受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「20年12月号」より転載/20年11月公開)

母校再訪

共立女子中学高等学校

落合 梨乃さん(2016年卒業)

生徒一人ひとりの個性を大事にする校風
さまざまな出会いが、夢への扉を開く

 1886年に34人の先覚者によって、共同で創立されたことに名前の由来を持つ共立女子中学高等学校。その名のとおり、複数の異なる意見や多様な価値観を大切にしており、「東京一出会いの多い女子校」として、個性豊かな生徒たちの育成に取り組んできました。共立女子から羽ばたいた生徒たちは、さまざまな業界で活躍しています。美術大学の大学院で学ぶかたわら、アーティストとしても活動する落合梨乃さんに、中高6年間の思い出を語ってもらいました。

優しい同級生と先生に囲まれ
アーティストとして着実に成長

落合 梨乃さん武蔵野美術大学大学院造形研究科1年大学院で学ぶかたわら、外部のグループ展などにも精力的に作品を出展しています。「ひたすらに筆を動かし描いている時間が、このうえなく幸せ」だそうです。

―共立女子を志望した理由と、入学後の印象を教えてください。

落合 実は、共立女子を実際に訪れたのは、入試当日が最初です。校舎がとてもきれいで広々としており、初めてでしたが、直感的に「この学校に入りたいな」と感じました。どちらかというと独りの時間を大切にしたい性格ということもあり、入学直後は、クラスになじめるのか不安でしたが、同級生が適度な距離感を保ちながら、明るく接してくれたおかげで、とても快適な学校生活を送ることができました。「お互いの価値観を大事にしよう」という考えが、学校に根づいていると感じましたね。

―印象的な行事はありますか。

落合 美術部として参加した、高2の文化祭です。教室全体を使って、『ガリバー旅行記』の世界を立体と平面で表現しました。中高合同での制作なので、30人ほどで和気あいあいと作りましたね。

―苦労したことはありますか。

落合 最上級生として、みんなのアイデアをまとめるのが、とにかく難しいと感じました。スペースや時間的な問題など、さまざまな要素を踏まえたうえで、クオリティーの高いものを作らなければなりません。大変でしたが、みんなで一つの作品を作り上げるのは楽しく、良い経験となりました。

―創作活動が本当に好きなのですね。美術大学をめざしたいと思ったのは、いつごろからでしょうか。

落合 高1のころからです。美術を教えていただいた中城芳裕先生に誘われて、外部の展覧会に作品を出展したのが、大きなきっかけとなったように思います。作品をたくさんの方に見ていただいたことに加え、美術を愛する方々との会話もとても楽しいものでした。展覧会にもっと出展したい、もっとこの空間にいたいと感じたのを覚えています。

落合さんの恩師で、現在は中学教頭である中城芳裕先生と。この日も、絵を描くことの楽しさや、著名な画家の話などで盛り上がりました

―美術大学の受験に向けて、学校のフォローはありましたか。

落合 自己推薦で受験したのですが、小論文の添削と面接練習では、先生方に本当に助けていただきました。小論文は、「自分の絵について」をテーマに執筆。当時は、自分の絵のことを深く考察した経験がなく、いつも感じるままに描いていたので苦労しました。担任の先生と一緒に、わたしの絵について話し合いながら、繰り返し修正をして完成させました。一方の面接は、わたしにとって最大の壁といえるもの。自分の思いをことばで表現するのが得意ではなかったので、きちんと話せるのかとても不安でした。先生方と何度も練習をして、面接に臨みましたね。ただ、そんな不安とは裏腹に、実際の面接では、面接官の先生方と共立女子の話で盛り上がり、あっという間に終わってしまったので、少し拍子抜けしました。

絵を描くのが楽しくなる
「実演」を重視した美術の授業

―中高の6年間で、印象に残った授業はありますか。

落合 やはり、美術の授業です。特に、中2の美術館見学が深く印象に残っています。当時のわたしは、絵を描くのは好きでしたが、見ることにはあまり興味がありませんでした。美術館見学では、学校から徒歩8分ほどの東京国立近代美術館を訪問。そのときは、ジャクソン・ポロックという、アクション・ペインティングで名高い画家の特別展が開催されていました。彼の絵を見た瞬間、とてつもない衝撃を受けたのを覚えています。見ることには興味がないと思っていたのに、強く心がひかれたのです。この美術館見学の後から、美術館に月1〜2回は行くようになりました。

