受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「22年9月号」より転載/22年8月公開)

母校再訪

江戸川女子中学校・高等学校

五十嵐 萌さん(2014年卒業)
都築 瞳水さん(2018年卒業)
福富 愛恵さん(2022年卒業)

仲間と一緒に好きなことを追求
たくさんの経験のなかで成長できる環境

 昨年、創立90周年を迎えた江戸川女子中学校・高等学校。「教養ある堅実な女性」の育成をめざし、「誠実・明朗・喜働」の三つの柱を基本とした教育を行っています。アットホームな雰囲気が魅力の同校で、先輩たちはどんな学校生活を過ごしたのでしょうか。教員として母校に帰ってきた2人と、教員をめざして学ぶ学生、3人の卒業生に、それぞれの思い出や今につながるお話を語ってもらいました。

それぞれの「好きなこと」を
お互いに認め合える雰囲気

五十嵐 萌さん江戸川女子中学校・高等学校 国語科教諭
早稲田大学大学院教育学研究科修了
高校生のとき、いつも先生に背中を押していただきました。母校の教員となった今、わたしもまず生徒を肯定して応援することを心がけ、生徒一人ひとりと向き合っています。

―中高生活で思い出に残っていることを教えてください。

五十嵐 古典や歴史に興味があったわたしは、高1の担任の先生に「歴史が好きなので、京都に住んで同志社大学に行きたい」と言いました。現実的に当時の偏差値ではかなり高望みだったのですが、先生は「おもしろい!」と背中を押してくれました。わたしは「こういう志望理由でもいいんだ」と、とても前向きになれてスイッチが入り、少しずつ成績も上がりました。結局、高2のときに第一志望を変えたのですが、そのときの担任の先生も応援してくれました。どの先生も、生徒の希望を否定せずに応援するという姿勢で、「そのために何をすべきか」をアドバイスしてくれました。

都築 今思い出すと、友だちとの何げない時間がいちばん印象に残っています。休み時間、お弁当の時間、下校時など、おしゃべりするだけで楽しいと思えたのは、あの中高のときだけでした。お互いのことを真剣に考えているからこそ、何でも話し合える関係でした。わたしが勉強に身が入っていなかったとき、「そんなことないよ。大丈夫だよ」と安易に同調するのではなく、「もっとしっかりやらなきゃだめだよ」とはっきり指摘してくれました。信頼できる友だちのことばだからこそ、「本気でやらなくては」という気持ちになれました。

福富 一番の思い出は、中3のときにバトン部で全国大会に出場できたことです。中2で全国に行けなかったときの悔しさを胸に、「1年後、どうしても全国に行きたい」という思いをみんなで共有して練習しました。部長だったので、どのようにみんなの気持ちを上げていくか、全国大会へ行くためにはどういう練習をすればいいのか、真剣に考えました。部員をまとめるのは大変でしたが、みんなも自覚を持ってくれたので、全国大会に向かって結束できました。

都築 瞳水さん江戸川女子中学校・高等学校 国語科教諭
上智大学文学部国文学科卒業
友だちとの何げないおしゃべりが楽しかった江戸女での毎日は、かけがえのない時間でした。みんなが「自分」を持っていて、「相手」を思いやれる友だちだから、居心地の良さは抜群でした。

―卒業して、あらためて感じる母校の魅力を教えてください。

五十嵐 それぞれの"好き"を否定しないところですね。「こんなに"好き"を追求していいんだ」と感じていました。わたしは日本史や古典が好きでしたが、世界史が好きな友だちがいて、世界史のわかりにくい部分をイラスト化して4コマ漫画のように解説してくれたことがありました。絵もうまくて説明もわかりやすく、みんなに好評でした。それぞれの趣味のマニアックな"好き"でも「おもしろいね」と認め合う空気があります。

都築 確かに「否定」がないですね。何げないことを楽しくできる雰囲気があります。みんなが「自分」を持っていて、好きなこと、得意なこと、がんばっていることがあり、お互いに「それ、いいね」と認め合える関係でした。

