受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校File

(「19年6月号」より転載/19年5月公開)

東京都市大学付属
中学校・高等学校

所在地:〒157-8560 東京都世田谷区成城1-13-1
小田急線「成城学園前」駅より徒歩10分、東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅より成城学園前行きバス約20分
TEL:03-3415-0104
http://www.tcu-jsh.ed.jp

「自立」と「自律」をテーマに
みずから考え、行動できる力を培う

 東京都市大学付属中学校・高等学校は、成城の閑静な住宅街に位置する男子校です。「誠実・遵法・自主・協調」という校訓の下、Ⅱ類(最難関国公立大)・Ⅰ類(難関国公立私大)の2コース制を導入。中学3年間で60テーマにもわたる科学実験に取り組んだり、高1で4000字に及ぶ中期修了論文の執筆にチャレンジしたりして、思考力・判断力・表現力を養い、難関大学への合格実績を伸ばしています。校長の長野雅弘先生に、同校がめざす教育について伺いました。

校長 長野雅弘 先生

さまざまな選択肢を用意し
自分で考え、判断する力を育む

森上 2019年度の大学合格実績がすばらしいですね。

長野 はい。東大2名、京大1名、早慶102名、医学部医学科22名と、いずれも昨年の実績を上回りました。卒業生の人数が昨年より約30人少ないことを考えると、数字以上の手応えを感じています。

森上 その原動力は何でしょうか。

長野 けっして強制的に勉強ばかりをさせたわけではありません。むしろその逆で、自由度の高い教育を実践した結果と考えています。昨年、教育の大きなテーマとして「自立と自律」を掲げました。大人に依存しないで行動できる「自立」と、周囲に流されずに自己決定できる「自律」。この二つの力を育むことこそが、中等教育の目的だと考えています。

森上 具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか。

長野 学校生活のさまざまな場面で、できるだけ多くの選択肢を用意しました。たとえば、夏休みに部活に打ち込むか、勉強合宿に参加するか、海外研修に出かけるか、生徒たちが自由に決められます。放課後には、多くの補習講座が用意されている一方で、学習をサポートしてくれる東大生のチューターもいるし、自習室もある。「これをやりなさい」と決めつけるのではなく、自分で選択できる環境を整えたのです。

森上 行事、部活動、勉強などをフラットに並べて選択させる。レストランでいうと、定食方式ではなくアラカルト方式なのですね。

長野 まさにそうです。学校は「教員が一方的に教える場」ではなく、「子どもたちが主体的に学ぶ場」です。敷かれたレールを歩かせるだけでは、人生を切り開く力は身につきません。わたしたちの役割は、将来、大きな花を咲かせるための太い幹を育てることです。学力を伸ばすだけでなく、「健全な精神の育成」につながる教育をめざしています。

森上 部活動も活発ですね。

長野 はい。今年、東大に合格した生徒の一人は、高3の夏まで野球部で活動していました。ただし、こうしたことは誰もができるものではありませんし、全員が彼をめざす必要もありません。一人ひとりの個性は違いますからね。

森上 授業ではアクティブ・ラーニングを積極的に導入していると伺っています。

長野 みずから調べ、考え、発表する。そんな主体的な学びの機会がとても多い学校です。高1で取り組む「中期修了論文」もその一つです。みずからテーマを選んで4000字以上の論文を仕上げて発表するのですが、哲学あり、宇宙論あり、芸術論ありと、テーマは多岐にわたっています。わざわざ校長室に来て、わたしの蔵書を資料として借りていく生徒もいます。


「勉強もクラブも100対100」を合言葉に、生徒だけでなく、顧問の先生も熱心に活動に参加します


高1の中期修了論文では、4000字以上の論文執筆に取り組み、最終的には発表して相互評価を行います


中学3年で行われるキャリア・スタディでは、夏休みを利用してOBの職場を訪れ、企業での研修を行います


男子の成長に寄り添って
急がず、じっくりと向き合う

森上 長野先生は校長就任から2年目を迎えます。この間、特に留意されてきたことはありますか。

長野 日々生徒たちと向き合うのは教員ですから、わたしは教員との対話を増やしました。授業を見学し、教え方や個性を理解したうえで、長所を積極的に評価するようにしています。明るく元気な先生もいれば、研究家肌の寡黙な先生もいますので、それぞれの個性を生かせる場をつくりたいと思います。また、わたしはかつて研究者として、教育学や教育心理学、教育法などを研究した経験があります。それらの知識も先生たちと共有していこうと考えています。

森上 保護者の方々とのコミュニケーションについてはいかがですか。

長野 男子は中学生になると学校であったことを家であまり話さなくなるので、保護者の方たちは不安になりがちです。本校では「学年通信」を毎週発行して、学校の様子をご家庭にきちんと伝えています。

クラス担任が作成する「学年通信」

森上 男子を大きく育てる男子校として、保護者の方々からの期待も大きいですね。

長野 男子と女子にはさまざまな違いがあるので、成長期の教育は男女別学が理想と考えています。男子は女子よりゆっくり成長しますから、急がず、じっくりと向き合うことが大事です。本校の生徒たちも、入学直後は本当に幼いので、中1を担当する教員には、「子どもに向き合うこと」「一緒に遊ぶこと」を特に大切にしてもらいます。同時に、この時期に規律・規範をしっかりと身につけられるよう、生徒指導にも力を入れます。以前は4階にあった中1の教室を職員室に近い3階に移動し、より目配りができるように配慮しました。

森上 そうしたきめ細かい教育は私学ならではですね。

長野 公立校は能力をまんべんなく身につけることを重視しますが、私学はそれぞれの教育理念に沿って、生徒の個性を伸ばすことが得意です。また、教員たちが学校の理念を深く理解し、チームワークを発揮して長期的な視野に立った教育に取り組めることも強みでしょう。

森上 最後に、これから受験に挑む小学生にメッセージをお願いします。

長野 男子小学生のなかには、がんばっているのに女子に追いつけなくて悔しい思いをしている子も多いかもしれません。でも、大きく伸びるのはこれからです。あきらめず、少しずつ進んでください。そして、中学で信頼できる先生を見つけ、その指導の下でしっかり学んでほしいと思います。

森上 そのためには、学校選びも大切になりますね。本日はありがとうございました。

森上先生のワンポイントチェック

 世界でたくましく活躍できる力を培うべく、グローバル教育を重視していることも大きな特色です。4技能をバランスよく学べる英語教育だけでなく、全員参加のアメリカへの研修旅行をはじめ、マレーシアでの異文化研修、ニュージーランドの語学研修や3か月間の語学留学など、希望制の海外研修プログラムも実施。2014年からスタートした帰国生入試も人気で、各国からの帰国生と共に学べる、多様性に富んだ学習環境が用意されています。

森上展安先生:森上教育研究所代表。私学や私塾を対象に調査・コンサルティング機関を主催。中学受験・中高一貫教育をはじめ教育全般に関する研究・提言を行っている。

Information

学校説明会(要予約)
  6月16日(日)  9:00~12:30
  9月  8日(日)10:00~12:30
入試説明会(要予約)
11月23日(土・祝)10:00~12:30
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  5月25日、6月22日、9月14日、11月2日、1月18日
いずれも10:00~11:30
水曜ミニ説明会(要予約)
  9月25日、11月13日
いずれも10:00~11:30
イブニング説明会(要予約)
  7月19日(金)18:30~20:00
帰国生&グローバル入試説明会(要予約)
  7月29日(月)10:00~11:30
柏苑祭(文化祭)
10月12日(土)・10月13日(日)

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