―美術の授業が、美術鑑賞を好きになるきっかけになったのですね。美術の授業には、ほかにどのような特徴がありましたか。

落合 共立女子の美術の授業は、「実演」に力を入れているのが特徴だと思います。普通の美術の授業は、先生に課題を与えられて、生徒は独りで黙々と絵を描くことが多いですよね。しかし、共立女子では、どのように筆を動かせば立体感が出るのかなどを、先生が実際に描いて見せてくれます。絵画では、料理と同じように、手順や筆の動かし方も重要な要素。中城先生は、画家としても活躍されていますから、毎回の授業で、たくさんの気づきを得ることができました。

 また、絵が得意ではない子も、手順どおりに描けば一定以上のレベルに仕上げることができるので、自信につながったようです。先生方は、最低限の技術があれば、絵を描くのがもっと楽しくなるのだと、わたしたちに教えてくださいました。

―実演授業が、アーティストとして成長するきっかけになったのでしょうか。

落合 はい。実は入学当初、自分には絵の才能がないと思っていました。美術大学をめざす人が集まる予備校でも、デッサンの成績はいちばん下からのスタートだったほどです。しかし、中城先生との出会いや、美術の授業を通して、高2の夏休み以降は、先生方にトップの美術大学を受験するよう勧められるレベルにまで到達することができました。「東京一出会いの多い女子校」といわれるとおり、共立女子での出会いが、アーティストへの道を開くことにつながったと思います。

―将来は、どのようなアーティストになりたいと考えていますか。

落合 まずは、絵を描き続けることが目標です。実力主義の厳しい世界なので、途中でアーティストの道をあきらめてしまう人も少なくありません。そんななかでも、絵を描くことを楽しんでいきたいですね。技術的にはもちろん、作風もまだ子どもっぽいところがあると思うので、もっと成長したいと思います。

―ちなみに、尊敬している画家はいますか。

落合さんの作品「リトグラフ2020創世」。影のある繊細な画風が、見る人をひきつけます

落合 好きな画家はサンドロ・ボッティチェリですが、あこがれは、中城先生です!とても繊細な画風で、作品がプリントされたはがきを何枚も買うくらい、大好きな画家です。いつか先生のように、多くの人をひきつける絵を描きたいですね。

―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

落合 自分がやりたいことを、やりたいようにできるのは今だけ。さまざまなことに、精いっぱい取り組んでほしいと思います。ただ、勉強だけが人生のすべてではないので、時には息抜きもしてほしいですね。あらゆることが人生の学びにつながると思っていますので、興味があることには、積極的に挑戦してください。そして共立女子で、自分なりの楽しみや、目標に出合ってもらえればうれしく思います。受験まであと少し、皆さん、がんばってください!

《学校のプロフィール》

共立女子中学高等学校

所在地 〒101-8433 東京都千代田区一ツ橋2-2-1

     東京メトロ半蔵門線ほか「神保町」駅より徒歩3分、東京メトロ東西線「竹橋」駅より徒歩5分、JR「水道橋」「御茶ノ水」駅より徒歩15分

TEL 03-3237-2744
H P www.kyoritsu-wu.ac.jp/chukou 別ウィンドウが開きます。

《Information》

入学試験
  2/1入試(4科型)
‌  2/2入試(4科型)
‌  2/3インタラクティブ入試(AM)(英語インタラクティブ+算数)
  ‌2/3合科型入試(PM)(合科型+算数)
※‌‌今年度の変更点
  ・‌4科型の社会・理科は合わせて50分・各50点に変更します。
  ・‌2/3合科型の面接(グループワーク)は行いません。
  ・英語インタラクティブトライアルは、1グループの人数を3~4人程度に減らします。

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