です。2021年度と2023年度は密を避けるため、到着した受験生はそのまま試験教室に向かいましたが、今年度は新型コロナの流行前と同じく、受験生は保護者と共に講堂で待機しました。保護者は受験生と別れた後も、そのまま講堂を控室として利用できます。また、今年度は社交館(食堂)も試験終了まで開放されたため、そこで受験生を待つ保護者の姿も見られたようです。

四天王寺では試験教室の定員を25名に減員し、試験の休み時間ごとに換気を実施。受験生たちはノートやテキストを眺めながら集中力を高めます

今年度も特別教室棟「圓融館(えんゆうかん)」ではなく、体育館を保護者控室とした東大寺学園。利用者の連絡先を記入する用紙も準備しています

 四天王寺では、受験生はグラウンドの手前で配っている「試験場の案内図」を受け取り、集合時刻の8時30分までに試験教室に入ります。教室では、1年前に入試を経験した中1生が、教室の換気や問題・解答用紙の配布をするなど、試験監督の教員をサポート。このように、入試を手伝う生徒の姿も3年ぶりに見られました。保護者の待機場所は例年どおり、講堂「和光館」です。天王寺駅から徒歩で約10分という立地の良さから、講堂では待たずに、駅前のショッピングセンターなどで待機する保護者もいたようです。

 西大和学園の本校入試では、1200名以上の受験生が訪れます。しかし、敷地が広いため、さほど混雑はしません。昨年度と同様に、約50名の在校生と卒業生が、案内係や試験監督補助として活躍する姿も見られました。受験生と保護者が一緒に待機できる控室も用意されていましたが、ほとんどの受験生は、到着後、そのまま試験教室へと向かっていたようです。保護者控室は体育館と武道場の2か所で、体育館では15時から、武道場では16時から、岡田清弘学園長による入試に関する説明会が行われました。合格発表や追加合格の有無、入学手続きなどについての詳しい説明があり、保護者は熱心に聞いていました。

今年度も特別教室棟「圓融館(えんゆうかん)」ではなく、体育館を保護者控室とした東大寺学園。利用者の連絡先を記入する用紙も準備しています

 東大寺学園の入室開始時刻は例年と同様に、20分繰り上がり8時40分でした。早めに到着した受験生と保護者は、入場口付近かグラウンドで待機します。校舎に入れるのは受験生のみ。保護者控室として体育館が開放されましたが、3科受験生は14時、4科受験生は15時10分と午後まで試験が続くため、半数の保護者は一度外出し、終了時刻に戻ってきていたようです。

2023年度 中学入試レポート:
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2023年度
中学入試特集目次
2023年度中学入試特集

首都圏2023年度中学入試レポート緊急分析 2023年度首都圏中学入試の動向

関西圏2023年度中学入試レポート緊急分析 2023年度関西圏中学入試の動向
速報 主要校の2023年度入試結果DATA一覧

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