母校再訪
(「22年8月号」より転載/22年7月公開)
母校再訪
東京女学館中学校・高等学校
古仲 遥菜さん(2022年卒業)
杉浦 萌香さん(2022年卒業)
「自分たちで決める」学校生活を送り
将来への道を見つけられる6年間
東京女学館中学校・高等学校は、「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」という教育目標を130年以上にわたって受け継いでいます。伝統を守りつつ、世界にも目を向け、一人ひとりが主体的に考えながら、周りと協働して課題を解決していく「インクルーシブ・リーダーシップ」を育む教育を実践しています。今回は、今年の春に卒業した2人に、東京女学館での学校生活を語ってもらいました。
一致団結して盛り上がる行事
修学旅行に代わる貴重な体験も

古仲 遥菜さん慶應義塾大学文学部1年慶應義塾大学の文学部では2年生から専攻に分かれるので、現在は一般教養を総合的に学んでいます。2年生からは西洋史学専攻に進みたいと思っています。
―入学してみて、どんな学校だという印象を持ちましたか。
古仲 おしとやかなイメージで、しっかりしている生徒が多いのですが、ふだんは結構にぎやかだなと思いました。特にわたしたちの学年は、「やるときはやる」というめりはりがついていたので、体育大会などの行事にはみんなで一致団結して臨み、とても盛り上がりました。
杉浦 英語に力を入れている学校だと感じました。授業の時間数やテストも多く、わたしは小学校の授業で学んだだけだったので、最初は単語を覚えるのにも苦労しました。雰囲気としては、にぎやかだったり、静かだったり、いろいろなタイプの生徒がいるので、自分と波長が合う友だちができて、居心地が良かったです。
―中学・高校での委員会活動について教えてください。
古仲 新聞委員会に6年間所属し、中学・高校それぞれで委員長を務めました。委員長のときは記事のテーマを選んだり、レイアウトや校閲を仕切ったりと大変だった思い出がありますが、記事を書くのが楽しくて、やりがいを感じていました。実は校長先生が、わたしが書いた児童虐待の記事について朝礼で話してくださったことがあったのです。「みんなに知ってもらいたい」と力を入れて書いた記事だったので、取り上げてもらえて、とてもうれしかったです。
杉浦 高2では修学旅行委員として活動しました。京都・奈良に3月に行く予定で計画を進めていたのですが、直前に新型コロナの影響で中止になってしまったのです。「行けるかどうかわからない」と覚悟はしていたものの、行けないとなると、本当に残念でなりませんでした。しかし、代替プログラムとして、プロの琵琶演奏を聴いたり、キットを使って和菓子や鏡を作ったりする体験を学校で実施しました。行けるに越したことはないのですが、今までにない特別な経験ができたので、貴重な思い出になりました。
―特に思い出に残っている行事などはありますか。
古仲 中学の合唱大会です。わたしは3年間伴奏を担当し、3年連続で優勝しました。指揮者と相談しながら練習を仕切り、みんなに注意もしなければなりません。「優勝したい」という思いが強かったので、嫌われ役になってでも厳しいことを言いました。でも、優勝したときにみんなが心から喜んでくれたので、「やってよかったな」と思いました。
体育大会で高3が踊る「カドリール」の壁画の前で。体育科の橋本有紀先生と
東京女学館は自主性を尊重していて、良い意味で何でも「生徒任せ」です。中1の合唱大会のとき、担任が音楽の先生だったので、「改善点を教えてください」と尋ねたら、「自分で考えなさい」と言われました(笑)。体育大会や記念祭(文化祭)の運営でも、「ここまで自分たちでやるんだ」と驚きましたが、実践しながら学べる点が多かったのだなと感じます。
杉浦 わたしは中1から高2まで水泳部で活動していました。水泳部は例年、記念祭では体力測定を行っていたのですが、高2のときはコロナ禍での実施となったこともあり、「これまでとは違うものをやりたい」とアイデアを出しました。わたしが考えた「実際にプールで泳いでいる様子を見てもらう」という案が採用され、当日は在校生、高2の保護者、先生方に、練習風景とメドレーリレー、フリーリレーを見学してもらいました。「どうしたらうまくできるか」ということを、一人ひとりが真剣に考え、みんなで意見を出し合って、お互いに足りない部分をアドバイスしながら進めていきました。
高校の授業で学んだことが
進路を選択するきっかけに

杉浦 萌香さん東邦大学理学部1年人体に興味があり、再生医療やiPS細胞を研究したかったので、医療関係の学部もある東邦大学を選びました。理学部生物分子科学科では、進化や遺伝なども学べます。
―中高時代に今の進路に結び付く出来事はありましたか。
古仲 大学での研究テーマにつながったのは、高1の課題研究です。自分で決めたテーマを研究して、小論文を書くのですが、わたしは「児童虐待」を取り上げました。児童虐待から発展させて、暴力について調べていくうちに、大学では西洋史と暴力のつながりを研究したいと思ったのです。わたしは総合型選抜で受験したため、志望理由書にそのように書きました。あの課題研究がなかったら、合格していなかったのではないかと思います。
杉浦 高1のときの倫理の授業が、今の学科を選ぶきっかけとなりました。クローンを取り上げ、「自分と同じ個体をもう一つ作ることは、倫理的に問題があるのではないか」ということを考えるものでした。そのときの話題から、再生医療やiPS細胞に興味を持ち、大学で本格的に研究したいと思ったので、それを学べる環境を探して、東邦大学理学部生物分子科学科を選んだのです。
―お二人は、今年の4月からチューターとして、母校に週に1回来校していますね。在校生からどんな質問や相談を受けているのですか。
高3の1年間を過ごした思い出が詰まった教室。高3の担任の榊原一志先生と
古仲 高校生からは「この大学に合格するためには、どのような勉強をしたらよいか」、中学生からは「勉強のスケジュールを立ててほしい」という相談が多いですね。科目の質問に対しては、学年に応じて、どこまで教えるかをよく考えなくてはいけないのが難しい点だと感じています。現在は対応できる時間が2時間程度なのですが、もっと多くの在校生が利用してくれるといいなと思っています。
杉浦 進路についての悩みや、理科と社会の選択科目をどうしたらよいかという相談を受けました。「経験者に聞きたい」と、在校生が頼りにしてくれているのを感じます。科目選択については、受験する大学によって異なるので、自分がきちんと理解していないといけないのが大変だなと思います。科目の内容の質問に対しても、その科目ごとに的確なアドバイスができるようになりたいと思っています。
―最後に、受験生にメッセージをお願いします。
杉浦 東京女学館では、いろいろな人と分け隔てなくつき合うことができて、楽しい学校生活が送れます。受験勉強は大変だと思いますが、がんばってぜひ入学してください。
古仲 「自分が将来どうなりたいか」が見つけられる学校です。めざしている人には、自分には無理ではないかなどと決めつけることなく、最後までがんばってほしいと思います。
《学校のプロフィール》
東京女学館中学校・高等学校
●所在地 〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-7-16
東京メトロ日比谷線「広尾」駅より徒歩12分
JRほか「渋谷」駅、同「恵比寿」駅よりバス
●TEL 03-3400-0867
●H P www.tjk.jp/mh/
《Information》
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