受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「22年9月号」より転載/22年8月公開)

母校再訪

吉祥女子中学・高等学校

末永 晴菜さん(2022年卒業)
吉野 ひかりさん(2022年卒業)

個性豊かな生徒たちが、伸び伸びと
勉強に部活に行事に打ち込む6年間

 吉祥女子中学・高等学校は、「社会に貢献する自立した女性の育成」を建学の精神に掲げ、「知的探究心を育む」「言葉と行動に責任を持つ」「互いの価値感を尊重する」ことを校是としながら、グローバル社会に対応し、人間力を育む教育を実践しています。吉祥女子での学びや学校生活について、この春、東京大学に進学した二人の卒業生に振り返ってもらいました。

個性豊かな生徒たちが
仲良く部活や行事に取り組む

末永 晴菜さん東京大学 理科二類1年今も中高時代のように、いろいろなことを議論できる友だちがいて、充実した毎日を送っています。中高に続き大学でも演劇をしています

―吉祥女子を志望したきっかけや入学後の印象を教えてください。

末永 文化祭めぐりをした際、吉祥女子の活気あふれる雰囲気に引き込まれ、第一志望にしました。授業で作ったものなどが展示されていて、楽しそうな学校生活が想像できたのも理由の一つです。入学後に印象的だったのは、いろいろな性格や趣味の人がいるのに、何かあればみんなで団結できるところです。しかも上の学年になるほど一体感が高まっていき、良い雰囲気になっていきます。

吉野 小学生のころから球技が好きだったので、そうした部活の盛んな女子校ということで親に勧められ、オープンキャンパスに参加しました。後から知ったことですが、吉祥女子では性教育に力を入れていて、それを親が評価していたこともあり、わたしに勧めたそうです。吉祥女子での性教育は、生殖や体の知識などを学ぶだけのものではありません。ジェンダーや多様性、人権問題なども含んだ、包括的なものです。その影響もあり、高いジェンダー意識を持って中高生活を過ごしたので、今の社会に対して違和感を持つようになり、そうした問題に関してさらに学びたいと考えるまでに至りました。

ボイスレスパフォーマンス部の公演を行った思い出深い吉祥ホール。「吉祥女子にしかないユニークな演劇です」と末永さん

―吉祥女子は部活動や委員会活動が盛んですね。

吉野 はい、わたしはバスケットボール部に所属して、基本的には週に5日、試合前は週に6日活動していました。走り込みや筋トレなど、練習は結構きつかったですが、「ここで妥協したら何も成長できない」という気持ちで取り組み、精神面でも強くなれました。また、団体での競技ですから、そのなかでチームワークや仲間への配慮も学べたと思います。

末永 わたしはボイスレスパフォーマンス部に所属していました。吉祥女子で20年以上続くオリジナルのクラブです。声を出さずに、表情や身振りのほかさまざまな演出だけで、一つの劇をつくり上げるというものです。下級生のころはなかなか演技が上達せず苦労しましたが、先輩方がていねいに指導してくれて、少しずつ成長できました。公演が終わると「すごく良かったよ」とほめてくれるなど、とても優しいのですが、一方できちんとできていないところは指摘してくれる先輩が多かったですね。コロナ禍による休校期間中は、オンラインで話し合ったり、動画を送り合ったりしながら活動を続けていました。こうした部活や行事など、自主的な活動ができる機会は、学校全体で多い気がします。

生徒の自主性を尊重しながらも
学習面でのサポートは手厚く

吉野 ひかりさん東京大学 文科一類1年大学での学びのなかでは、法学やジェンダー論、社会学、心理学などに興味があります。大学では女子ラクロス部に所属

―中高時代の得意科目は何でしたか。

吉野 英語です。入学直後はさほど得意だったわけではありません。でも、ゲームや歌など、遊びの要素を取り入れた中2のときの授業が楽しかったので、英語が好きになり、勉強が苦ではなくなりました。

末永 わたしも得意科目は英語でした。中1で英語を学び始めたときから真剣に授業に取り組んで、発音などをがんばりました。また、わたしたちのときには、中3でカナダ語学体験ツアーがありましたが、その際に自分の英語が通じたので、ますます楽しくなりました。高1になると英語の本を読むことが推奨されるのですが、そのころになると、勉強するというよりは、「英語の世界観が好きだな」という気持ちから、楽しみながら原書をたくさん読んでいました。

―苦手科目にはどう取り組み、克服しましたか。

吉野 数学が苦手だったので、わからないことがあれば先生に質問していました。疑問点を早めに解消すると、友だちから質問されることも増え、その友だちに教えるうちに自分の理解もさらに深まるのです。先生方には質問しやすい雰囲気でしたね。勉強だけではなく、部活や生活面でのことなども気軽に相談していました。

末永 わたしは地歴公民が苦手でした。しかし、国公立大志望の場合は、理系でも地歴公民をやらなくてはならず苦労しました。ただ、理系志望者向けの地歴公民の授業があり、小テストなどがしばしば実施されていたので、それに向けて勉強していたら、なんとかなりました。行事などでは生徒の自主性に任せてくれる一方で、勉強面では面倒見が良い学校だと思います。

バスケットボール部の練習で汗を流した思い出の体育館。「練習はきつかったですが、試合に勝てたときの喜びは格別です」と吉野さん

―進路指導や受験サポートについて教えてください。

吉野 周りに東大をめざしている人が多くはいなかったので、情報が足りずに困ることもあったのですが、先生に相談したところ、東大に進学した先輩に話を聞く機会をつくってくれました。先生ご自身も親身になって話を聞いてくれて、添削などもしてもらえたのでとても助かりました。担任の先生だけでなく、進路・学習部の先生などにも相談しました。東大入試対策としては、高3の夏休みに、世界史の講習と論述対策講座を受講して、そこで論述の仕方を基礎から学びました。

末永 学校での夏期講習は、高3にとって受験対策としてはもちろん役立ちますが、中学生対象の講座にもおもしろそうなものがたくさんあります。わたしは中学時代から、英語など興味のあるものを受講していました。

―最後に、吉祥女子をめざす受験生たちにメッセージをお願いします。

末永 勉強はもちろん、そのほかの委員会活動や部活などへの取り組みも全力で応援してくれる学校です。さまざまな経験を積むなかで、自分自身の性格や得意分野を理解できるようになります。一生つき合っていける友だちにも出会えますよ。

吉野 わたしはもし人生をもう1回やり直すことになっても、吉祥女子に入りたいと思っています。勉強・部活・行事・国際交流と、何もかもが充実していて、いろいろなことに挑戦できるからです。受験勉強は大変でしょうが、入学したら楽しい学校生活が待っています。ぜひがんばってください。

《学校のプロフィール》

吉祥女子中学・高等学校

所在地 〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町4-12-20
JR「西荻窪」駅より徒歩8分、西武新宿線「上石神井」駅より
バス15分「地蔵坂上」下車、徒歩8分

TEL 0422-22-8117
H P www.kichijo-joshi.jp/ 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

https://www.kichijo-joshi.jp/admission/events/

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