福富 茶道・華道・筝曲のほか、高1では交響曲第九番の合唱…。たくさんの経験は江戸女ならではだと思います。

都築 第九は今でも歌えますね。

福富 第九はドイツ語で何を歌っているのかわかりませんでしたが、最後は「こんなに歌えるようになった」という達成感がありました。高1で、3泊4日で西湖に行ったときは、勉強・山登り・勉強…を繰り返すスケジュールが最初はしんどかったのですが、終わってみると「結局、楽しかったね」となっていました。大変なことも、友だちと一緒に自分たちで楽しくしていくという雰囲気があると思います。

―中高での経験で、今につながっていることはありますか。

五十嵐 高校生のとき、古典が苦手な後輩が、得意なわたしに「教えてください」と頼ってきたことがありました。わたしなりにプリントを作って教えると、わかりやすかったようで、「古典は先輩に教わりたい!」と、とても喜んでくれました。そのとき、自分は意外と教えるのが上手なのかなと思ったことが、教員をめざしたきっかけとなりました。

都築 わたしはもともと教員をめざしていたのですが、中学・高校時代の友だちもそれぞれ夢を持っていました。彼女たちから刺激を受けて、「自分もがんばろう」という思いが強くなりました。医師をめざしている人、農業が好きで農業大学へ進んだ人、理系の大学院へ進んで研究している人もいます。みんなやりたいことを貫いています。

福富 バトン部の部長として、大人数の前で指示を出すときなどは、自分の考えとともに、指示される側の気持ちも考えてから伝えることを心がけました。これが「相手の立場からも物事を考え、寄り添える教員になりたい」と思ったきっかけにつながっています。

生徒一人ひとりをしっかり見ている教員
生徒のためにずっと勉強を続けていく

福富 愛恵さん千葉大学教育学部1年バトン部で全国大会に出場できたことが一番の思い出です。「あんなにがんばれたから、何があってもがんばれる」と今も思います。部長としての経験から学んだ、受け取る側の気持ちを考えた伝え方は、教員をめざすうえでも大切にしています。

―五十嵐先生と都築先生は、母校の教員になってあらためて感じたことはありますか。

五十嵐 在学中に思っていたよりも、先生たちは生徒一人ひとりのことをしっかり見ているということを実感しました。在学中のわたしは目立たない生徒だったので、教育実習のとき、「先生たちはわたしのことを覚えていないだろう」と思っていたのですが、国語科の先生は「五十嵐さん、古典が得意だったよね」と声をかけてくれました。わたしも今、クラスの生徒一人ひとりの性格や得意・不得意などを把握するように心がけています。

都築 教員になってまだ数か月ですが、先生たちは生徒のためにたくさんの準備をしていることを知り、驚いています。ベテランの先生であれば、あまり準備していなくてもうまく授業ができるのではないかと思っていたのですが、どんな先生でも入念に準備や研究を重ねています。先生たちの机にはいろいろな本が並んでいたり、資料にはたくさん書き込みがされていたりします。先生に「完成」はなくて、ずっと勉強なのだと、あらためて気づきました。

―福富さんは大学で何を専攻していますか。

福富 教育学部の特別支援教育コースで学び、特別支援学校教論と小学校教諭の免許の取得をめざしています。通常の学級でも手助けを必要とする児童がいるので、そのような児童の手助けもできるように学んでいます。今学んでいることは、特別支援学校でも小学校でも生かされることが多いと思います。

―江戸川女子をめざす受験生へメッセージをお願いします。

五十嵐 江戸女には、自分の好きなことや得意なことを見つけて続けていくことができ、一生の仲間を得られる環境が整っています。入学したら、「自分はこれを成し遂げる」ということを決めて、全力で取り組んでほしいと思います。

都築 勉強も部活も友だちとの時間も、充実の6年間が待っています。前向きな気持ちで、自分の夢をかなえてください。

福富 友だちと一緒に、多くのことに楽しく挑戦できる学校です。江戸女で、ぜひいろいろな経験をしてほしいと思います。

《学校のプロフィール》

江戸川女子中学校・高等学校

所在地 〒133-8552 東京都江戸川区東小岩5-22-1
JR総武線「小岩」駅より徒歩10分、
京成線「江戸川」駅より徒歩15分

TEL 03-3659-1241
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《Information》

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https://www.edojo.jp/exam/event/index.html

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