文武両道の学校生活を実践し
昨年を上回る進学実績を挙げる
森上 Ⅱ類とⅠ類の2コース制が始まって7年。今春も進学実績が好調ですね。
堤 2コース制は、もともと中高一貫校の強みを生かして、6年間で合格力を育もうという意図から始まりました。今春は、東大5名、京大2名、東工大6名、北大12名のほか、早慶上理に212名など、多数の合格者が出て、成果を実感しています。

森上 1学年が250名ほどのなか、すばらしい実績ですね。校内の雰囲気などはいかがですか。
堤 生徒たちの集中力には目を見張るものがあります。コースは分かれているものの、毎年成績によって入れ替えているので、むしろ相互に競い合い「みんなで上位校をめざそう」という機運が高まっています。一方で、職業観を育んだり、大学の専門性について調べたりする「学部学科研究」などのキャリア教育にも力を入れています。高2では、大学受験に臨むモチベーションを上げる「キックオフ集会」を開催して盛り上がっています。
森上 クラブ活動も盛んですね。
堤 はい。中学での加入率はほぼ100%で、学校でも活動を奨励しています。部活でがんばった生徒は、受験でも第一志望校の合格を勝ち取っています。気力・体力が充実していなければ、長期戦を戦い抜けませんから。
帰国生と共に学ぶ
グローバルな環境
森上 2014年度から導入した帰国生入試の影響はいかがですか。
松尾 今春、その第1期生が卒業しました。初年度は19名が入学し、近年は毎年40~50名の帰国生が入学しています。合格実績も上々で、国公立大はもちろん、ほぼ全員が早慶レベルに合格しています。入学時点で英検®2級~準1級を取得している生徒が多いので、一般生も刺激をもらって英語をがんばっており、海外への興味も広がっています。
森上 帰国生と一般生との関係はいかがですか。
松尾 校内にとてもポジティブな“化学反応”が起きていると思います。一般生は帰国生の英語力や異文化体験に敬意を持って接していますし、その一方で、日本の常識をあまり知らず、国語や社会で理解が及ばない場合などはサポートをしています。自然に認め合い、教え合う関係が生まれているのです。
菊野 たとえば授業中に、知らない日本語のことばなどが出てきて帰国生がきょとんとしていると、隣の生徒が「帰国生だから知らないよな」なんて言いながら、さっと助け船を出しています。親切だけどざっくばらんな男子校らしい、こうした雰囲気によって、帰国生も安心して学校生活を楽しんでいると思います。
松尾 英語に関しては、帰国生向けに週4時間、オールイングリッシュでの取り出し授業を行っています。一般生も英語力があれば参加可能ですが、レベル的にかなりハードルが高くなっています。ところが、一般生のある生徒が奮起し、中3で英検®準1級を取得。高1で取り出し授業に参加するようになりました。これも相乗効果の一例だと思います。
森上 一般生の英語の授業には、どのような特色がありますか。
松尾 中学では難度の高い教科書を使っており、中2終了までに中学分野を終えています。中学の間にほとんどの生徒が英検®3級以上を取得しています。
森上 一方で、海外研修のプログラムも充実していますね。
松尾 ニュージーランド語学研修、マレーシア異文化体験プログラム、アメリカ西海岸研修旅行などがあります。これらは非常に意義深く、人気もあるのですが、わたしたちは実は、本校の6年間の生活こそが、最も充実したグローバル教育の場だと考えています。帰国生は欧米、アジア、南米など、実に多彩な地域から集まっており、友人同士の会話にもごく日常的に各国の政治や生活が話題に上ります。身近な友人から「世界が見える」のです。これこそ、非常に恵まれた国際環境といえるのではないでしょうか。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

「勉強もクラブも100対100」を合言葉に、生徒たちは文武両道の学校生活を送っています

中学3年間で60ものテーマにわたる科学実験を、クラスを2分割して行っています

高1の夏休みに実施される希望制のニュージランド語学研修。ホームステイをしながら現地校に通います
温かく自由な校風のなか
男子の個性を大きく伸ばす
森上 「最近の男子は幼くなった」とも聞きますが、男子教育のメリットをお聞かせください。
堤 本校では、生徒たちを厳しく管理して「平均的ないい子」にするよりも、何でも自主的に取り組ませて、長所を伸ばしたいと考えています。学校全体にそうした意識が浸透しているので、生徒たちも伸び伸びとありのままの自分を出せていると思います。だから、中学生の間は多少幼くても、高校生になると見違えるように落ち着いていきます。
菊野 6年間という長いスパンでゆっくり成長を見守れるのも中高一貫校のメリットだと思います。クラブも中高合同のものが多いので、上級生が下級生の面倒をとてもよく見ています。
森上 次に、中学入試の傾向について教えてください。
堤 難問・奇問で振り落とすのではなく、基本をしっかり勉強した子が報われるようにしたいので、出題傾向は一貫しています。過去問の正答率や出題意図などについては、かなり詳しく情報を公開しているので、ぜひ、参考にしてください。
森上 それでは最後に、受験生や保護者に向けて、メッセージをお願いします。
堤 本校は、男の子をきちんと育てる学校で、中1から高3まで本当に仲が良いのが特徴です。家族的な雰囲気のなか、保護者の方と共に、一人ひとりをしっかりと見守っています。
松尾 本校には55ものクラブがあるので、きっと自分の居場所が見つかります。勉強だけでなく、部活や友だちとの交流も楽しみ、充実した学校生活を送ってください。
菊野 一人ひとりの個性を伸ばせる学校なので、どんな人でも門を叩いてほしいと思います。