受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「22年4月号」より転載/22年3月公開)

母校再訪

暁星中学校・高等学校

稲毛 瑛右さん(2021年卒業)
清水 健司さん(2021年卒業)
風間 大徳さん(2021年卒業)

生徒一人ひとりを大切にする校風
「もう一つの家」のような居心地の良さ

 暁星中学校・高等学校は、1888年に設立されたカトリック系の男子校です。キリスト教の理念に基づき、他者を愛し、尊重できる人間を育成しています。また、英語だけではなくフランス語も必修科目となっており、多言語・多文化主義の教育を通して、生徒の視野を広げています。学びの内容や学校生活の様子について、同校を卒業した3人の先輩に語ってもらいました。

中学では必修科目であるフランス語
文法の基本を身につける

稲毛 瑛右さん東京大学教養学部1年暁星での学びは、卒業しても役に立つものばかり。高2からは文理に分かれ、ぼくは理系を選びましたが、文系科目を通じて深い教養を身につけられました

―暁星をひと言で表すと、どのような学校でしょうか。

清水 「自由」な学校ですね。厳しい校則もなく、先生方は生徒の自主性を尊重してくださいます。先生と生徒との間の風通しも良く、意見があれば積極的に主張することができます。

稲毛 ぼくは「アットホーム」な学校だと思います。生徒同士の仲が良く、過ごしやすい環境でした。

風間 2人の印象と似ていますが、ひと言で表すと「リラックス」できる学校。悩み事があれば、すぐに先生に相談できます。特に不安もなく、学校生活を伸び伸びと送ることができました。

―学習面で印象に残っていることはありますか。

清水 先生方の手厚いサポートですね。わからないことがあれば、学校で習ったことだけではなく、塾で習ったことでも気軽に質問できました。

稲毛 同感です。生徒一人ひとりを本当によく見てくださっていたなと思います。暁星では、長期休暇中に希望者を対象としたさまざまな講習が行われるのですが、あるとき、先生に「稲毛、漢文の講習は必要か?」と聞かれて、「はい」と答えると、漢文の講座を開設してくださったのです。先生方は生徒の希望に沿って、臨機応変に対応してくださいます。

―暁星の学びといえば、フランス語の授業があるのが特徴的です。受けた感想はいかがでしたか。

清水 フランス語は中学では必修、高校からは選択となります。英語と違い、まったく学んだことのない言語だったので、毎回新鮮な気持ちで授業を受けていました。

風間 テストも多く大変でした。英語だけでも苦労するのにと思ったものです(笑)。でも、おかげでフランス語の基本的な文法を身につけることができました。授業でフランスの国歌をみんなで歌ったのも楽しかったですね。

行事、クラブ、生徒会…
暁星での活動が人生の糧に

清水 健司さん慶應義塾大学商学部1年中1から入部した音楽部ではコンサートマスターを、中2から入部した合唱部では部長を務めました。勉強との両立は大変でしたが、時間の効率的な使い方を学ぶことができました

―学校生活で思い出に残っている行事はありますか。

風間 ぼくは高2のときに、エトワール祭(文化祭)実行委員会の企画管理課として活動したことが思い出深いです。企画管理課の仕事は、生徒たちの企画がきちんと学校のルールに沿っているか、使ってはいけない機材を用いていないかなどをチェックすること。文化祭の前に必ず各企画の代表と面談し、内容を確認してから出展の許可を出します。たとえば、暁星には壁や床を保護するため、「ガムテープの使用禁止」というルールがあるのですが、使用していないか、当日もきちんと見回りをします。縁の下の力持ちとして、エトワール祭の根幹部分にかかわることができ、やり切ったときには達成感がありました。

稲毛 同じくエトワール祭です。実は、ぼくたち3人はともに音楽部のメンバー。ぼくは部長として、音楽部の企画・管理をしました。

清水 ぼくもエトワール祭です(笑)。音楽部員としては、演奏を披露できる数少ない機会なので、やはり文化祭は外せません。暁星の音楽部ではジャズを演奏するのですが、ぼくはサックス、稲毛はトランペット、風間はピアノ担当として、中1から一緒に活動してきました。ぼくは、高2でバンド全体の指導を行うコンサートマスターも務めました。個性的なメンバーをまとめるのはとても大変でしたが、文化祭で無事に演奏を終えたときは、がんばって本当によかったと思いました。

風間 大徳さん日本歯科大学生命歯学部1年暁星はカトリックの学校なので、ミサが年に何回かあります。「汝の隣人を愛せよ」といった聖書のことばは、思いやりを持って他者と接する指針になったと思います

―そのほか、印象に残っていることはありますか。

稲毛 中3から入った生徒会執行部での活動は、ぼくの人生の糧となっています。なかでも、高2で生徒会行事を主催したことは、大きな経験となりました。授業時間の一部を使って、全校生徒に「暁星らしさとは何か」を問い掛けるアンケートを実施。その結果を、全校集会で発表しました。「先生と生徒の距離が近い」といったポジティブな回答が多数を占め、暁星に対する生徒の愛着の強さがわかりました。

―大学入試では、その活動が役に立ったそうですね。

稲毛 はい。ぼくは東京大学の医学部に、学校推薦型選抜で入学したのですが、面接ではこの生徒会での経験などをもとに、「人と人とのつながりという観点から、高齢者の健康にアプローチしたい」と語りました。その結果、合格をいただき、暁星での活動が評価されたのだなとうれしく感じました。

―大学で学びたいことや、将来の目標を教えてください。

稲毛 今は1年生なので教養学部で学んでいますが、2年生の後期からは医学部に進みます。入試の面接で話したとおり、社会的なつながりから高齢者の健康を支える方法を学びたいと思います。将来の目標はまだ決まっていませんが、研究者か、行政にかかわる仕事をしたいですね。社会をより良くするために、学んだことを活用したいと考えています。

清水 ぼくは商学部に在籍していますが、今後はSDGsについてより深く学びたいと思います。将来はSDGsの目標の一つである、「人や国の不平等をなくそう」の達成につながるような、社会的な分野にかかわりのある会社で働くことが夢です。

風間 ぼくは歯学部で、歯科医師をめざして学んでいます。父も祖父も歯科医師なので、小さいころから彼らの仕事ぶりを間近で見ており、あこがれの職業でした。ただ、大学で講義を受けているうちに研究職にも興味が湧いてきたので、今後どうなるかは未知数です。

―最後に、暁星をめざす受験生にメッセージをお願いします。

6年間、音楽部で共に活動してきた3人。エトワール祭で演奏を披露した講堂は、特に思い出深い場所です

稲毛 暁星は、大きな家族のような学校で、みんなが温かく迎え入れてくれます。自分の人生にプラスとなる、大きな"輪"を手に入れられると思います。

風間 暁星は内部生と中学からの入学生の仲がとにかく良いです!6年間、個性的な仲間たちに囲まれて楽しく過ごすことができます。

清水 受験勉強でとても苦労していると思いますが、大変な思いをした分だけ、青春を心から満喫することができます。あきらめずにがんばってください!

《学校のプロフィール》

暁星中学校・高等学校

所在地 〒102-8133 東京都千代田区富士見1-2-5

     東京メトロ東西線、都営新宿線「九段下」駅より徒歩5分
JR、東京メトロ有楽町線、都営大江戸線ほか「飯田橋」駅より徒歩8分

TEL 03-3262-3291
H P www.gyosei-h.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

https://www.gyosei-h.ed.jp/junior/guidance/

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