- Top
- 学校紹介/入試情報
- 2023年度中学入試特集:最新中学入試情報
- 関西圏
- 緊急分析 2023年度首都圏中学入試の動向
最新中学入試情報
- 緊急分析 2023年度関西圏中学入試の動向:
- 1|2
2023年度中学入試特集/緊急分析関西圏
初日午前の応募率はおおむね好調
最難関校にチャレンジする受験生が増加
2023年度の関西圏中学入試が一段落しました。昨年度は最難関校で応募者数の減少が目立ち、そのことに対して昨年度のこの記事では「最難関校の応募者数減少は一過性のものとしてとらえたほうがよく、次年度は『今がチャンス』と思ってチャレンジする受験生が増える可能性がある」と述べましたが、実際はどうだったのでしょうか。
少子化が進むなかでも
受験の“熱”は冷めず
最初に、関西2府4県(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県。以下「関西圏」)の受験概況です。文部科学省の2022年度学校基本調査によると、関西圏全体の小6児童数は17万2644名でした。昨年度と比べて717名、0.4%の減少で、ほぼ同水準でした。
2023年度の関西圏の入試ですが、統一入試解禁日午前の応募者数は1万7918名(速報値)で、昨年度よりも1.9%増加しました。その結果、関西圏の小6児童数全体に対する初日午前の応募者数の割合(以下、「応募率」)は昨年度よりもわずかに上がり、10.4%となりました。全日程の総応募者数は6万3498名(速報値)で、こちらも昨年度と比べて1.8%の増加となっています。関西圏では近年、少子化が進んでいますが、中学受験の“熱”はまったく冷めていないことがわかります。
図表1 関西2府4県の小学校在籍者数と解禁日午前の応募率の推移
最難関校の大半で応募者数が増加
昨年度減少した反動か
ここからは各校の動向を見ていきます。まずは、最難関校グループ「トップ9」(灘・甲陽学院・神戸女学院・大阪星光学院・四天王寺・東大寺学園・西大和学園・洛南高等学校附属・洛星)についてです。過去10年間の応募者数の推移は、図表2のとおりです。昨年度の入試では軒並み応募者を減らした「トップ9」ですが、予想どおり、この現象は一過性のものであったようです。2023年度はほとんどの学校で昨年度よりも応募者を増やし、例年の水準に戻しています。特に、灘は745名で、昨年度に比べて14.3%の増加でした。コロナ禍で一時期減少した他地域からの受験生が再び増加してきていることもありますが、関西圏からの受験生が10%以上増加したことも合わさって、2020年度に続く過去2番目に多い応募者数となりました。灘だけではなく、甲陽学院・大阪星光学院・東大寺学園の応募者も増加しており、今年度は男子受験生に強気受験の傾向が見られました。
次に女子についてです。神戸女学院は、昨年度は応募者を大きく減らしましたが、今年度は例年の水準に戻しました。西大和学園も、男子の応募者を減らしましたが、女子については昨年度の人数を上回りました。また、洛南高等学校附属は、直近の3年間で男子の応募者数には変動が目立ちますが、女子の応募者数は安定しています。この3校については、女子受験生からの人気を安定して集めているといえるでしょう。四天王寺は、全体の応募者数こそ昨年度の減少からやや戻しましたが、医志コースの応募者を大きく減らしていることが気になります。今後の動向に注意が必要です。
図表2 トップ9(最難関校グループ)の直近10年間の応募者数の推移
(人)

高槻は再び人気が上昇
須磨学園と夙川は応募者減
図表3 難関校の直近3年間の応募者数推移(全日程合計)

次に、「トップ9」に続く難関進学校を見ていきましょう。図表3に示したのは、最難関校に続く、難関校グループ6校の直近3年間の応募者数推移です。高槻は、2017年の共学化以降、応募者を大幅に増やしました。近年はその人気上昇もようやく一段落したとみられていましたが、2023年度は再び応募者が大幅に増加しました。従来は、「トップ9」の学校を受験した生徒の併願先として選ばれることも多かった同校ですが、最近は「トップ9」の学校よりも、高槻のほうが志望順位が高いというケースもみられるようになってきています。先ほど紹介した四天王寺の医志コースの応募者減や西大和学園の男子の応募者減は、高槻の人気のあおりを受けたと考えることもできるでしょう。
須磨学園と夙川は昨年度に引き続き、応募者を減らしました。2021年度に応募者が大幅に増えて激戦となった両校ですが、2022年度も、応募者を減らしたとはいえ激戦であることに変わりはありませんでした。今年度のさらなる応募者減少は、受験生にこれ以上の難化を敬遠する意識がはたらいたためと考えられます。逆に、近年、応募者数が減少傾向にあった六甲学院と帝塚山は、今年度は大きく応募者を増やしました。清風南海は引き続き、応募者数が減少傾向にあることが気がかりです。
開明は応募者が大幅に増加
神戸大学附属の日程変更の影響は?
図表4 有力進学校の直近3年間の応募者数推移(全日程合計)

図表4には、さらにそれに続く有力進学校の状況をまとめました。この学校群のなかでは、開明の応募者増がひときわ目につきます。近年の大学合格実績が評価されたことも要因の一つでしょうが、今年度から複数回受験した場合の優遇措置が導入されたことも大きく作用した可能性があります。近年では、複数回受験をした際の優遇措置を設定する学校が少しずつ増えてきているので、要注意です。
国立の神戸大学附属も見ておきましょう。今年度は、従来よりも入試日程を1日後ろにずらし、統一入試解禁日から5日目の午後になりました。これまでとは異なり、神戸女学院や東大寺学園の合格発表よりも後になったことで、出願はしていても実際には受験をしないケースが多くなっています。一般適性検査の応募者数は963名で昨年度に比べて20%以上増加しましたが、受験者数は617名で昨年度とほぼ同数でした。
- 緊急分析 2023年度関西圏中学入試の動向:
- 1|2
2023年度 中学入試特集目次 |
◎2023年度中学入試特集 ◎首都圏:2023年度中学入試レポート|緊急分析 2023年度首都圏中学入試の動向 ◎関西圏:2023年度中学入試レポート|緊急分析 2023年度関西圏中学入試の動向 |
---|
◎学校関連リンク◎
◎人気コンテンツ◎