母校再訪
(「22年11月号」より転載/22年10月公開)
母校再訪
巣鴨中学校・高等学校
佐藤 真之介さん(2022年卒業)
信江 将吾さん(2022年卒業)
学ぶ意欲を高める「努力主義」の校風
継続することの大切さを知り成長する
巣鴨中学校・高等学校は、「努力主義」を理念とした教育を実践し、みずから努力し続けることのできる人材を育成しています。数学の成績上位者で編成される数学クラスや、充実した国際教育プログラムなど、同校独自の教育も多彩に展開しています。今春、東京大学と慶應義塾大学にそれぞれ進学した2人の卒業生に、同校での思い出や学びについて、振り返ってもらいました。
いつでも生徒のことを考え、
熱心に向き合ってくれる先生たち

佐藤 真之介さん東京大学理科一類1年学ぼうとする意欲に、先生方はとことん付き合ってくれました。熱心な指導のおかげで、自分でやり切る、努力し続ける力が身につきました。
―巣鴨を志望した理由を教えてください。
信江 巣鴨では、中3と高1の2年間、数学の成績上位者によって編成される「数学クラス」が設けられます。小学生のころ、算数が得意だったぼくは、この数学クラスで学びたいと思い、巣鴨を志望しました。また、幼少のころから続けていた剣道が必修だったことも、入学したいと思った理由の一つです。
佐藤 ぼくは小学生のころ、勉強そのものは好きだったのですが、努力を継続することは苦手で、すぐ投げ出してしまうタイプでした。そんな自分が、努力を怠らずに、継続する習慣を身につけるためには、「努力主義」を掲げる巣鴨で学ぶのがよいと思い、入学しました。
―実際に巣鴨で学んでみて、どんな学校だと感じましたか。
佐藤 まず感じたのは、先生方の熱心さです。いつでも生徒のことを考えて、手厚く指導してくださいました。そして、自分が興味・関心のあることを追究できる学校でした。ぼくは物理に夢中になりました。
実験・研究・議論を重ねた物理室は思い出の場所。「興味のあることを追究できる環境でした」と佐藤さん
信江 入学前、「巣鴨は厳しい」というイメージがありましたが、在学中にそう感じたことは一度もありませんでした。先生方が本気で注意してくださったときは、注意されて当然だったと納得できました。たとえば、自分のスケジュール管理表を提出する課題があったときに、不十分な書き方のまま提出してしまい、厳しく指摘されたことがありましたが、その指導のおかげで、スケジュール管理と時間の使い方の大切さがわかりました。そうした指導の一つひとつに大切な意味と熱い思いがあったのだと、卒業してあらためて感じます。
佐藤 課題を最後までやり切らないままにしておいたり、復習を怠っていたりして、自分に甘い時期がありました。こうした基本的なところを先生はしっかり見ていて、指摘してくださいました。熱心な指導のおかげで、自分に甘えなくなりました。
信江 どの先生も強調していたのは「努力を怠ってはいけない」ということです。巣鴨で身につけたやり抜く力、続ける力は、今も、これからも生きていくと思います。
―6年間での一番の思い出は何ですか。
信江 6年間剣道班に所属し、日々汗を流して稽古を続けたことは、今の自分の支えになっています。礼儀を重んじる剣道を通して、相手を思いやる心や礼儀正しい振る舞いなど、たくさんの大切なことを学びました。もう一つ、ぼくはピアノ歴も長いので、バイオリンやチェロを弾ける友人とカルテットやクインテットを結成し、文化祭でコンサートを開いたことも印象深い思い出です。
佐藤 巣鴨で物理のおもしろさに目覚め、物理班に入りました。実験を中心に活動し、大学で扱う内容を先取りして学ぶこともできて、とても充実していました。物理が好きな仲間たちと、たくさん議論できたことが一番の思い出です。もっと学びたいという意欲も高まって、東大をめざすきっかけにもなりました。
自分で努力し続ける力は、
将来どんな道に進んでも必要

信江 将吾さん慶應義塾大学医学部1年剣道班での6年間、つらい稽古もありましたが、乗り越え、続けたことが、今の自分を支えています。巣鴨では、学力も人間力も身につきます。
―印象に残っている授業やプログラムはありますか。
信江 中3・高1の数学クラスは、とても刺激的でした。質問し合ったり教え合ったり、活気にあふれていました。中3で数学クラスに入ることが一つの目標だったので、中1・中2ではがんばって勉強しました。また、中3のときには、イギリスでのイートン校サマースクールに参加しました。現地の先生と実際に英語でコミュニケーションすることがとにかく楽しく、文化や考え方の違いなど、さまざまな発見があって視野が広がりました。自分から積極的にコミュニケーションをとることによって、語学力だけでなく、コミュニケーション力も磨かれるのだと実感しました。
佐藤 物理の授業のなかで、選ばれた一人が、学んだ内容をみんなに説明するという機会がありました。教える側は、自分が完全に理解できていないとみんなに説明できません。それに対して的確な質問をするためには、教えられる側にもしっかりとした理解が求められます。お互いに知識を深められる授業だったと、とても印象に残っています。また、高1のときには、東大キャンパスツアーに参加しました。巣鴨の卒業生である東大生の研究室を訪問し、研究内容についての話を聞いたとき、「ここなら自分のやりたいことがもっとできる。ここで学びたい」と思い、東大を志望校に決めました。
道場で竹刀を握り、剣道班での6年間を思い出す信江さん。「あの日々が今の自分を支えています」と振り返りました
―現在、大学で学んでいることや、将来の目標を教えてください。
信江 現在は、一般教養や医学の基礎的な知識を学んでいますが、 将来的には、興味のある脳神経外科の分野に進みたいと考えています。大学では経験が豊富で実績のある多くの医学者から、最新の研究内容を学ぶことができます。これからが楽しみですし、学んだことを将来必ず役立てたいと思っています。
佐藤 1年次は、自分の受けたい講義を自由に選択できるので、物理を中心に学んでいます。今、興味があるのは物質の最小単位である素粒子についてです。素粒子はすべての物質の基本であり、あらゆる研究分野につながっていきます。将来は、素粒子の解明されていない分野に挑んで物理の最先端を追究したいと考えています。大学には優秀な学生がたくさんいます。その学生たちと積極的に議論するなど、巣鴨で培った「わかるまでやり切る姿勢」で、日々学んでいます。
数学クラスの担任の中島先生と再会
―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
信江 巣鴨には特色ある行事もたくさんあります。学力だけでなく、人間力も身につけることができる学校です。巣鴨に入学すれば、必ず充実した6年間を過ごせます。
佐藤 巣鴨には熱心な先生がたくさんいて、手厚く指導してくれます。そして、自分で努力する力が身につきます。それは将来、どんな分野に進んでも必要なものなので、巣鴨に入って後悔することはないと思います。
《学校のプロフィール》
巣鴨中学校・高等学校
●所在地 〒170-0012 東京都豊島区上池袋1-21-1
JR「大塚」駅より徒歩10分
JR、東京メトロ有楽町線ほか「池袋」駅より徒歩15分
東武東上線「北池袋」駅より徒歩10分
●TEL 03-3918-5311
●H P www.sugamo.ed.jp
《Information》
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